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発毛とは何か? 基礎知識と注意点

世の中には、髪に良いとされるシャンプーやサプリメントが数多く出回っています。
これらの製品の名前や説明には、「発毛」やら「育毛」やら、いろいろな言葉が使われていますよね。

何がどう違うのか、さっぱりわからないことも多いでしょう。
実は、発毛と育毛には大きな差があるのです。
ここでは、発毛の基礎知識と注意点について解説します。

発毛とは、自分の髪が生えてくること

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発毛の定義を簡単にいうと、「自分の髪が生えてくること」です。
髪の毛のなくなってしまった場所でも、髪を生み出す毛母細胞はまだ生きていることがよくあります。
何らかの方法でその毛母細胞を活性化させれば、髪が生えてくるわけです。

また、薄毛の原因の多くはAGA(男性型脱毛症)であることがわかっています。

AGAは、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンによって、髪の成長サイクルが乱される脱毛症です。
AGAを抑制し、髪の成長サイクルを正常化させても、やはり髪は生えるでしょう。

では、育毛シャンプーや育毛マッサージなどに使われる「育毛」「養毛」という言葉はどういう意味なのでしょうか?
こちらは、髪を生やすのではなく、今ある髪を太く元気に育てることを表します。

頭皮の汚れの除去、頭皮への栄養の付加、頭皮の血行促進などによって頭皮の環境を整え、髪の成長をサポートするのが目的です。
結果として髪が生えてくることはあっても、積極的に髪を生やす効果とはいえません。

そして、カツラはもちろんのこと、他の部分の毛を移植する自家植毛も発毛には当たりません。
新しい髪が生えてきているわけではないからです。
このように、「発毛」「育毛」やそれに近い表現は明確に区別しておく必要があります。

発毛効果が最も信頼できるのは医薬品

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発毛の方法は、大きく分けて2つあります。
医薬品の力を借りるか、他の方法で髪の生える環境を整えるかです。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

発毛の方法1:医薬品

最も確実性の高い発毛方法は、医薬品による治療です。
現在、発毛効果が医学的に認められている成分は、わずか3種類にすぎません。

AGAの進行を抑制するフィナステリドと、その強力版ともいえるデュタステリド、そして発毛を促進するミノキシジルです。
これらはいずれも医薬品に指定されており、クリニックで処方してもらうことで入手できます。

中でもミノキシジルは一般向け医薬品として市販もされており、薬局で購入可能です。
発毛効果が認められた、最も身近な製品といえるでしょう。

かつては、大塚製薬の「リアップ」シリーズのみが流通していましたが、2018年8月には、アンファーから「スカルプD メディカルミノキ5」が発売されています。
今後もさまざまな製品が登場すると考えられ、ユーザーにとっては嬉しい流れだといえますね。

発毛の方法2:医薬品以外の方法

原則として、AGAによる薄毛は専門的な治療でしか改善できません。
AGAは男性ホルモンの影響による脱毛症ですから、頭皮環境を整える程度では、進行を抑制できないのです。

しかし、薄毛の原因がAGA以外にあるなら、医薬品を使わなくても改善できる可能性はあります。
以下のポイントに注目してみましょう。

頭皮を清潔にする

髪が正常に生えてくるためには、頭皮を清潔に保つ必要があります。
毛穴に皮脂汚れなどが詰まっていると、雑菌が繁殖して炎症を起こし、髪の成長に支障をきたすことがあるからです。

発疹だらけでボロボロの頭皮から、健康な髪が生えてくるとは思えませんよね。
髪を洗うだけではなく、揉み込むようにして頭皮を丁寧に洗ってみましょう

食事の内容を見直す

発毛させるためには、頭皮への栄養供給も重要です。
髪はタンパク質を主体としてできており、十分な栄養がなければ作ることができません。

栄養不足の状態だと、たとえ生えてきたとしても、細く弱々しい髪になってしまいます。
肉や大豆でタンパク質を摂取するのはもちろん、ビタミンやミネラルもしっかり摂りバランスのいい食事を心がけてください。

血行を促進する

意外と見落としがちなのが頭皮の血行です。
いくら豊富な栄養を摂取しても、血行が悪ければ頭皮の末梢血管まで届いてくれません。
頭皮マッサージを行うなどして、頭皮の血行促進に努めてください。

また、全身の血管はつながっていますから、頭皮以外の部分の血行促進も大切です。
運動や入浴によって血行を促進しましょう。

発毛方法を選ぶ時の注意点

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発毛と育毛の違いを知っておけば、自分に合った方法を選ぶことができます。
でも、実際にどう使い分ければいいのかは、なかなか判断がつかないですよね。
薄毛の改善方法の選び方や、注意点について考えてみましょう。

シャンプーやサプリはサポートに使う

クリニックでAGAと診断された場合は、ミノキシジルやフィナステリドを処方してもらい、本格的な治療を始めることをおすすめします。
早い段階で発毛成分を使い、AGAの進行を阻止した方が確実だからです。

とはいえ、育毛シャンプーやサプリメント、マッサージが無意味というわけではありません。
頭皮の環境を整えたり、栄養を補ったりすることも必要だからです。
これらの方法は、発毛のサポートとして使うといいでしょう。

紛らわしい製品に注意

薬機法(旧薬事法)の関係上、「発毛する」「髪が生える」といった表現を名前や説明に使っていいのは、発毛効果が医学的に認められた製品だけです。
試しに、育毛シャンプーやサプリメントの説明を読んでみてください。
「発毛」という言葉自体が使われていないか、「発毛を補助する」などの微妙な表現にとどまっているはずです。

しかし中には、非常に回りくどい表現で、いかにも発毛効果があるかのように思わせる製品も存在します。
「これって結局、発毛効果があるの? ないの?」と迷ってしまうこともありますよね。

そんな時は落ち着いて、成分表示を見てみましょう。
先に解説した3つの成分が含まれていなければ、その製品に発毛効果はありません。

そもそも現状だと、発毛成分を含む一般向け医薬品は、薬剤師との対面販売が義務付けられています。
薬剤師の説明なしに購入できることは絶対にないので、表現に惑わされないようにしましょう。

発毛サロンに効果はあるの?

いわゆる発毛サロンは、薄毛の改善方法の1つとして広く知られています。
しかし発毛サロンでは、医学的な裏付けのある手法は用いられていません。

発毛サロンは医療機関ではないので、医療行為が一切できず、医薬品の処方も認められないからです。
「発毛」サロンという名前であっても、実際の施術内容は「育毛」の範疇にとどまります。
通う価値があるかどうかは、冷静に判断してください。

薄毛の進行に気づいたら、発毛治療を始めよう

発毛育毛は、まったく違う意味を持っています。
すでに髪の面積が大きく減少しているのなら、必要なのは発毛です
まずはクリニックへ行って、薄毛の原因が何なのかを特定しましょう。
原因や症状に応じて、最適な発毛方法を選んでください

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