赤ちゃんの便秘の原因は?
しっかり食べているのにうんちが出ない……赤ちゃん自身も不機嫌だし、お母さんとしても心配ですよね?
全ての赤ちゃんが便秘を起こすわけではなく、うんちが出やすい赤ちゃんもいれば、便秘になりやすい赤ちゃんもいるため、便秘になるかどうかは個人差が大きいといえます。
早速代表的な便秘の原因を詳しく見ていきましょう。
生まれつきの体質
腸や肛門などの排泄に関わる器官に、生まれつきトラブルがある場合便秘を起こしやすくなります。
また病気のために便秘の症状が現れていることもあります。
うんちに血が混じったりしていないか、よく色などもチェックしてみましょう。
母乳やミルクが足りていない
栄養や水分が十分に足りていない場合も、便秘になりやすいです。
特に母乳の場合は具体的な量が分かり辛く、十分な量を授乳できていない場合もあります。
いつまでもお乳を欲しがったり、授乳回数が多くなったりした時は、母乳だけでなく、粉ミルクも利用して赤ちゃんに十分な量のミルクを飲ませてあげましょう。
粉ミルクの飲みすぎ
ミルクを飲まな過ぎても便秘になりますが、ミルクの飲みすぎでも便秘になることがあるので注意が必要です。
母乳の場合は心配ありませんが、粉ミルクの飲み過ぎはカルシウムの摂り過ぎにつながり、便秘の原因になります。
赤ちゃんが欲しがるとついつい飲ませてあげたくなりますが、それぞれの粉ミルクのパッケージに書かれている目安量を守るようにしましょう。
赤ちゃんが飲みたがるときは白湯や麦茶、糖水などを飲ませてあげてください。
便が硬くなっている
うんちを排泄するには、ある程度おなかの中に溜めないとスムーズに排泄できません。
うんちの量が少ないと、その分おなかの中に長時間留まりやすくなり、どんどん水分が抜けてうんちが硬くなってしまうことがあります。
硬くなったうんちは力んでもなかなか出てこなく、排泄できない→さらにうんちが溜まる→水分が抜けて硬くなる→排泄できないの悪循環に陥ってしまうこともあります。
厚着のしすぎ
あなたのお子さんは、常に厚着ではないですか?
赤ちゃんは体温調節が苦手だからと、お母さんは厚着をさせてしまいがちです。
しかし、厚着をしすぎると排泄に必要なおなかの筋肉が動きにくくなり、スムーズに排便できなくなってしまうことがあります。
厚着による体温調節はもちろん必要ですが、必要以上に厚着にならないよう服の素材や枚数を工夫してみましょう。
赤ちゃんが便秘になった時の対処法
赤ちゃんが便秘でぐずっていたり、苦しそうにしていたりするとお母さんとしては一刻も早くどうにかしてあげたいですよね?
かといって、便秘になるたびに小児科や救急外来に駆け込んでいてはキリがありません。
そんな時は、自宅でできる対処法で様子を見てみましょう。
4つの方法をご紹介しますので、試してみてくださいね。
①優しくマッサージを行う
赤ちゃんは大人と違い、排便させるための筋肉がまだ十分に発達していません。
おなかを優しくマッサージして腸の運動を促してあげると、排便しやすくなることがあるので試してみましょう。
マッサージはあくまでも優しく行うのがポイントです。
おなかに指先を当てて、時計回りにゆっくりとさすってあげましょう。
②肛門を刺激する
肛門を刺激して排便を促す方法もあります。
ミルクを飲ませた後30分以内に「綿棒浣腸」を試してみましょう。
綿棒浣腸は、綿棒の先端にオリーブオイルやベビーオイルを付けたものを使います。
肛門から1.5cm~2cm程度挿入し、「の」の字を書くように動かしてみましょう。
くれぐれも入れすぎ・動かしすぎには注意してください。
赤ちゃんが痛がるときはすぐに中止しましょう。
③果汁を少しずつ飲ませる
離乳食が食べられるようになった赤ちゃんには、果汁を飲ませるのもおすすめです。
果汁に含まれる糖分がおなかの中の善玉菌を活性化させるので、腸内環境が良くなり、腸の動きが活発になるのです。
おすすめの果物は、みかんやオレンジなどの柑橘類や、クセが無く飲みやすいリンゴなどです。
ただし、赤ちゃんによっては食物アレルギーがあることもあるので、飲ませる果汁は赤ちゃんの体質や好みによって工夫しましょう。
赤ちゃんの便秘に関するQ&A
Q.どのタイミングで病院に行けば良いの?
自宅で対処するといっても、限界がありますよね?
なかなか便秘が改善しなかったり、痛がる様子があるときは小児科を受診してみましょう。
便秘が長く続くような場合は、赤ちゃんの体質に合わせた下剤が処方されることもあります。
赤ちゃんの便秘は体質によるところも大きいため、毎日排便が無かったとしてもあまり気にする必要はありません。
赤ちゃんによっては排便が4日~5日おきということもあります。
ただし、次のような場合は早めに小児科で相談するようにしましょう。
- ・痛がっている
- ・苦しがっている
- ・おならばかりでうんちが出ない
- ・ミルクを飲む量が減ってきた
- ・おなかが張っている
- ・5日以上うんちが出ていない
小児科では便秘以外にも子育てに関する様々なことを相談できます。まずは気軽にかかりつけの小児科で相談してみてください。
Q.力むのは便意のサイン?
「赤ちゃんが力んでいるけどうんちは出ていないみたい……これって便秘?」
力んでいるけれどなかなかうんちが出ないと便秘を疑いたくなりますが、赤ちゃんが力んでいるからといって必ずしも便秘であるとは限りません。
赤ちゃんの場合、特に意味もなく力む仕草をすることがあります。
もちろん排便に手間取って力んでいる場合もあるので、そんな時は軽くおむつを緩めて排便しやすい環境を整えてあげましょう。
Q.浣腸や下剤は使わない方が良い?
頑固な便秘には浣腸や下剤を使いたくなりますが、安易に使うのはNGです。
浣腸や下剤は即効性がありますが、頻繁に使うことで自力で排便する力が弱くなってしまいます。
赤ちゃんの便秘は、できるだけ食べ物を工夫したり、腸の動きを促すマッサージを行うなどして、自力での排便を促して解消するようにしましょう。
Q.力んで血が出た時はどうすれば良いの?
頑固な便秘で、ようやく排便できたと思ったら肛門が切れて出血。お母さんとしては不安ですよね?
そんな時は、切れてしまったところを清潔に保つことが大切です。
切れてしまったところをぬるま湯で優しく洗ってあげましょう。
布などでゴシゴシ拭くとさらに傷つけてしまうことがあるので、すすぐ程度にとどめておくのがポイントです。
すすぐのが難しい時は、ノンアルコールのウェットティッシュなどで優しく拭いてあげましょう。
まとめ
赤ちゃんの便秘は比較的ポピュラーな悩みではありますが、初めて育児をするお母さんにとっては一大事ですよね。
「このままうんちが出なくなってしまうんじゃ……」
「病気かもしれない!」
と不安になるのも無理はありません。
そんな時は、マッサージや綿棒浣腸など自宅でできる対処法で様子を見てみましょう。
しばらくしても改善しなかったり、赤ちゃんの具合が悪くなるようであれば、早めに小児科を受診することが大切です。
赤ちゃんの便秘は体質によるところも大きいので、あまり神経質になりすぎず、必要に応じて助産師さんや医師のアドバイスも受けながら大らかに構えて対処していきましょう。