便秘薬に頼っていませんか?
「何日もお通じが来ない」
「おなかが張って苦しい」
「トイレに行ってもなんだかスッキリしない……」
皆さんの中にも、こんな悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか?
便秘になってしまったとき、皆さんはどんな方法で解消していますか?
ほとんどの人は、便秘薬を使って無理やり排便しているのではないでしょうか?
便秘薬を使えば、すぐに便秘を解消することができます。しかし、便秘薬を飲むとおなかが痛くなってしまったり、かえっておなかが下ってしまったりする人も珍しくありません。
便秘薬は大きく2つのタイプに分けることができます。
「刺激性便秘薬」と「非刺激性便秘薬」です。
刺激性便秘薬は、腸を刺激して活動を活発にし、排便を助けるタイプの便秘薬です。
腸に刺激を与えるためおなか痛くなりやすいだけでなく、日常的に使っていると徐々に効果が感じられなくなってくるという特徴があります。
刺激性便秘薬は、頻繁に使っているとクセになりやすく、便秘薬なしでは排便できなくなってしまうおそれがあるので、使いすぎは禁物です。
どうしても便秘薬を使いたい場合は、「非刺激性便秘薬」を使うようにしましょう。
非刺激性便秘薬は、腸に水分を集め、便を柔らかくして出しやすくするタイプの便秘薬です。
腸に刺激を与えないためおなかが痛くなりにくいという特徴があります。また、刺激性便秘薬に比べてクセになりにくいのもポイントです。
便秘薬を使えば、一時的にではありますが、便秘を解消することは可能です。
でも、できれば便秘薬を使わずに便秘を解消したいものですよね?
であれば、便秘解消のためのマッサージを行いましょう。
便秘がマッサージで解消する2つの理由
「便秘になったらおなかのマッサージをする」という人は多いと思います。
マッサージであれば、便秘薬のようにクセになることもないですし、副作用もないので安心して続けられますよね。
では、どうしてマッサージをすると便秘が解消されるのでしょうか?
そのためには、まず便秘の原因を知っておく必要があります。
便秘と一口にいっても、3つのタイプに分けられるので詳しく見ていきましょう。
弛緩性便秘
弛緩性便秘は、腸の働きが鈍くなって起こる便秘です。
腸の働きが鈍くなり、便を運ぶ力が衰えることで、便が腸の中に溜まってしまいます。
原因には運動不足や極端なダイエット、水分不足などが挙げられます。
放っておくと便の水分がどんどん腸に吸収され、便が硬くなってさらに出しにくくなるという悪循環に陥ってしまうので、積極的に腸に刺激を与えて便の移動をサポートしてあげましょう。
けいれん性便秘
けいれん性便秘は、ストレスなどで腸の働きが鈍くなったり、腸が狭くなったりして便がスムーズに腸内を移動できなくなることで起きる便秘です。
主な原因にはストレスや不規則な生活習慣による自律神経の乱れがあります。
けいれん性便秘の人は、他のタイプの便秘の人に比べて、おなかが張った感じや残便感を訴えることが多いです。
また、人によっては便秘と下痢を繰り返す場合もあります。
直腸性便秘
便が直腸まで移動してきているのにスムーズに排便できないタイプが、直腸性便秘です。
直腸性便秘は普段の習慣が原因になっていることも珍しくなく、寝たきりの人や高齢者、トイレを我慢しがちな人に多いとされています。
この3つのタイプの中で、マッサージが効果的なのは「弛緩性便秘」と「けいれん性便秘」です。
マッサージによって便秘が解消される理由を詳しく見ていきましょう。
腸の動きが活発になるから
マッサージを行うと、腸の働きが活発になり、便の移動がスムーズに行われます。
弛緩性便秘のように腸の働きが鈍っているタイプの便秘には、マッサージは特に効果的です。
リラックスできるから
けいれん性便秘のように腸の緊張が強い場合は、マッサージをすることで自律神経のバランスが整い、便秘が解消されるとされています。
マッサージを行うと、リラックスを司る副交感神経が優位になるので、腸の緊張も緩み、便がスムーズに腸内を移動しやすくなります。
便秘に効くマッサージ5選
それでは、便秘に効果的なマッサージを簡単に5つご紹介しましょう。
「の」の字マッサージ
便秘解消マッサージの定番「の」の字マッサージは、おなかに「の」の字を書くように行うマッサージです。
腸に沿って手で刺激を与えてあげることで腸の動きを活発にし、便の移動をスムーズにします。
おなかに触れてみて固く感じる部分がある場合は、そこに便が溜まっているので重点的にマッサージをしましょう。
呼吸も意識しながら行うとより効果的です。
「の」の字マッサージのやり方はこちら
https://karada-nayami-lab.com/benpi/486
おしり周りのマッサージ
うつぶせになっておしりを刺激するのも便秘解消には効果的です。
なかなか便意を感じにくい人にもおすすめなので、やってみましょう。
やり方
- 1.うつ伏せに寝ます。
- 2.両膝を曲げます。
- 3.かかとでおしりをトントンと叩くように足を動かします。
腸の揉み解しマッサージ
腸全体を揉み解すのも便秘解消に効果的です。
立った姿勢で行えるので、テレビを見ながら行ってみましょう。
やり方
- 1.足を肩幅に開いて立ちます。
- 2.右手を肋骨のすぐ下、左手を腰骨のすぐ上に当てます。
- 3.腸をつかむようなイメージでよく揉み解しましょう。
- 4.今度は左手を肋骨のすぐ下、右手を腰骨のすぐ上に当てて同じように揉み解します。
下腹部のマッサージ
下腹部が張っているように感じる人は、下腹部を重点的にマッサージしましょう。
優しく刺激するだけでも十分腸に刺激を与えることができます。
やり方
- 1.あおむけに寝て、足を肩幅に開き、膝を立てます。
- 2.手の指を揃えて、おへその両脇に当てます。
- 3.左右の手を交互に動かし、おへその両脇から恥骨までをトントンとマッサージします。
座ってできるマッサージ
トイレで座ったまま行えるマッサージもあります。
少しいきんでも排便できない時などに試してみましょう。
やり方
- 1.姿勢を正して座ります。
- 2.おなかをへこませ、お尻の穴を閉めます。
- 3.体を左右に5秒ずつひねります。
体質や便秘の度合いによっては、マッサージをすることでおなかが痛くなったり、かえって症状が悪化したりする場合があります。
もしおなかが痛くなったり、症状が悪化するような場合はマッサージを中止して、できるだけ早く病院を受診してください。
便秘の背後に大きな病気が隠れている可能性もあります。
心地良いマッサージでおなかスッキリ!
マッサージをすることで腸の動きが活発になるだけでなく、自律神経のバランスも整うので、便秘に悩んだ時は気軽におなかをマッサージしてみましょう。
マッサージはあくまでもマッサージです。力いっぱい行う必要はありません。
また、マッサージだけで便秘を解消しようとせず、普段の生活や食事に気を配り、便秘になりにくい環境も整えるようにしましょう。