ワキガはしっかり洗うほど臭いが強くなる!
ワキガはワキの皮膚内部にあるアポクリン汗腺から出る汗が、皮膚の常在菌によって分解されることで臭いを発生します。
男女ともに思春期に発症することが多いですが、多感な時期に自分のワキの臭いで悩むというのはつらいですよね。
ワキの臭いが気になると、入浴時についワキ部分をゴシゴシ洗ってしまうという人は多いと思います。
「ワキをしっかり洗えば、汚れや菌を落とせるから臭いが減るはず」と多くの方は思うかもしれません。
しかし、実際は逆効果で、洗えば洗うほど臭いが強くなるのです。
なぜ臭いが強くなるのか……それは皮膚に存在する善玉菌まで洗い流してしまい、悪玉菌が繁殖しやすくなるからです。
私たちの皮膚には、常在菌として善玉菌と悪玉菌が存在しています。
臭いを発生させる原因になるのは悪玉菌で、悪玉菌は善玉菌が少なくなると繁殖しやすくなります。
また、洗いすぎ以外にも臭いが強くなる原因として挙げられるのが、洗浄力の強いボディソープです。
ボディソープはワキガ対策に不向き?
ボディソープや石鹸、シャンプーなど、私たちが普段使っている洗浄剤には界面活性剤が使われています。
界面活性剤は、水と油どちらにも馴染みやすく、汚れを落とすためには必要不可欠な存在です。
石鹸には、肌に刺激の少ない天然界面活性剤が使われており、ボディソープやシャンプーには合成の界面活性剤が使われています。
合成の界面活性剤も毒性があるわけではありませんが、使いすぎると皮膚に必要な皮脂や菌まで洗い流してしまい、皮膚に負担がかかると考えられています。
つまり、ワキガ対策のためにボディソープを使って必死に洗っていると、善玉菌がいなくなり、悪玉菌が増えやすくなってしまい、臭いが強くなる可能性があるのです。
ワキガ対策にいい石鹸とは?
石鹸は主成分が動物性の脂や植物性の脂など、油脂に塩類を加えて作られています。
主成分が合成界面活性剤のものが多いボディソープとは違い、天然の界面活性剤を使っているため、比較的肌に優しい洗浄剤です。
しかし、石鹸といっても全ての石鹸がワキガ対策にいいとは限りません。
ワキガ対策にはどのような石鹸を使えば良いのでしょうか。
ワキガ対策に効果的な石鹸選びのポイントを3つご紹介します。
①殺菌成分が配合されているもの
ワキは両腕で閉じられていることが多いため湿度が高く、雑菌が繁殖しやすいため、体の中でも特に臭いの発生リスクが高い部分です。
雑菌の繁殖対策はワキガ対策の基本なので、石鹸は殺菌成分が配合されているものを選びましょう。
薬用石鹸は殺菌成分が配合されているのでおすすめです。
②保湿成分が配合されていて乾燥しないもの
殺菌成分だけではなく、保湿成分が配合されている石鹸ならよりワキガ対策に有効です。
薬用石鹸は殺菌力は高いですが、保湿力が低く洗い上がりの皮膚が乾燥しやすいという欠点があります。
皮膚は乾燥すると、潤いを保つために皮脂を余分に分泌する働きがあります。
皮脂は雑菌のエサになるので雑菌が繁殖しやすくなるのです。
保湿成分としてセラミドやヒアルロン酸、コラーゲン、アミノ酸などが含まれている薬用石鹸なら、殺菌だけではなく保湿もでき、皮脂の過剰分泌による雑菌の繁殖も防げるでしょう。
③消臭成分が配合されているもの
ワキガの臭いが軽度の場合は、以下のような消臭成分のある石鹸がおすすめです。
- ・重曹
- ・ミョウバン
- ・柿渋エキス
- ・緑茶カテキン
- ・ヨモギエキス
- ・サトウキビ抽出エキス
特にミョウバンは、消臭効果だけではなく、菌の繁殖を抑える効果も期待できます。
ミョウバンは水に溶けると酸性になり、皮膚を酸性に傾けます。
雑菌はアルカリ性を好むので、酸性の皮膚では繁殖しにくくなるのです。
石鹸でワキガ対策!洗い方のポイント
ワキガ対策にいい石鹸を選んで使っても、洗い方が間違っていると逆にワキガを悪化させてしまいます。
ワキガを悪化させない、臭いの原因を作らせないための洗い方のポイントを押さえましょう。
石鹸はしっかり泡立てて洗う
石鹸の泡は何のためにあるのでしょうか?
ふわふわとしているから、使い心地を良くするためでしょうか?
石鹸の泡には、汚れを浮かせる働きと、摩擦刺激を防ぐ働きがあります。
例えば、ガス代を掃除するときに洗剤をスプレーで吹きかけますよね。
洗剤の泡が汚れにつくと、こすらなくても汚れが泡に吸着されます。
同じように、皮膚の汚れも石鹸の泡に吸着されるので、ゴシゴシと力を入れて洗う必要はないのです。
また、泡は空気を含んでいるのでクッション性があるため、泡で優しく撫でるように洗うことで、摩擦刺激による肌ダメージを防ぐこともできます。
泡パックをして悪い菌を殺菌する
泡の汚れを浮かせて吸着する働きを利用して、こすらずにワキの汚れを落としましょう。
おすすめの方法が泡パックです。
殺菌成分のある石鹸の泡で2〜3分パックすると、ワキ全体に殺菌作用が広まって雑菌の繁殖予防効果がアップします。
石鹸でワキを洗う時の注意点
石鹸でワキを優しく洗うことが、石鹸でワキガ対策をする重要なポイントです。
では、最後にワキガを悪化させないための注意点についてもご紹介します。
強くこすらない
皮膚に存在する善玉菌は簡単に洗い流されてしまいます。
シャワーを浴びるだけでおよそ80%、さらに湯船に浸かれば90%の善玉菌が流されてしまうのです。
しかし、善玉菌は少しでも皮膚に残れば、24時間かけて繁殖をするので、10%程度残ればOK。
ほんの少しでも残った善玉菌を流さないためには、ゴシゴシと強くワキをこすって洗うのは禁物です。
せっかく残っていた善玉菌がいなくなると、悪玉菌が繁殖しやすくなってしまいます。
ナイロン製タオルは使わない
ナイロン製タオルは使い心地が良いことから広く使われていますが、ワキガ対策には控えた方が良いでしょう。
ナイロン製タオルを使うと、たとえ石鹸の泡越しでも肌に摩擦刺激が伝わります。
また、ナイロン製タオルは皮膚の表面を覆っている皮脂膜を剥がしてしまうため、乾燥の原因になることもあるのです。
ワキを洗うときは、手または柔らかく清潔なスポンジで撫でるようにして洗いましょう。
まとめ
ワキガの臭い対策には、ワキを清潔に保つことが大切です。
しかし、ゴシゴシ強く洗うことはワキガを悪化させるので、石鹸の泡を使って力を入れずに優しく洗いましょう。
石鹸洗いはワキガの根本的な解決にはなりませんが、臭い対策には有効なので、ぜひ正しい方法で石鹸洗いを続けてみてください。