AGAによる薄毛の進行パターン
AGAによる薄毛の進行パターンは、人によって異なります。
これを7段階に分け、現在の状態をわかりやすくしたのがハミルトン・ノーウッド分類です。
適切な対処をするためにも、自分の薄毛がどの段階なのかチェックしてみましょう。
第1段階
生え際が少し後退した状態です。
頭頂部には変化がないか、少し髪が弱々しくなった程度で、薄毛は目立ちません。
「何かおでこが広くなったような……」と感じるかもしれませんが、薄毛や脱毛症という自覚を持つ人は少ないでしょう。
前髪を伸ばせば隠せてしまうこともあり、周囲から気付かれることも少ない段階です。
第2~3段階
本格的に薄毛が進行する段階です。
大きく分けると、生え際がさらに後退しM字型に脱毛していくパターンと、頭頂部がO字型に脱毛していくパターンがあります。
見た目にも薄毛の進行が明らかになるので、他人の視線が気になってしまう人が少なくありません。
第4~7段階
薄毛が頭部全体に広まる段階です。
M字型とO字型の薄毛が同時に発生・進行し、やがて広範囲が薄毛になります。
最終的には、耳の上や後ろの部分を除いて、ほとんどの部分で髪が失われてしまうので、こうなるまえに対策を行いましょう。
第4~7段階になるまでには、一般的に5年~10年程度の時間が必要だと言われています。
この段階まで来ると、他人から見ても薄毛だとはっきりわかり、髪型で薄毛を隠すのも難しくなるだけでなく、治療にも時間がかかるので、早期発見・早期治療を心がけましょう。
AGAによる薄毛に気付くポイント
AGAによる薄毛を食い止めるには、できるだけ早い段階で薄毛の進行に気付く必要があります。
しかし、薄毛は少しずつ進行するので、気付くまでに時間がかかってしまうケースも多いのが現状です。
少しでも早く薄毛に気付くためのポイントを紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。
枕元の抜け毛
健康的な髪の場合、1日に抜ける本数は50本~100本程度です。
しかし、AGAになると、これよりもはるかに多い髪の毛が抜けていきます。
睡眠中に抜けて枕元に溜まる髪の毛も多くなるため、朝起きたら枕元をチェックしてみましょう。
ブラッシング時の抜け毛
AGAになると、ちょっとした刺激でも髪が抜けてしまうようになります。
ブラッシングやシャンプーの際、大量に髪が抜けることが続くようならAGAを疑いましょう。
お風呂場の排水溝に大量の髪の毛が詰まっていないかもチェックしてください。
昔の写真との比較
AGAの人は髪が細く弱々しくなるため、全体的に髪のボリュームがダウンします。
昔の写真を見返していて「何だか今より髪が多いような……」と感じたら、AGAを疑いましょう。
人に見てもらう
生え際はともかく、頭頂部や後頭部の髪はなかなかチェックしづらいものです。
自分では大丈夫だと思っていても、周囲の人は薄毛に気付いているかもしれません。
家族や友人、美容師さんなどに「私の髪、最近薄くなっていませんか?」と思い切って聞いてみるのも1つの方法です。
AGAによる薄毛の治療法
AGAによる薄毛への最適な対処法は、専門クリニックで治療を受けることです。
クリニックで受けられる、主な治療法を紹介しましょう。
投薬治療
最も一般的なのは薄毛治療薬による治療です。
現在日本では、以下の3つの薬が薄毛治療薬として認可されています。
フィナステリド:薄毛の進行を抑える薬です。主に内服薬として使われますが、副作用の関係で女性は使うことができません。
デュタステリド:フィナステリドの強化版ともいえる薬で、増毛も期待できます。こちらも女性は使うことができません。
ミノキシジル:発毛を促進する薬で、主に外用薬として使われます。男性でも女性でも使えるのがメリットです。
これらの薬は、薄毛の進行状況に合わせて使い分けることが大切です。
医師と相談し、最適な治療薬を選択しましょう。
自家植毛
自家植毛は、薄毛が進行していない場所から髪を移植する方法です。
最近では頭皮にメスを入れず、毛根ごと髪を取り出して移植する方法が登場ポピュラーになってきています。
この方法であれば頭皮に傷がほとんど残らずに済み、とても自然な髪型に仕上がるため、自然な形で髪の毛をボリュームアップしたい人におすすめです。
メソセラピー
メソセラピーは、治療薬や栄養成分、成長因子(細胞の分化に関わるタンパク質)を頭皮に直接注入し、発毛を促す方法です。
注入の方法は注射が基本ですが、超音波やレーザーを使って浸透させるなど、患者に負担を与えない方法も次々に開発されています。
最新鋭の治療法といえますが、まだまだ症例数が少ないため、誰でも十分な効果が得られるかはわかりません。
AGAかもと思ったら、早めに治療を始めよう
AGAは立派な病気であり、放っておいても治るようなものではありません。
こんなことを書くと「発症したら治らないんだ……」と思われるかもしれませんが、AGAは効果的な治療法が確立されているため、適切な治療を受ければ多くの人が髪を取り戻せます。
AGA治療のカギは、早期発見・早期治療です。
誰でも発症する可能性がある病気なので、こまめに生え際や後頭部の髪の毛をチェックして早期発見に努めましょう。
もし薄毛が進行していると感じたら、最寄りの専門クリニックを受診してください。