なぜ肩こりから頭痛になってしまうの?

頭痛が引き起こされる原因は様々ですが、肩こりを伴う頭痛は緊張型頭痛という種類の頭痛である可能性が高いです。
緊張型頭痛は精神的、肉体的にストレスのかかる生活習慣を続けてしまうことで引き起こされます。
肉体的なストレスを感じる時、運動不足や睡眠の質の低下によって体がこわばってしまっている時など、体全体の筋肉のこわばりの結果として現れる代表的な症状です。
精神的なストレスも無視できません。体は 精神的なストレスを反映します。
精神的に緊張した状態が続くと、体の緊張が続き血行が悪化してしまいます。その結果、体の筋肉がこわばり、肩こりが起こり、さらには頭痛にまで発展してしまうのです。
眼の酷使が大きな原因に!
特に頭痛を招きやすいのは、パソコンを集中して見続けるなど、眼の使いすぎです。
眼精疲労はそれだけでも頭痛を誘発しますが、眼の使いすぎは肩こりにもつながり、肩こりが頭痛を招くという悪循環も生んでしまいます。
眼の使いすぎは多くのデスクワーカーにとってやむを得ないことですが、集中して物を見続けると自然と頭が下を向いたままの状態が続きます。
人間の首は通常、頭が前を向いた状態を支えることが負担が少ないようにできているため、下を向いた頭を支えると首は緊張した状態を強いられてしまうのです。
首の緊張はすぐ隣に位置する肩の緊張につながり、肩こりが起こってしまいます。
対策として、パソコンのディスプレイの位置を調整するようにしましょう。目線より下すぎる位置にこないようにすると、首への負担が軽減されある程度肩こりが緩和されます。
しかし、集中して眼を使うことはそれだけで少なからず首の緊張を伴いますので、眼の使いすぎは禁物です。
頭の筋肉にも「コリ」がある?
では、どうして肩こりが頭痛を引き起こすのでしょうか?それは、頭の筋肉も肩の筋肉同様に「こる」からだと言われています。
首と頭の筋肉は筋膜という組織で繋がっているので、首の筋肉の緊張は頭の筋肉の凝りにもつながるのです。
頭の筋肉が 硬くなると、脳の血行が悪くなっていまい、結果として脳が酸欠状態になってしまいます。これが肩こりからくる頭痛の原因の一つです。
また、頭の筋肉が硬くなって周りの神経を締め付けることで炎症が発生し、頭痛が引起きている場合もあります。
肩こりから頭痛が……自分でできる解消法は?

ストレスのかかる状態に置かれると、私たちの体は緊張し、肩こりや頭痛といった不快な症状が現れます。
肩こりを予防するためには、体を緊張させるような作業に没頭しないということが一番です。
しかし、現代社会で生きていく上で、そのようなストレスのない状況を作るのは難しいという人がほとんどではないでしょうか。
また全身の筋肉は筋膜という組織でつながっており、肩こりを治すには、全身の筋肉の柔軟性を取り戻すことが必要になります。
しかし全身のケアにはそれ相応の知識が必要です。短期間で肩こりを根本的に解消するには、整体をはじめとした専門家のケアが必要不可欠であるといえるでしょう。
しかし、自分でもある程度なら肩こりや頭痛を和らげることができます。ここから解消の方法いくつかご紹介します。
眼を温める・眼の緊張を緩める
多くの場合、肩こりを伴う頭痛は眼精疲労とつながりがあります。
そのため、目の疲れを取ってあげることが効果的です。眼を温めてあげると眼の周りの血行が良くなり、目の疲れが和らぎます。電子レンジなどで蒸しタオルをつくり、眼の上に置いて温めてみましょう。
水で濡らしてからよく絞ったタオルを、ラップやビニール袋に入れレンジで温めます(600Wなら1分ほど)。
できたては熱くなり過ぎている場合があるのでヤケドに注意しましょう。眼の周りは皮膚が薄いのであまり熱いまま乗せないよう注意しましょう。
眼の周りの筋肉のコリをほぐすことも有効です。しかし眼はデリケートな場所ですから、くれぐれも力を入れたマッサージはしないでください。
眼の緊張をほぐすのにおすすめなのは、手をお椀のような形にして手の平を目の上に置き、手のひらで目を温めてリラックスさせる方法です。眼と同時に首や背中もリラックスさせることを意識しましょう。
頭をマッサージする
頭は、自分でマッサージしやすい部位なので、簡単に頭の筋肉の緊張を和らげることができます。
しかし、頭は皮膚が薄く、デリケートな部分なので、力を入れずに優しくマッサージするようにしましょう。
特に頭が痛い時に強いマッサージを行うと、かえって痛みが増してしまうおそれがあります。
頭痛が起きてから行うよりも、普段から予防としてマッサージを行うのがおすすめです。
マッサージをする際は指の腹を使い、頭からこめかみ、首の後ろまでを優しくシャンプーするようなイメージで揉みほぐしましょう。
手首をストレッチすることで肩こりを和らげる
筋肉の緊張を自分でほぐすにはストレッチが有効です。しかし肩こりのときに直接症状のある肩だけをポイントでストレッチしても、それだけではなかなか症状の緩和にはつながりません。
肩のストレッチを行っているのに肩こりがとれないという人は肩とつながっている周りの部位をストレッチしてみましょう。
特に効果的なのは手首のストレッチです。
ます片方の手で握りこぶしをつくり、もう片方の手で握りこぶしを包むように持ちます。
そこから肘と手首を体の内側に曲げてストレッチします。その後手首は内側に曲げたまま腕を突っ張るように伸ばしたストレッチも行います。
この方法は手首をストレッチしながら肩の筋肉も伸ばすことができます。肩こりが解消されると、頭痛も和らぐでしょう。
我慢できないときは頭痛薬を使用する
頭痛薬を常飲することには、副作用の危険があります。肩こりや頭痛が悪化する前に、他の方法で治せればそれに越したことはありません。
しかし痛みがどうしても我慢できないときもあります。そんなときは無理せず頭痛薬を使うのも手です。
頭痛薬は物によって効果は様々です。痛みの原因を取り除くものや、脳の痛みの信号をストップするものなど、成分によって効き目に違いがあります。
自分に合うものがわからないときには医師や薬剤師へ相談しましょう。頭痛薬には市販のものの他に、医師の処方せんがないと買えないものもあります。
頭痛薬の副作用としては、胃の不快感が最もよく現れますが、その他にもまれですが様々な症状が現れることがあります。違和感を感じたら使用を止めて医師に相談しましょう。
胃を荒らしてしまうことを避けるためには、空腹時に取らないなど薬ごとに指示されている服用のタイミングを必ず守ることが大切です。
また頭痛薬を用法用量を守らずに使い過ぎると、「薬物乱用性頭痛」と呼ばれる二次性頭痛の原因となることもあります。より効果を得たいからといって、指示されている以上の薬を取ることは絶対にしないで下さい。
痛みが収まらないときは病院へ
どのような対処をしていても数日に渡って頭の痛みが収まらないときは、何らかの病気の可能性もあります。あまりに頻度が高く頭痛が起きる、という人も注意が必要です。
そのような場合は頭痛外来へ行き、医師の診断を受けるようにしましょう。
肩こりの解消には体トータルでのケアも
頭痛が起きると仕事もままならくなり、日常生活にも支障をきたすという人は少なくありません。
頭痛薬での対処もできますが、薬は使い続けるうちに効きづらくなりますし、副作用も心配ですよね。できれば頭痛の根本的な原因にアプローチして解消していくのが理想です。
肩こりからくる頭痛は体の緊張が原因です。解消のためには普段から運動を心がけたり、体のゆがみから治していくなど体をトータルにケアすることが必要です。
肩こりがひどい場合は整体に行ったり、整形外科を受診したりするなど、専門家のケアを受けるようにしましょう。また、頭痛がひどい場合は最寄りの「頭痛外来」を受診するのも一つの方法です。