低GI食で無理なくダイエット!
低GI食は、食後に体へ糖が吸収されるスピードがおだやかな食べ物です。
朝ごはんは、簡単にパンだけで済ませている、という人が多いのではないでしょうか?
私たちが主食として食べる物は、意識しないとどうしても高GIのものが多くなりがちです。
高GI食への偏りは、肥満の原因になりやすいため、低GI食を取り入れていくことでダイエットをより簡単に行えるようになります。
高GI食の問題点
なぜ低GI食を取り入れることでダイエットがしやすくなるのでしょうか?
まずは、高GIの食べ物を取り過ぎることの問題点を、簡単に見ていきましょう。
高GIの食べ物を、急に食べたり、一度にたくさん食べると、血糖値もそれに伴って急上昇します。血糖値が上がると、糖の吸収を高めるホルモンの「インシュリン」が分泌されます。
このインシュリンは、糖の体への吸収を助けたり、糖を脂肪として蓄える働きを持っています。インシュリンが過剰に分泌されると脂肪を蓄えやすくなり、肥満の原因になってしまうのです。
さらにインシュリンは、上がった血糖値を下げてバランスを取る働きもします。インシュリンが出過ぎると、今度は血糖値が下がり過ぎて、脳は強い食欲を感じます。
これによって食欲のコントロールが難しくなるといった問題も起こしてしまうのです。
高GI=糖質が多い
では、高GIの食品にはどのようなものがあるのでしょうか?
基本的には、糖質の多く含まれる食べ物ほど、GI値が高めになっています。白米や食パン、甘いお菓子などは、意識していないと食べる機会が多くなりがちですが、かなりの高GIです。
糖質を多く含む炭水化物をできるだけ取らないようにすれば、インシュリンの分泌がおだやかになります。
インシュリンの過剰な分泌は、脂肪を蓄えやすくするなどの問題があるため、この分泌をおだやかにしていくことによってダイエット効果が得られることになります。
このため厳しい糖質制限ダイエットでは、炭水化物をできるだけカットしようとします。
しかしそうすると、食べられる食材はかなり限られてきてしまいます。
低GIの炭水化物もある
ダイエットの目的で、炭水化物に代わって食べる食材としては、糖質の少ない野菜や肉が選ばれやすいです。
確かに野菜や肉を主に取っていけば、大きなダイエット効果が期待できます。特に野菜は栄養も豊富なので積極的に取ることは必要です。しかし野菜や肉だけの食事には問題点もあります。
まず野菜や肉は、消化に時間がかかるため、毎食大量に食べると胃腸に負担がかかる可能性があります。また主食として習慣的に親しんでいる炭水化物を抜いてしまうと、あまり食事をとった気がしないものです。
そこで着目したいのが、食品のGI値です。
例えば同じ炭水化物でも、白米ではなく精製されていない玄米のほうが低GIなので、血糖値の上昇がおだやかです。
低GIの食べ物を積極的に食べるダイエット方法なら、糖質制限よりも様々な食材を選ぶことができ、食事の満足感もある程度保ちながら行えるのです。
取り入れやすい、おすすめ低GI食材
高GIの食べ物さえ取り過ぎないようにすれば、ダイエットでは敬遠されがちな炭水化物を含め、幅広い食べ物を取り入れていけるのが、低GIダイエットの良いところです。
ここから、日ごろからバランスよく取りたい主な栄養素別に、おすすめの低GI食材をご紹介していきます。
炭水化物
やっぱり炭水化物を食べないと、食事をした!という満足感がないですよね。
いくら糖質がダイエットに良くないとわかっていても、ストレスを感じてまで制限すれば、リバウンドにつながってしまうこともあります。いつもの主食に代えて是非取り入れたい低GIの炭水化物をご紹介します。
玄米(GI値58)
お米は、精製するとしないとでは、GI値、栄養共に大きく違ってきます。
精白米のGI値は80以上ですが、玄米のGI値は60を下回っています。
白米を玄米に置き換えるだけで、糖の吸収がおだやかになり、ダイエット効果を得られます。しかもビタミン、ミネラルをはじめ多くの栄養素が白米よりも断然豊富になりますので、低GIダイエットをするなら、玄米は是非取り入れたい食材です。
そば(GI値59)
麺類を食べるなら、GI値の面から見てもおすすめなのは、そばです。
なにかと比較されがちな、うどんと比べても、低GIなだけでなく、ビタミン、食物繊維共に豊富に含まれていて、ダイエット向きの食材と言えます。
そばを食べるときに注意したいのが、十割そば、五割そばなど、含まれるそば粉の割合です。外食で出てくるそばでも、市販のものでも、小麦粉の割合が高いものが多くなっています。
小麦粉の割合が高いほど、高GIとなりますので、ダイエット中はできるだけそば粉の割合が高いものを選ぶようにしましょう。
オートミール(GI値55)
日本の多くの人にはあまり親しみがないかも知れませんが、オートミールは低GIの炭水化物として、とてもおすすめです。玄米と比べても見劣りしない豊富な栄養を含んでいます。
オートミール自体は味にクセがないので、甘く味付けしたり塩味にしたりと工夫でき、飽きずに食べ続けられるのもポイント。
調理も簡単で、お湯で数分煮るだけですぐ食べられます。いざというときの保存食として備えておいても便利です。
サツマイモ(GI値55)
「いも類は糖質が多い」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。しかしサツマイモは例外で、GI値は55と低めです。
さらにサツマイモがおすすめな理由は、その食物繊維の豊富さです。食物繊維がお腹の中で水を含んで膨張するため、サツマイモを食べると少量でかなりの満腹感を得ることが出来るのです。
ほどよい甘味が感じられることも、甘いものを制限する必要のあるダイエット中には嬉しいですよね。おやつにお菓子でなく焼き芋を食べることは、GI値の面で安心です。
タンパク質
タンパク質を多く含む食べ物は低GIになっているため、ダイエットの時のメニューづくりでは重宝します。
タンパク質を取るための食べ物としては、肉や魚が好まれがちです。
しかし動物性タンパク質は、特に日本人にとっては、持っている消化酵素の関係から消化が難しいとされています。あまり毎日食べることはおすすめできません。
頻繁にメニューに取り入れるなら植物性のタンパク質が好ましいです。中でも特におすすめなのが、手に入れやすくバリエーション豊富な、大豆からできた食品です。
豆腐(GI値42)
豆腐は、どこでも購入することができますし、そのまま食べたり、料理に使ったりと用途も豊富で、馴染み深い食材ですよね。
当たり前すぎて、地味に感じてしまうかも知れない豆腐ですが、実はダイエットをする上で理想的な食材といえるのです。
低GIであることに加え、水分を含んでいる割合が高いため、ある程度の量を食べても低カロリーになります。
タンパク質食品の中では消化も良いので、頻繁に取り入れていくこともおすすめです。
納豆(GI値33)
豆腐と並んでおすすめなのが、こちらも日本人にとって馴染み深い納豆です。
タンパク質食品はどうしても消化が難しいのですが、納豆のような醗酵食品は、消化の時間が早くなり、消化器への負担が小さいです。
また納豆は大豆をそのままの量で食べることになるため、腹持ちが良いこともダイエットをする上で嬉しい要素です。
さらに消化を良くするのであれば、食物酵素が豊富な大根おろしをたっぷり加えましょう。
手軽に購入でき、様々なアレンジがしやすい納豆も積極的に食べたい食材です。
脂質
脂質は太りやすいというイメージから、「ダイエットの時には避けなければいけないのでは?」とお思いではないでしょうか。
しかしGI値の面だけから見ると、脂質はとても低GIなので、ある程度なら取り入れても問題はないといえます。
ただし注意したいのは、脂質は特に消化器への負担が大きいということです。また少量でも高カロリーなので、食べ過ぎれば肥満につながってしまいます。
少量で大きなエネルギーになってくれるのが脂質の利点なので、時間がないときの間食にしたり、腹持ちをよくするために料理に加えるなど、うまく取り入れていきましょう。
アボカド(GI値27)
アボカドは「森のバター」といわれ、脂質が豊富な食材です。
しかしアボカドには脂質の消化を助ける食物酵素のリパーゼも含まれています。そのため他の脂質を多く含んだ食材に比べて、消化器への負担が少なめになっています。
間食を取りたくなったら、アボカドを半分ほど食べることがおすすめです。
とても低GIな食材な上、味にもコクがあり、少量で満足感を得ることができます。
高カカオチョコレート(GI値22)
時間がないときや、仕事で疲れたときなどは、間食としてお菓子に手が伸びがちですが、ここでお菓子ではなくカカオ70%以上といった高カカオチョコレートを選べば、GI値を大きく抑えることができます。
一般的なビターチョコレートのGI値は22と、お菓子としては驚くほど低GIです。カカオの割合が多いと、甘さの割にはカロリーが控えめなので少量で満足することができます。
よく見かけるような普通のミルクチョコレートだと、GI値は91と、むしろとても高くなってしまいますので、ダイエットのためには控えるようにしましょう。
食物繊維
食物繊維は、最近では主要な栄養素の一つとして数えられるようになっています。
食物繊維を多く含む食べ物は、糖質の割合も少なく、消化もゆっくりなため、とても低GIになります。
食物繊維の多い食材を食べると、お腹の中でかさを増して満腹感も得られますので、ダイエットのためには積極的に取り入れたい食材です。
食物繊維豊富なサラダなどを、高GI食品を取る前や、高GI食品と一緒に取ることで、血糖値の上昇をゆるやかにすることもできます。
こんにゃく(GI値24)
こんにゃくは成分のほとんどが水分で、残りが食物繊維になっています。低カロリーかつ低GIで、満足するだけの量を食べたとしても肥満にはつながりにくいです。
料理に加えることでボリュームをアップさせるのに、こんにゃくを用ればダイエット効果が高くなります。
寒天(GI値12)
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。便秘改善など、健康のためには、両方の食物繊維をバランスよく取る必要があるといわれています。寒天など海藻に含まれる食物繊維は、水溶性です。
こんにゃくは、おかずとして食べられることが多いですが、ゼリーのような食感の寒天は、フルーツなどと一緒にスイーツ感覚で楽しめます。
水溶性食物繊維の食材は特に低GIなので、積極的に取り入れれば、ダイエット効果は大きいです。
ただし、こんにゃくや寒天は、それ自体の栄養価は低いので、ダイエットに用いるときは他の食材とバランスよく組み合わせることを心がけましょう。
低GI食材に置き換えてみよう
炭水化物やお菓子は一口食べると後からどんどん食べたくなるので、つい食べ過ぎて後で反省することも多いと思います。
そんな時は、GI値に注目して食べるものを選んでみましょう。
同じ炭水化物などでも、低GIのものなら、少量で満足感を得ることができます。
ダイエットする上で食は一番大きな要素ですが、無理な食事制限はストレスの元になってしまいます。
低GIの食材を上手に活用して、無理のないダイエットを行いましょう。