ワキガは予防できるの?
ワキガは体質だから予防しても無駄、と思っていませんか?
確かにワキガは親から遺伝することが多く、生まれ持っての体質ともいえます。
臭いは一般的に男女ともに思春期の頃に発生しはじめますが、臭いが強い人だけではなく、臭いが強くない人もいます。
同じワキガ体質でも臭いの強さに違いがあるのは、人によって様々な原因が重なることで臭いが強くなるからです。
言い換えると、ワキガ体質でもワキガの原因さえわかれば予防することができるのです。
ワキガの主な原因は汗
人間は体温調整のために汗をかきますが、汗は全身の皮膚にある汗腺から分泌されます。
汗腺は2種類あり、全身にあるエクリン汗腺と脇や陰部、耳の奥など限られた部分にあるアポクリン汗腺があるのですが、ワキガと関係しているのはアポクリン汗腺です。
エクリン汗腺から分泌する汗はほとんどが水分で、臭いを発生させません。
しかし、アポクリン汗腺から出る汗には、脂質やタンパク質などが含まれており、皮膚の常在菌が汗に含まれる成分を分解することで、ワキガ特有の強い臭いを発生させるのです。
つまり、ワキガを予防するためには、臭いを発生させる汗を抑えることが必要になります。また、汗をかいても臭いを発生させないための予防策も必要です。
ワキガ体質を自分でチェックする方法
自分がワキガ体質ではないのに、ワキガ体質かもしれないと気にしているという人も多いです。
気にしすぎて精神的ストレスがかかると、精神的発汗という緊張やストレスが原因で汗をたくさんかくようになる可能性があるので、気にしすぎには要注意です。
しかし、臭いがないのにワキガ体質かどうかを知るために、わざわざ病院に行くことには抵抗がある人も多いと思います。
そこで、自宅で自分でワキガ体質かどうかチェックするポイントを調べてみました。
もしワキガ体質の可能性があっても、不安に思わないでください。
ワキガ体質でも臭いを発生させない予防方法があるので、焦らずに今回ご紹介する方法で対策していきましょう!
耳垢が湿っている
耳垢がべたついている、しっとりとしているのは、ワキガ体質の人に多く見られる特徴です。
日本人のおよそ16%が耳垢が湿っており、残りの84%は乾いているといわれています。
ワキガ体質の人の98%は耳垢が湿っており、耳垢が湿っている人の88%に臭いがあるという研究データもあります。
「軟耳垢は外耳道のアポクリン腺分泌物によるので、腋臭と軟耳垢の関係は以下のようになります。
- ・腋臭症のほぼ全員(98%)が軟耳垢。
- ・軟耳垢の多く(約80%)に腋臭がある。
- ・乾耳垢で腋臭はまれ。」
脇の汗染みが黄色くなっている
アポクリン汗腺から出る汗には、黄色い色素成分のリポフスチンという成分が含まれています。
ワキガ体質の人は、アポクリン汗腺から出る汗の量が多く、汗の量が多いほど黄ばみが強くなります。
今日からできる!ワキガの予防方法
ワキガ体質でも、臭いの原因である汗対策をしっかり行えば、臭いを発生させずワキガの発症を防げます。
ワキガの臭いは汗の量に比例して強くなり、汗をたくさんかく夏や運動時に発症しやすいので、特に夏場と運動をするときは念入りな対策をしましょう。
早速、ワキガを予防するために有効な方法をご紹介します。
①毎日入浴する
ワキガの臭いを発生させないために、皮膚を常に清潔な状態に保つようにします。
その日の汚れはその日のうちに落とさないと、汗を分解して臭いを発生させる菌が繁殖し、臭いが発生しやすくなるのです。
脇を洗うときは、ゴシゴシと力を入れて洗わないようにしましょう。
脇を強くゴシゴシ洗うと、皮膚が傷ついて皮膚の善玉菌がいなくなってしまいます。
善玉菌がいなくなると、悪玉菌が増えやすくなり、臭いがますます発生しやすくなるのです。
体を洗う際に使う石鹸は弱酸性のものを選んでください。
皮膚はアルカリ性だと菌が繁殖しやすいため、弱酸性の石鹸で洗って皮膚を弱酸性に保つと、菌が繁殖しにくくなって臭いリスクが低くなります。
②臭いにくい材質の衣服を着る
臭いにくい材質とは、乾きやすい天然繊維です。
ポリエステルやナイロンなど、安い服に多く使われている化学繊維は、汗を吸収しないため、菌が繁殖して臭いが発生しやすくなります。
特に、脇は閉じた状態が常に続く部位なので、通気性が悪くて蒸れやすく、乾きにくい材質の衣服だと臭いやすくなってしまうのです。
ワキガの臭いを予防するためには、コットンのように、天然繊維で汗をしっかり吸収する生地が使われた衣服を着るようにしましょう。
③食生活を和食中心にする
肉料理や乳製品など、動物性脂肪が多い食品や、ファストフード、インスタント食品など、食生活の内容が偏っていると、汗に含まれる脂質やタンパク質、糖質などが増えます。
脂質やタンパク質などは、皮膚の常在菌のエサになり、分解されて臭いの元になるので、ワキガにならないためにはできるだけ控えましょう。
ワキガ予防に良いとされているのは和食です。
季節の旬の野菜や果物、魚を調理して食べる和食中心の食生活は、低カロリーかつ低脂質です。
自然と揚げ物や肉料理、乳製品を使った料理など、無理なく高カロリーな食べ物を控えることができます。
④ストレスケアをする
緊張している時、脇にじっとりと汗をかいているのを感じたことはありませんか?
精神的発汗と呼ばれているもので、緊張状態の時に働く交感神経の影響で脇や足の裏、手などに汗をかきます。
精神的発汗は直接抑えることは難しいですが、普段から緊張状態にならないようにリラックスできるアイテムを活用すると良いでしょう。
アロマオイルには精神を落ち着かせる作用があるので、お気に入りのアロマオイルを小瓶に入れておきます。
緊張しそうな時は、ハンカチにアロマオイルを垂らして香りを嗅ぐと、気持ちが落ち着いて精神的発汗を抑えられるかもしれません。
⑤タバコは控える
タバコは、汗腺を刺激して発汗を促します。
特にタバコに含まれているニコチンは、臭いの原因になる成分が含まれている汗を出すアポクリン汗腺を刺激するため、臭い発生リスクが高まるのです。
すぐに完全禁煙すると、ストレスで逆に交感神経が過敏になり、発汗量が増える可能性があるので、少しずつ喫煙量を減らしていきましょう。
⑥汗対策グッズを活用する
ワキガの臭いの原因は汗ですが、汗には体温を調整する役割もあるため、完全に抑えることはできません。
汗をかいても臭いが発生しないように、汗の量をできるだけ抑える対策グッズを常備することが臭い予防につながります。
制汗剤の選び方、注意点
制汗剤の役割は、汗腺を塞いで汗の分泌を抑えることと、雑菌の繁殖を抑えることの2つです。
中には殺菌成分を含む制汗スプレーもありますが、ワキガの予防の時点では、殺菌作用のある制汗剤は使わない方が良いでしょう。
殺菌成分を含む制汗スプレーを使い続けると、殺菌剤が皮膚に必要な善玉菌まで殺菌してしまい、逆に臭い発生リスクを高めてしまいます。
また、制汗剤には香り付きのものが多いですが、ワキガ体質の人の場合、制汗剤の香りとワキガの臭いが混ざり、臭いが強くなる可能性もあります。
普段使いする制汗剤は無香料のものを、香りを楽しみたいときはアロマ成分配合のものがおすすめです。
アロマ成分にはリラックス効果があるため、精神的発汗も防げます。
おすすめはアメリカのオーガニックブランド、『EO』の「エチケットボディスプレー」。
合成香料、人口着色料、アルミニウム塩、プロビレングリコール、亜鉛塩、遺伝子組み換え成分不使用で肌に優しいデオドランド剤です。
汗を抑えるために有効な制汗剤ですが、頻繁に使うとかゆみや黒ずみの原因になったり、汗腺を塞ぎ続けることで老廃物が溜まってしまう原因になります。
そのため、汗対策は制汗剤だけに頼らず、脇汗パッドや拭き取りシートなども使って対策をすると良いでしょう。
汗をかきやすい日は脇汗パッド
緊張して汗をかきやすい人は、会議など人前に出る日に前もって脇汗パッドを着用しておくと良いでしょう。
脇汗パッドが汗を吸収し、雑菌の繁殖を抑えて臭いを防ぎます。
また、衣服の汗染みも防げるので、汗をかいて恥ずかしい思いをすることもありません。
⑦脇毛を処理する
アポクリン汗腺は毛のある部分にあり、ワキガ体質の人は1㎠あたりに50個ほど密集しているといわれています。
脇の毛が生えた状態だと、毛の部分に雑菌が繁殖し、アポクリン汗腺から出た汗と混ざりやすくなり、臭いが発生してしまいます。
定期的に脇毛を処理して、雑菌の繁殖を防ぎましょう。
ワキガは毎日の心掛けで予防できる!
遺伝によって生まれつきワキガ体質でも、生活習慣や食習慣が乱れていなければ、臭いが発生しにくくなります。
逆に、不規則な生活や偏った食習慣を続けていると、今まで気にならなかった臭いが急に発生するようになる可能性があるのです。
今回ご紹介した予防方法は、最初から全てを実践しようとせず、一つずつ習慣化させていきましょう。
全てを完璧に実践できなくても、臭いが発生するということはありませんので、あまり神経質になりすぎず、じっくり対策してくださいね。