肩こりしやすい生活習慣って?
肩こりのいちばんの原因は、悪い姿勢や生活習慣です。立っているときや座っているとき、歩いているときの姿勢が前かがみになっているのが原因といわれています。
もちろん、日本人に多い「なで肩」の人は肩こりになりやすい体型ですが、そこに悪い姿勢が加われば、肩こりになってしまうのも当然といえます。
また、生活習慣では体の冷え、枕が合っていない、パソコンやスマホの使いすぎによる眼精疲労のほかストレスも大いに影響します。
そのため、几帳面な性格の人や自信がない人、不満を溜めやすい人は、どうしても肩周辺が緊張する状態になりやすいので、注意が必要です。
肩こりを予防するには、体だけでなく心のリラックスをはかることも大切です。
まめに体を動かせば肩こりしない!
肩こりの「こり」は、かんたんに言うと「長時間じっとしていることで起きる筋肉疲労」のことです。
筋肉疲労は運動などで使いすぎても起きますが、不思議なことに、筋肉を使わなくても起きます。
たとえば、何時間もスマホやパソコンを使ったときや、長時間車を運転したときなどにも起こるのです。
肩こりが発生すると、肩周辺の筋肉が緊張して疲労し、血管や神経が圧迫されて血行不良になります。こうして血液が行き渡らなくなると、肩こりを感じてくるようになるのです。
こりを感じてもそのまま動かないでいると、よりこりがひどくなっていく……ということになります。
ですから、長時間同じ姿勢でいないことが大切です。
肩甲骨、動いていますか?
肩の関節は、大きな動きができるように作られています。ところが、年齢を重ねると共に、腕を上下左右に振る、360度ぐるりと回すといったことをだんだんしなくなります。
普段生活する上で動かすのは30~40度程度で足りるので、大きく動かすことなく過ごしてしまうのです。
ところが、肩の筋肉は使わないとどんどんと衰えてしまい、やがて硬くなって動きが制限されてしまうようになります。
四十肩や五十肩といった腕が上に上がらないといった症状は、日頃から肩を動かしていれば十分に防げる症状です。
このことからもわかるように肩は動かさないとすぐに衰えてしまう部位なので、毎日少しでもいいので肩を動かすようにしましょう。
肩がスムーズに動くためのもうひとつのポイントは、肩甲骨にあります。
実際、肩がこる人はこの肩甲骨がうまく動かなくなっている人が多く、肩甲骨周辺を柔らかくすることで、肩こりを予防、軽減することができるようになります。
肩甲骨を寄せてみてください。背中に縦ジワができるようなイメージで行うといいでしょう。
上手に肩甲骨を寄せることができましたか?
うまくできなかった人は肩甲骨周辺が硬くなっている証拠です。
肩こり解消ストレッチ5選
それでは、手軽にできる肩こり解消ストレッチをご紹介しましょう。
時間を見つけて取り組んでみてくださいね。
①首回し
肩こりは肩だけが硬くなっているわけではありません。
まず、首をほぐすことから始めましょう。ほぐすといっても簡単で、首を回すだけです。回すだけなら、立っていても座っていてもできるので、ちょっとした空き時間にできます。
①まず、首を大きくゆっくりと回してみましょう。このとき呼吸を意識することが大切です。一呼吸で一回りを目安として回してみてください。
②反対も同じように回していきます。
左右1セットで1日に1~5回ほどが目安です。もし回していて痛いところがあったら、無理せずにできる範囲で行いましょう。
ただ首を回すだけですが、これだけでも十分に首周辺の筋肉をほぐす効果があります。
疲れたなと感じたら、ゆっくりと回すだけで、リラックス効果も得られますし、首周辺の疲れも取れてきます。
②肩の上げ下げ
肩を上げ下げすることで、胸、首、肩、腕のつけ根の筋肉を緊張させたり、ゆるめたりすることができます。
肩こりの原因となる筋肉を一通り使うことで血行をよくする効果があるので、肩こり予防や改善に適しています。
ただし、はずみをつけたり、強くやれば良いというものではありません。無理をせずにゆっくりと行い、回数も少しずつ増やしていくようにしましょう。
①まず、息を吸いながらゆっくりと両肩を上げて耳の方へと近づけていきます。
②これ以上、上に上げられない上げたら、息を吐きながら両肩の力をストンと抜いて肩を落とします。腕には力を入れず、肩だけに力を入れるのがポイントです。
1日に1セットを10回程度行いましょう。
③首を左右、上下に倒す
首周辺の筋肉は重い頭を支えるために、常にバランスを取りながら収縮を繰り返しています。
首周辺の筋肉にも負担がかかればこりや痛みの原因となります。ストレッチで首周辺の筋肉を柔らかくしておくようにしましょう。
~首を動かして行うストレッチ~
- ①息を吸って首の力を抜いて、吐きながら前に倒していきます。
- ②息を吸いながら元に戻します。
- ③次に息を吸って、吐きながら今度は後ろへ倒していきます。
- ④息を吸いながら元に戻して、吐きながら今度は右側へと倒していきます。
- ⑤息を吸いながら元に戻して、吐きながら今度は左側へと倒していきます。
首に痛みがあるときは、首を動かさずにストレッチをする方法もあります。
~首を動かさずに行うストレッチ~
- ①右手で頭を抑えます。
- ②頭で抑えた右手を押し返すようにします。
- ③同様に反対側も行います。
④バンザイ!
まず、バンザイをするように真横から真上に手を上げてみましょう。
もし、腕が上がらない、真上でなく斜めまでしか上がらないようなら、かなり肩甲骨が硬くなっています。普段から肩甲骨周辺をほぐすことを意識するようにしましょう。
①背筋を伸ばして立ちます、右手を前から上へとゆっくりと上げていきます。
②腕が耳の横にきたところで止まり、5秒ほど数えてからゆっくりと下ろしていきます。
③同じように左手も行います。
④最後に両手でバンザイをしてみましょう。
10セットを目安に行います。
⑤肩甲骨をほぐす
こりかたまってしまった肩甲骨はなかなか頑固ですが、毎日少しずつほぐしてあげることで、必ず柔らかくなります。ポイントは「伸ばしたら縮めること」です。ゆっくりと行っていきましょう。
①両ひじで胸の下を挟むようにします。
②胸やひじの位置を変えずに、肩をリラックスさせます。
③そのまま胸を張っていきましょう。
④次に縮めた肩甲骨を伸ばしていきます。腕を前に出して肩甲骨開くようにします。胸の前に大きなボールがあって、それを両手で抱えるようなイメージです。
こりや疲れはため込まないこと
肩こりの原因は、目の疲れや長時間の同じ姿勢、運動不足やストレスなどです。
パソコンやテレビ、スマホ、そして最近ではVRと、周りには目を酷使してしまうものがあふれていますし、忙しければ運動不足になるのも仕方がありません。
しかし、肩こりがひどくなれば、頭痛や腕のしびれなども引き起こすので、こりや疲れは、ため込まずにできるだけまめにかんたんなストレッチで解消することが大切です。
ここで紹介したストレッチは誰でもかんたんにどこでもできるものばかりです。ぜひ試してみてくださいね。もし痛みが出た場合はすぐに中止して、専門医の診断を受けるようにしましょう。