男女共通でワキガの原因になるのは汗
ワキガは突然発症するものではありません。
生まれつき遺伝が主な原因で、ワキにあるアポクリン汗腺が多い体質で、思春期以降にホルモンの影響や生活習慣などの影響で臭いが発生するようになります。
ワキガの臭いの原因は、アポクリン汗腺から出る汗です。
汗は全身にあるエクリン汗腺から出る汗と、アポクリン汗腺から出る汗の2種類があります。
汗自体は元々無臭ですが、アポクリン汗腺から出る汗には脂質や糖質などが含まれており、皮膚にいる悪玉菌が脂質を分解することで臭いが発生するのです。
ワキガの臭いの原因には、男女差はありません。
ワキガ体質には特徴がある
ワキガの臭いの原因に限らず、ワキガ体質の人に見られる特徴も男女ともに共通しています。
以下のような特徴がいくつかあるという人は、ワキガ体質の可能性があるかもしれません。
- ・耳垢がキャラメル状、または湿っている
- ・汗をかくとワキに黄色い汗染みができる
- ・両親のどちらか、または両方がワキガ体質である
- ・体毛が濃い
- ・脂性肌である
- ・興奮や緊張すると汗をかく
男性特有のワキガの特徴
では、男性特有のワキガの特徴はあるのでしょうか。
女性には見られない、男性に多いワキガの特徴を解説します。
皮脂分泌が多く臭いが女性より強い
花王の調査によると、男性と女性の顔の皮脂量を調べたところ、男性の皮脂量は女性の2倍多いことが判明しています。
調査対象は顔の皮脂ですが、顔に限らずワキも皮脂分泌が盛んなため、男性のワキの皮脂量も女性よりも多いと考えられます。
皮脂とワキガの臭いには大きな関係があり、アポクリン汗腺から出る汗と皮脂が混ざり合うことで、より強い臭いが発生するのです。
臭いの強さにも男女に差があります。マンダムの研究によると、男性のワキガの臭いは女性のワキガの臭いに比べて、ツンとした臭いやスパイシーな臭いが多いということも判明しています。
また、男性の体臭に含まれる揮発性の成分は女性のものよりも多いため、ワキガの臭いを含めて体臭の臭いが女性より強い、とも考えられているのです。
脇毛が臭いを強める
男性でも脇毛を全部剃っている人はいますが、女性に比べるとその割合は低めです。
脇毛の処理に関心があまりない人も多いのではないでしょうか?
しかし、脇毛が多ければ多いほど、ワキガの臭いは強くなります。
アポクリン汗腺は毛根近くにあるため、アポクリン汗腺から出た汗が脇毛に触れ、脇毛についていた雑菌によって分解されることでより強い臭いが発生するのです。
男性向け5つのワキガ対策
ワキガの臭いは、男女共通でアポクリン汗腺から出る汗が原因で発生しますが、男性のワキガの臭いは、男性特有の体の特徴によって強くなるということがわかりました。
つまり、男性の場合はワキガ対策に男女共通の臭い対策と合わせて、体の特徴が原因で強くなる臭い対策が必要になります。
では、汗対策と合わせて男性向けのワキの臭い対策をご紹介しましょう。
①ワキガ専用の石鹸でワキを洗う
男女ともにワキガ専用の石鹸を使った対策が臭いに有効です。
ワキガ専用の石鹸には、柿渋エキスや茶カテキン、ミョウバンなどの消臭成分に加えて、菌の繁殖を抑える殺菌成分や抗菌成分も含まれています。
石鹸を使ってすぐにワキの臭いが発生しなくなるというわけではありませんが、使い続けることで臭いがなくなった、軽くなったという人も少なくありません。
しかし、ワキガ専用の石鹸を使っても、間違った洗い方をすれば効果は出ません。
ワキガ対策のためには、石鹸をしっかり泡立て、泡でワキをパックするように包み、手かスポンジで優しく撫でるように洗うようにしましょう。
石鹸の泡には汚れを浮かせて吸着する働きと、クッション性で肌にかかる摩擦刺激を防ぐ働きがあるため、ワキを強くこすらなくても汚れがしっかり落とせるのです。
ぜひ毎日の入浴でワキガ専用の石鹸を使い、ワキを丁寧に洗う習慣を身につけてみてください。
ワキガ専用の石鹸は通信販売で購入できるものも多いため、店頭で買うのは恥ずかしいという人も気軽に購入することができます。
②皮脂の過剰分泌を抑える対策をする
皮脂の分泌が女性より多い男性は、皮脂によってワキの臭いが強くなる傾向があります。
皮脂の分泌を抑えるためには、食生活の改善が効果的です。
皮脂分泌を多くする食品を控える
まず、以下の食品は皮脂の過剰分泌の原因になるので、摂取量に気をつけるようにしてください。
ただし、中には栄養が豊富な食品もあるので、一切食べないようにするのではなく、食べる量に気をつけるようにしましょう。
- ・動物性脂肪が多い食品(肉の脂身やチーズ、生クリームなどの乳製品、卵)
- ・砂糖を多く含む食品や果糖の多い果物(砂糖菓子やジュース、果物ならバナナやぶどう、柿など)
- ・アルコール
- ・血糖値を急上昇させる食品(白米や食パンなど精製された穀物食品、砂糖菓子、ジャガイモなど)
皮脂の分泌量をコントロールする栄養素を摂る
皮脂の分泌を増やす食べ物を控えるだけでなく、皮脂の分泌量を体内で正常に整える栄養素も積極的に摂りましょう。
特にビタミンCは、体内での消費が早いため、食べ物から必要な量を摂り続けるには限界があります。
そんな時は、ぜひサプリメントを賢く利用しましょう。
皮脂の分泌量をコントロールする栄養素には次のようなものがあります。
- ・ビタミンB2(皮脂の分泌量を調整して皮膚や粘膜の健康を維持する)
- ・ビタミンB6(ビタミンB2との相乗効果で皮脂分泌を調整する)
- ・ビタミンC(皮脂の過剰分泌を抑え、皮脂による肌の酸化ダメージを防ぐ)
③脇毛の処理、または直接塗るデオドラント製品を使う
男性には脇毛を全部処理してしまうことには抵抗があると思いますが、ハサミで脇毛を短くするだけでも臭いが悪化するのを防ぐことができます。
また、脇に直接塗るデオドラント製品は、脇毛に邪魔されず消臭成分を直接肌に密着させることができるのでおすすめです。
花王の「Men’s Biore 薬用デオドラントZ」や、マンダムの「ギャツビー スポットデオドラントロールオン」などは、ワキに直接塗って汗と臭いをコントロールできるのでおすすめです。
④仕事着はこまめに消臭する
ワキ汗や臭いが仕事着に染み付いたままでは、汗をかいていなくても臭いが気になってしまいますよね?
しかし、スーツや作業着など自宅で手軽に洗えるものばかりではありませんし、頻繁にクリーニングを頼むのも手間がかかります。
そこで便利なのが衣類の消臭剤です。
仕事着に染み込んでいる汗による臭いを消臭することで、仕事中のワキの臭いストレスが減ります。
ただし、香料が使われているものは、ワキガの臭いと混ざってさらに不快な臭いが発生する原因になることがあるので、使うのは無香料のものにしましょう。
昭和化学工業の「イオンダッシュネオ」は、ワキガの臭いをはじめ、気になるタバコの臭いや食事の臭いも消臭してくれます。
⑤脇汗対策グッズを使う
緊張やストレスで脇汗をかきやすい人は、脇汗を抑える制汗剤や汗を吸収する脇汗パッドを使いましょう。
制汗剤は収れん作用で汗腺を塞いで脇汗を抑えてくれます。
消臭成分が配合されているものなら、臭い対策も同時に行えるのでより良いでしょう。
しかし、衣類の消臭剤と同じように、香料が逆にワキの臭いを強める原因になる可能性があるので、無香料の制汗剤がおすすめです。
脇汗パッドは、汗を吸収して雑菌の繁殖を抑え、臭いが強くなるのを防いでくれます。
また、衣服の汗染みも防げるので、汗をかいていることが周りにバレません。
ワキガ対策で臭わない清潔な男性に
女性よりも臭いが強くなりやすい男性ですが、ワキガ対策を続けることで臭いを防いで清潔感のある印象を周りに与えられます。
もしワキガ対策を続けても臭いが改善しなかったり、突然ワキガが気になるようになったりした場合は、迷わず専門医に相談しましょう。
ワキガの悩み相談は、皮膚科医や美容クリニックで受け付けています。また、ワキガ専門外来を設けている病院もあるので、まずは近場に相談できる病院やクリニックがあるかどうか調べてみましょう。
ワキガの相談というと恥ずかしい気持ちを持つかもしれませんが、ワキガで悩んでいる人は男女問わずいるので、安心して専門医のアドバイスを受けてください。