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肩こりがひどくて吐き気が起こる!?原因と解消法

ズシッと肩に感じる重み、首から肩にかけて鈍い痛みが続いている。
肩こりはマッサージやストレッチをしても、すぐに痛みが発生して根本的な解決にはなりません。
さらに肩こりが悪化すると、吐き気を引き起こすことがあります。
吐き気を感じたら、肩こりがひどく進んでいるというサインです。
吐き気を感じたときの対処法と、肩こりを根本的に解消するための生活習慣や対策で、肩こりによる吐き気をしっかりケアしましょう。
今回は、肩こりによる吐き気が起こるメカニズムや解消法、予防対策を解説します。

肩こりを放置すると吐き気が起こる?

肩こりのイメージ

首周りから肩にかけて感じる、ズーンとした重だるさ。
自分で肩を揉んでみると、まるで鉄板のようにカチコチ!
日頃から肩こりにお悩みの方にとっては、日常茶飯事のように感じる痛みかもしれませんが、肩こりは放置してはいけません。
肩こりが悪化すると、吐き気や頭痛など、他の症状の原因になってしまうのです。
特に吐き気は、肩こり悪化と他の病気が潜んでいるサインかもしれません。
肩こり持ちのあなた、最近吐き気を感じたことはありませんか?
もし吐き気を感じたことがあるなら、原因と解消法を知って対策を練りましょう。

肩こりが起こるメカニズムと原因

肩こりは首や肩に流れる血液の血行不良のサインです。
首や肩の筋肉が、疲労や姿勢の悪さ、自律神経の乱れなどが原因で固くなると、血流が悪くなります。

血液は、全身に栄養や酸素を届ける運搬役ですが、血行不良になっている部分には栄養や酸素を届けにくくなってしまうのです。
肩こりで痛みが発生するのは、血行不良で栄養や酸素不足になっている状態を、首や肩周辺にある神経が脳に伝達するため、と考えられています。

痛みを感じた時点で、ストレッチやマッサージなど、解消法を試すと一時的にはマシになります。
しかし、姿勢の悪さや自律神経の乱れなど、生活習慣が肩こりの原因の場合はまた痛みが起こるようになります。

最近はパソコンやスマホを使うときの姿勢の悪さや、ストレスによる自律神経の乱れなど、現代の日本人の多くが慢性的な肩こりに悩まされています。
肩こり=現代病、と言っても過言ではありません。

肩こりと吐き気は放置しちゃダメ!病気が潜んでいる可能性も

肩こりに伴って吐き気もする、という場合は、他の病気が潜んでいるサインかもしれません。
肩こりと吐き気を伴う病気として考えられるのは、偏頭痛やメニエール病、眼精疲労、うつ病、胆嚢炎など。

特に肩こりと吐き気に悩まされている方には、頭痛や目の痛みを訴える方が多いです。
肩こりと吐き気に合わせて、体に何かしら不調を感じることが多い場合は、一度お医者さんに診てもらった方が良いでしょう。

肩こりが吐き気の原因になるのはなぜ?

吐き気のイメージ

肩こりだけでも辛いのに、吐き気まで感じる・・・。
もし仕事中や学校にいるときなどに起これば大変ですよね。

そもそも、なぜ肩こりが原因で吐き気が起こるのでしょうか。
メカニズムを知ると、肩こりと吐き気の裏側には自律神経の働きが関係していることがわかります。

吐き気が起こるメカニズム

まず、肩こり関係なく一般的に起こる吐き気のメカニズムについて解説します。
私たちの体の中で、吐き気をコントロールしている部分は脳と脊髄の間にある「延髄(えんずい)」です。
延髄には嘔吐中枢という、吐き気のコントロールセンターのようなものがあるのですが、嘔吐中枢が刺激されると吐き気が起こります。

肩こりからくる吐き気は自律神経と関係あり

吐き気は嘔吐中枢が刺激されて起こるもの、と解説しましたが、肩こりで嘔吐中枢が刺激されるのはなぜでしょうか。
肩の痛みが刺激となって、嘔吐中枢を刺激するのでしょうか。
実は、肩こりで吐き気が起こるのは、自律神経の乱れが関係しているのです。

自律神経とは、私たちの体温や体調をコントロールしている部分で、脊髄の中に通っています。
自律神経は交感神経と副交感神経の2種類があり、それぞれがシーソーのようにバランスを保ちながら働いているのが健康的な状態です。

肩こりが続くと、首や肩まわりの筋肉が常に緊張状態になります。
筋肉が緊張状態になると、体がリラックスしているときに働く副交感神経が働きにくくなるのです。
自律神経は、一方の神経が働いていないと、もう一方の神経が優位になって働くので、交感神経が働きっぱなしになってしまいます。

交感神経が働きっぱなしになると、血管が収縮してさらに血行不良になり、肩こりが悪化。
自律神経の緊張状態は、脊髄と脳の繋ぎ目にある延髄(えんずい)部分にまで伝わり、嘔吐中枢が刺激されて吐き気を起こすのです。

肩こりから吐き気までの流れをまとめると、

肩こり→自律神経の乱れ→嘔吐中枢が刺激される→吐き気

というようになるのです。 また、肩こりの原因がストレスや不規則な生活による自律神経の乱れの場合は、自律神経がより緊張状態になるため、吐き気が起こりやすいと考えられます。

肩こりが原因の吐き気を解消する方法

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肩こりと吐き気の関係の裏側には、自律神経の乱れがあることがわかりました。
肩こりによる吐き気を解消するためには、自律神経の乱れを整えることが効果的だと考えられますね。
しかし、自律神経を整えるということは即座にできることではありません。
吐き気が起こったときにすぐできる解消法と、日々の生活で自律神経を整えていく対策の2つのアプローチで、肩こりによる吐き気を根本から解消していきましょう。

①首筋を保冷剤や冷えたタオルなどで冷やす

嘔吐中枢が刺激されているとき、自律神経は交感神経が働いており、興奮状態になっています。興奮状態を抑えるためには、冷却するのが有効です。 保冷剤や凍らせたペットボトルにタオルを巻き、首筋に当ててください。

特に首の後ろには自律神経が通っているので、念入りに冷やします。
保冷剤やペットボトルがなければ、ビニール袋に氷を詰めたものや、氷水に浸して絞ったタオルでもOKです。
こまめに冷やして、少しずつ吐き気を抑えましょう。

②運動や入浴習慣でストレスケア

自律神経の乱れを整えるために、日々のストレスを放置せずにケアしましょう。
毎日ではなく、週に2、3日だけでも10分以上の運動を行う習慣や、湯船に浸かる習慣を身につけてみてください。

全身を運動させて血流をスムーズに、湯船に浸かってリラックスして、副交感神経を働かせて自律神経の乱れを防ぎます。
また、自分の好きなことをする時間を設けたり、仲の良い友人と過ごすといったストレス解消法もオススメです。

③スマホを使うときの姿勢に気をつける

肩こりの原因の一つに、姿勢の悪さが挙げられます。
特に現代は、スマホの長時間操作による姿勢の悪さで、首の骨がまっすぐになってしまう「ストレートネック」が肩こりや吐き気、頭痛の主な原因として考えられているのです。
健康な状態では、首の骨はしなやかに曲がっているのですが、長時間猫背や下を向いた姿勢が続くと、首の骨がまっすぐになります。

首は頭の重さを支える重要なパーツですが、骨がまっすぐの状態になると、頭の負荷を支えきれず、肩まわりにまで負荷が伝わって肩こりが起こるのです。

ストレートネックによる肩こりを防ぐためには、スマホを長時間眺めない、眺めるときは座った状態で背筋を伸ばすように意識する、首回しや肩回しをして筋肉を柔らげましょう。

④規則正しい生活を送る

できるだけ早寝早起き、食事時間を毎日一定にするなど、規則正しい生活を送りましょう。
特に夜更かしは、自律神経の乱れを起こす主な原因になります。

⑤病院で医者に診てもらう

規則正しい生活を送り、ストレッチやマッサージなどを行っても、肩こりによる吐き気が頻繁に起こる場合は病院へ。
肩こりによる吐き気が体からのSOSかもしれません。

肩こりの場合、どの病院に行けばいいのか迷うかもしれませんが、まずは整形外科に行ってみましょう。
できれば総合病院が良いでしょう。
そこで吐き気を頻繁に起こすことを伝えれば、脳神経外科を紹介される場合があります。

病院の他には、接骨院で診てもらうという方法もオススメです。
接骨院で診てもらう場合、病院と提携している接骨院に行きましょう。
肩こりの症状を接骨院で診てもらい、そこで病気の可能性が考えられる場合は、提携先の病院を紹介してもらえます。
病院と提携している接骨院がお近くにない場合は、整形外科医または脳神経外科を受診しましょう。

吐き気が起こるまで肩こりを放置しない!

肩こりがひどい上に吐き気が起きたら、肩こりの症状がピークに達しているサインです。
吐き気が起きている状態では、仕事も勉強も集中できませんよね。
吐き気を抑える方法を実践したら、その日から肩こりを根本的に解消するために、生活の中に運動やストレッチ、入浴習慣などを取り入れましょう。

肩こりが起こりにくい生活にシフトしていくことで、吐き気が起こる回数も少なくなっていくはずです。
ただし、吐き気があまりに頻発する場合は、思わぬ病気が潜んでいる可能性もあります。
無理せず病院で診てもらってくださいね。

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