AGAはとても厄介な脱毛症
AGA(男性型脱毛症)は、名前の通り男性が発症する脱毛症です。
女性も似通ったメカニズムで薄毛になりますが、こちらはFAGA(女性男性型脱毛症)と呼ばれて区別されています。
AGAは、男性の薄毛の原因の9割を占めるとされており、薄毛が気になったら真っ先に疑わなければなりません。
発症にいち早く気付くためにも、AGAの基本的な特徴を知っておきましょう。
症状
AGAを発症すると、髪が全体的に細く弱々しくなり、やがて髪が生えてこなくなってしまいます。
生え際が後退してM字型の薄毛になり、頭頂部もO字型に脱毛していくのが大きな特徴です。
進行速度も速く、一般的には5年~10年ほどで隠しきれないほど髪が薄くなります。
原因と発症確率
AGAの発症には、遺伝が強く関係し、ホルモンバランスの乱れも関わっているとされています。
しかし、根本的な発症の原因はまだ突き止められていません。
日本皮膚科学会の調査によれば、全年齢平均だと30%、50代以降に限れば実に40数%の男性がAGAになることがわかっています。
つまり、誰でもAGAになる可能性があるのです。
AGAの発症メカニズム
AGAがなぜ厄介なのかは、その発症メカニズムを見るとわかります。
正しい対応をするためにも、AGAに関わる3つの物質と、それらが脱毛を引き起こす流れについて知っておきましょう。
関係する物質1:テストステロン
テストステロンは男性ホルモンの一種で、筋肉や骨格の発達に関わります。
髪を太く強くする作用もあるため、髪の健康のためにも重要です。
いわゆる「男らしい体」を作ってくれるホルモンだと考えてください。
関係する物質2:DHT
DHT(ジヒドロテストステロン)も男性ホルモンの一種です。
髪の成長サイクルを乱し、脱毛を促進する作用があります。
そのため、悪玉男性ホルモンと呼ばれることもありますが、DHT自体は決して体内の悪者ではなく、男性器の形成などに関わる重要なホルモンです。
関係する物質3:5αリダクターゼ
5αリダクターゼは、頭部や口元、脇などに存在する酵素です。
テストステロンをDHTに変えてしまう作用を持っています。
こちらも、適度な脱毛をもたらすために必要な物質で、ただの悪者というわけではありません。
脱毛が進行する流れ
上記の3つの物質が相互に関わりあって深刻な脱毛を引き起こすのがAGAです。 簡単にその流れを追ってみましょう。
- 1.5αリダクターゼの分泌量が増加する
- 2.テストステロンがDHTに変化する
- 3.DHTが髪の成長サイクルを乱す
- 4.1~3が数年続くことで広範囲が薄毛になる
以上のことからもわかるように、AGAは何らかの理由で5αリダクターゼの分泌量が増えてしまって発症します。
5αリダクターゼの量を何とかしない限り、AGAの進行を止めることは難しいと言わざるを得ません。
AGAだと思ったらどうする?
AGAによる脱毛は、放っておけばどんどん進行していくだけです。
どのように対処すれば、AGAを食い止めることができるのでしょうか。
最も大切なのは、脱毛に気づいた段階で専門クリニックを受診することです。
AGAを引き起こすのは5αリダクターゼの増加ですから、一般的なヘアケアでどうにかなるものではありません。
育毛シャンプーや生活習慣の改善で何とかしようと思っていると、その間にも症状が進行してしまいます。
また、脱毛の原因がAGAではない可能性もありますから、原因をはっきりさせることが重要です。
AGAに有効な治療薬はすでに開発されているため、クリニックで処方してもらって正しく使えば、多くの場合、症状を抑えて髪を取り戻すことができます。
また、医師に話を聞いてもらうだけでも、不安は大きく解消されるでしょう。
自己流の治療にこだわり続けるのが1番よくないので、躊躇せずクリニックへ行ってください。
相談は無料で受け付けてくれるところもたくさんあります。
AGAによる脱毛は、適切に治療しよう
AGAはとても厄介な脱毛症ですが、適切な治療をすれば抑制できるものでもあります。
早い段階で対処すれば重症化を防げるので、恥ずかしがらずにクリニックへ行くことが大切です。
誰でも、そしていつでも発症する可能性があるのですから、「なぜ自分だけ……」と思い悩む必要はありません。
専門家に相談して、納得のいく治療を受けましょう。