ワキガは手術で治療できるってホント?
汗をかくと独特のニオイが気になるワキガ……悩んでいる人も多いと思います。
日本人の場合約10人に1人の人がワキガ体質で、元々ニオイに敏感な国民性もあり、ワキガに悩む人が少なくないのです。
ワキガを改善するために、皆さんも様々な工夫をしているはずです。
制汗剤やデオドラント用品を使ったり、中にはサプリメントを服用している人もいるかもしれません。
しかし、根本的に解決できていないのではないでしょうか?
ワキガは基本的に体質によるものです。
わきの下にある「アポクリン汗腺」の数によってワキガが気になるか否かが決まると言われています。
私たちが普段かく汗は「エクリン汗腺」というところから分泌されます。
エクリン汗腺から出る汗はサラサラしていて、特にニオイはありません。
しかし、アポクリン汗腺から出る汗はベタついていて、脂肪分やたんぱく質などを含んでいます。
このアポクリン汗腺から出る汗が、雑菌によって分解されるときにあの嫌なニオイが発生してしまうのです。
ワキガを根本的に解決するためには、アポクリン汗腺の活動をストップさせるか、アポクリン汗腺そのものを取り除いてしまう必要があります。
そこで必要になってくるのが手術です。
ワキガの根本治療には手術が必要
現在はワキガを治療や手術によって根本的に解決することができると言われています。
代表的な治療法には
- ・服薬治療
- ・外用薬治療
- ・手術
などがあり、保険も適用されるため、経済的に大きな負担なく治療することが可能です。
ただし、病院によっては選択できる治療法が少なかったり、ワキガ治療の経験が乏しかったりするので、病院選びには気を配りましょう。
代表的な手術方法
それでは、代表的な手術方法を簡単にご紹介しましょう。
ボトックス注射
ボトックス注射は、わきの下にボツリヌス菌から作った薬を注射して、汗腺の活動をストップさせる治療法です。
汗そのものが減るため、ワキガが発生しにくくなると言われています。
ワキガ以外に脇汗が気になる人や、ワキガが比較的軽症な人に向いています。
また、手術に比べて費用が安価なのもポイントです。
両脇で37,000円程度で受けられる病院もあります。
(保険が適用されない自費診療なので、価格は病院ごとに異なります。)
施術時間も1回あたり5分程度と短く、その日からシャワーも浴びられるので、手軽にワキガを改善したい人にはおすすめです。
ただし、ボトックス注射の効果は4か月から6か月程度なので、定期的に受診して施術してもらう必要があります。
皮下脂肪吸引法
皮下脂肪吸引法は、わきの下を小さく切開し、そこから特殊な器具を挿入してアポクリン汗腺を取り除く方法です。
アポクリン汗腺を取り除くため、ワキガを根本から解決することができます。
また、傷口が小さく目立ちにくいというメリットもあります。
しかし、皮下脂肪吸引法は内出血や合併症が起こりやすく、アポクリン汗腺を取り除ききれないこともあるため、再発のリスクが伴います。
脂肪吸引法は保険適用の手術法ではありますが、手間がかかったり美容目的の面が強いため、自費診療でしか施術していない病院も少なくありません。
そのため、費用が高額になってしまうというデメリットがあります。
超音波吸引法
超音波吸引法は、わきの下を小さく切開し、そこから器具を挿入してアポクリン汗腺を焼き切って吸引する方法です。
器具の先端の超音波振動によって汗腺を焼き切ります。
脂肪吸引法と同じように傷口が小さくて済み、出血もない治療法です。
しかし、アポクリン汗腺がきちんと取り除けたかどうかを目で見て確認できないため、取り残してしまう場合があります。
アポクリン汗腺を取り残してしまうとワキガが再発してしまうため、再手術が必要です。
また、強力な機械を使用するため、やけどのようなヒリヒリとした痛みが術後しばらく続きます。
シェービング法
シェービング法は、特殊な器具を使ってアポクリン汗腺ごと皮膚を薄く削り取る治療法です。
確かな効果があることから、多くの美容外科で行われています。
しかし、医師の腕によっては皮膚を削りすぎて傷になってしまう恐れもあるので、シェービング法での治療を希望する場合は経験豊富な医師にお願いするようにしましょう。
また、病院によっては独自の技術と組み合わせたシェービング法を行っているところもあります。
皮下組織削除法
皮下組織削除法は、ハサミのような特殊な器具で、アポクリン汗腺を取り除く方法です。
ワキガを抑えるだけでなく、わきの下の毛も抑えることができます。
ただし、手術をするにあたって3cm~4cmほど切開しなければならないため、どうしても傷跡が残ります。
また手術後は安静にしている必要もあります。
重度のワキガの人にも効果がある手術法ですが、十分な効果を感じるためには熟練した医師による施術が必要不可欠です。
皮下組織削除法を希望する場合は、信頼できる医師にお願いしましょう。
剪除法
剪除法は、わきの下を切開して、目で確認しながらアポクリン汗腺を取り除く方法です。もっともメジャーな手術法といっても過言ではないでしょう。
重度のワキガの人にも効果があり、効果は半永久的に続きます。
目で確認しながら取り除くので、1回の手術で確実に効果が得られるのも特徴です。
手術時間は約2時間、その後患部の固定・抜歯などもあるため、わきの下が元通りになるにはそれなりに時間がかかります。
人によっては傷跡が目立つ場合もあります。
ただし、病院によっては保険適用で受けられる手術です。
単純切除法
単純切除法はわきの下のアポクリン汗腺を皮膚ごと切除する方法です。
大きな傷跡が残りやすく、人によっては皮膚がひきつったりすることもあります。
確かな効果が得られる一方、回復までに時間もかかるなどデメリットも大きな方法です。
サーミドライ
サーミドライは、皮膚を切らずにワキガ治療を行うことができる最新の治療法です。
切開は必要なく、1mm程度の小さな穴から極細の器具を挿入してアポクリン汗腺・エクリン汗腺を焼き切ります。
施術後に痛みや腫れを感じることは少なく、その日から入浴も可能なので、日常生活に支障も出ません。
治療時間は2時間から3時間程度かかりますが、治療の効果はほぼ永久に続くのもポイントです。
ただし、保険が適用されないため、どうしても費用が高額になってしまいます。
ミラドライ
ミラドライもまたわきの下を切開することなくワキガ治療ができる治療法です。
マイクロ波を照射してアポクリン汗腺・エクリン汗腺を破壊するため傷跡が残らず、効果も半永久的に続きます。
ミラドライの場合、腫れや痛みが少ないのもポイントです。
手術後の安静期間も必要ないため、その日からシャワーが可能で、日常生活に支障を来たしません。
もちろん、切開を行わないので傷跡も残りません。
手術時間は30分と非常に短いのも人気の理由です。
一方、どうしても手術費用は高額になってしまいます。
ワキガ手術の注意点
では、ワキガの手術を受けるにあたって、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか?
医師の説明をよく聞こう
まず、医師の説明をよく聞くことが大切です。
- ・どんな手術を行うのか
- ・再発の恐れはないのか
- ・費用はいくらなのか
- ・手術の後の安静期間はどれぐらいなのか
少なくとも、以上4つのことは必ず確認しておきましょう。
ワキガの手術の中には、ワキガが再発する恐れがあるものもあります。
「こんなはずじゃなかった!」と思わないためにも、事前に医師の説明をよく聞いて、納得して手術を受けてください。
もし医師の説明に納得がいかないのであれば、「セカンドオピニオン」を求めるという手もあります。
自分に合った方法を選ぼう
ワキガの手術と一口にいっても、ご紹介したように様々な方法があります。
自分に合った方法を選びましょう。
「傷跡を残したくない」
「安静期間は短い方が良い」
「痛みが無い方が良い」
「費用が安い方が良い」
など様々な条件があると思います。
自分に合った方法を選ぶためには、設備の整った病院を選ぶのも重要です。
治療実績が豊富な病院には、様々な設備が整っています。
いくつかの方法から自分に合った手術法を選ぶことができる病院で治療を受けましょう。
再発することもある
目で確認して確実に取り除く手術法でなかった場合、ワキガが再発するおそれがあることは頭に入れておきましょう。
アポクリン汗腺が残っていると、どうしてもワキガが再発してしまいます。
再発を防ぐためには、確実にアポクリン汗腺を取り除ける手術法を選択することが必要です。
しかし傷跡を残したくない場合もあると思うので、その点はよく医師と相談してください。
治療は信頼できる医師の下で
ワキガはデリケートな悩みなので、相手が医師であったとしても、なかなか相談しにくいと思います。
しかし、きちんと治療を受ければ、改善することができるものです。
ケア用品や自己流のケアなどでごまかさず、まずは勇気を出して医師に相談してみましょう。
ワキガの治療は皮膚科などで行っています。
手術の方法もたくさんあるので、医師と相談の上、自分に合った手術法を選んでワキガ治療を行いましょう。