AGAってどんな病気？

抜け毛や薄毛に悩んでいる人は少なくありませんが、その原因は人それぞれです。
ストレスが原因のこともあれば、円形脱毛症が原因のこともあります。

抜け毛や薄毛に悩む人であれば、円形脱毛症のほかに「AGA」という言葉にもなじみがあるかもしれません。

AGAは男性に多い疾患で、別名「男性型脱毛症」と言います。
AGA-newsによる定義は次の通りです。

AGAの原因は男性ホルモンの影響や遺伝と言われており、症状が徐々に進行していきます。

現在の医療技術では、AGAを完治させることはできません。しかし、進行を食い止めたり遅らせたりすることができます。

詳しい治療法や治療の上での注意点を解説する前に、まずはAGAという疾患がどういった疾患なのかをおさらいしておきましょう。

AGAの3つのタイプ

一口にAGAといっても、進行の仕方によって3つのタイプに分けられます。
それぞれのタイプを詳しく見ていきましょう。

タイプ①　頭のてっぺんから薄毛になるタイプ

1つ目のタイプは「頭のてっぺんから薄毛になるタイプ」です。
文字通り頭頂部から抜け毛・薄毛が目立ってきます。

頭頂部から徐々に抜け毛・薄毛の範囲が広がっていくのが特徴です。

タイプ②　頭の前の方から薄毛になるタイプ

2つ目のタイプは「頭の前の方から薄毛になるタイプ」です。
このタイプは、生え際がM字型に後退していきます。

タイプ③　生え際から薄毛になるタイプ

3つ目のタイプは「生え際から薄毛になるタイプ」です。
このタイプは、タイプ②と違って生え際の形を保ったまま後退していくのが特徴です。

いずれのタイプであってもAGAを放っておいて良いことは一つもありません。

1週間や1か月で一気に症状が進行することはありませんが、徐々にでも確実に進行していくのがAGAです。

「なんだか抜け毛が増えたな」
「髪の毛の質感が変わったな」
と思った段階で医師に相談するようにしましょう。

AGAは男性だけに見られる症状じゃない！？

AGAは別名「男性型脱毛症」というので、男性だけに見られる疾患だと思われがちです。

しかし、AGAは男性にだけ見られるものではなく、女性にも見られることがあるため、女性でも抜け毛・薄毛が気になりだしたら、医師に相談してみるようにしましょう。

女性のAGAは「FAGA（女性男性型脱毛症）」といいます。

FAGAはAGAと違って目立った脱毛が見られることはあまりありません。

しかし、全体的に髪の毛が細く短くなり、髪のボリュームが少なくなったように見えます。
結果として分け目が目立ってきたり、ヘアスタイルが決まらなくなったりします。

AGAの原因は？

では、AGAの原因は一体何なのでしょうか？
AGAの原因は主に次に挙げる5つだといわれています。
それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。

男性ホルモン

AGAの原因で最もポピュラーだとされているのが「男性ホルモンによる影響」です。

AGAによる脱毛の原因物質は「ジヒドロテストステロン(DHT)」といわれています。このジヒドロテストステロン(DHT)は、抜け毛や薄毛のほか、ニキビは前立腺肥大などの原因にもなる物質です

ジヒドロテストステロン(DHT)は、「テストステロン」という男性ホルモンから作られます。

テストステロンが「5α-還元酵素」と結びつくことで、テストステロンの10倍から30倍の強さを持つジヒドロテストステロン(DHT)に変化するのです。

テストステロンは、髪の毛を強くしなやかにするために欠かせないホルモンです。

しかし、ジヒドロテストステロン(DHT)になって髪の毛を作り出す細胞と結びつくと、髪の毛の正常な周期（ヘアサイクル）を乱れさせる原因になってしまうのです。

ヘアサイクルが乱れると、髪の毛が太く長く成長する前に抜け落ちてしまい、抜け毛や薄毛が目立ってくるというわけです。

FAGAの原因も男性ホルモン！？

男性ホルモンの影響による抜け毛・薄毛は、女性のAGAである「FAGA」でも見られます。
女性でも、男性に比べて量は少ないですが、体内に男性ホルモンを持っているからです。

通常であれば女性ホルモンの方が多いのですが、加齢や老化、生活習慣の乱れや過度なダイエットなどでホルモンバランスが崩れると、女性ホルモンが減ってしまうことがあります。

すると相対的に男性ホルモンが多くなり、男性ホルモンが多い状態が続くとAGAに見られるような抜け毛・薄毛の症状が目立ってくるのです。

ただし、女性の場合は女性ホルモンの働きもあり、男性のように頭全体の髪の毛が抜けてしまうということはありません。

遺伝

AGAの発症は親からの遺伝によるところも多いと言われています。

抜け毛・薄毛の遺伝子は母親から受け継ぐ染色体上にあるので、母方の男性に抜け毛や薄毛に悩んだ人がいるのであれば、その体質が遺伝している可能性が高いといえるでしょう。

ただし、抜け毛・薄毛の遺伝子の候補として挙げられているのは一つだけではありません。母方の祖父が抜け毛・薄毛に悩んだからといって、自分も確実にその体質を受け継いでいるかというと、そうとは言い切れない部分があります。

ストレス

「ストレスで毛が抜ける」というのは比較的よく見られる症状だと思います。

大きなストレスを感じると、自律神経やホルモンバランスが乱れます。

結果として、健やかな髪の毛が育ちにくくなり、抜け毛・薄毛の症状が見られると言われています。

また、血行が悪くなるのも見逃せないストレスの影響です。
頭部の血行が悪くなると、髪の毛を作る細胞に十分な栄養が行き渡りにくくなります。

健やかな髪の毛には血液から十分な栄養が必要不可欠なので、栄養が足りなくなると細く短い弱い髪の毛になってしまうのです。

生活習慣

運動不足や喫煙、睡眠不足もAGAの原因といわれています。

運動不足になると、体全体の血行が悪くなります。
また、喫煙すると血管が収縮するため、頭部の血行が悪くなります。

すると、髪の毛を作るために必要な栄養が細胞に十分に行き渡らず、健やかな髪の毛が育ちにくくなります。

睡眠不足も、見直したい生活習慣です。
睡眠不足になると、睡眠中に回復するはずの疲労やダメージを十分に回復することができなくなります。

それだけでなく自律神経やホルモンバランスが乱れたりするので、抜け毛・薄毛になりやすくなってしまうのです。

食事

食事もAGAと大きなかかわりがあります。
食生活が乱れると、健やかな髪の毛を作るのに必要な亜鉛やビタミン、たんぱく質が不足しがちになります。

充分な栄養が無ければ健やかな髪の毛は育たないので、細く短い髪の毛になってしまうのです。

AGAは治るの？どこで治療が受けられるの？

では、AGAは治すことができるのでしょうか？
また、どこで治療が受けられるのでしょうか？

ここでは、AGAの治療について詳しく見ていきたいと思います。

AGAは進行性の病気

AGAは、残念ながら現在の医療技術では完治させることができません。

「なら治療を受けるのは無駄じゃないか！」と思う人もいるかもしれませんが、AGAは進行性の病気なので、その進行を食い止めるためにもできるだけ早い段階で治療を受けるようにしましょう。

完治させることはできなくても、進行を食い止めたり遅らせたりすることは可能です。

AGAの症状や原因は一人一人違います。
自己判断でケアをせず、専門の医師の指示に従って治療を行うようにしましょう。

相談するなら皮膚科や美容外科、専門クリニックで

では、AGAはどこで治療することができるのでしょうか？
ここではAGAの治療やケアを行っているそれぞれの場所について詳しく解説します。

皮膚科

AGAは皮膚科で治療が可能な疾患です。
もし自分がAGAかどうかわからないのであれば、まずは最寄りの皮膚科に相談してみると良いでしょう。

ただし、皮膚科はあくまでも皮膚科です。
脱毛や薄毛に特化した病院ではないので、治療方法の選択肢も限られてきます。

「自分がAGAかどうかわからない」「抜け毛・薄毛の原因を知りたい」という場合は皮膚科を受診し、「AGAに違いない！」と思っている場合は別の医療機関で治療を開始すると良いでしょう。

美容外科

美容外科でもAGA治療を行っているところがあります。
美容外科ではより審美的な内容の治療を行っていることが珍しくありません。

「見た目を改善したい」という場合は美容外科を訪ねてみるのも良いでしょう。

美容外科では

• ・飲み薬による治療
• ・自毛植毛
• ・レーザーによる育毛

といった治療を受けることができます。

しかし、治療法の選択肢は病院によって大きく異なるため、病院選びは慎重に行うようにしましょう。

専門クリニック

AGAに悩んでいる人に最もおすすめしたいのがAGA専門のクリニックです。
AGA専門のクリニックでは、AGAに詳しい医師の診察・治療を受けることができます。

AGAクリニックはまだまだ数が少ない専門クリニックです。
そのため、住んでいる場所によっては通うのが難しい場合があります。

また、AGA専門のクリニックでの治療は高額になりがちです。
薬の処方をしてもらうだけなら、最寄りの皮膚科のほうがリーズナブルということもあります。

一方で様々な症例が集まっているため、より自分に適した治療が受けられるというメリットもあるので、もしAGA専門クリニックが近くにあるのであれば一度足を運んでみても良いでしょう。

育毛エステサロン

育毛エステサロンでもAGAのケアを行っているところがあります。
しかし、育毛エステサロンはあくまでもサロンです。育毛エステサロンは主にマッサージやエステなどを中心に行っています。

飲み薬の処方などはできません。

抜け毛や薄毛の原因によっては、育毛エステサロンで施術を受けたほうが改善が見込める場合もありますが、AGAの疑いがある場合は育毛エステサロンに行くよりもまず病院に行き、原因をはっきりさせることが重要です。

AGAの治療はどんなことをするの？

AGAの治療は主に飲み薬や塗り薬によって行います。

一般的な皮膚科の場合は「フィナステリド」の処方しかしてもらえない場合もあるので、病院選びが肝心です。

また、投薬治療のほかに「植毛」や「メソセラピー療法」が併せて用いられることがあります。

「メソセラピー療法」は、髪の毛の成長に必要な栄養を注射で直接頭皮に注入する治療法です。

豊富な栄養を、投薬治療よりもダイレクトに髪の毛を作る細胞に届けることができるため、より高い効果が期待できます。

しかし、医師によっては「頭皮を傷つける」という理由から推奨していないこともあるので、治療方針は納得がいくまで医師と話し合って決定するようにしましょう。

治療にかかる費用は、病院やクリニック、治療法によって異なります。

また、症状によっても大きく変わってくるため、一概に「相場は〇〇円」ということはできません。
病院を選ぶ際は、費用についても納得がいくまで説明を受けるようにしましょう。

時にはサプリメントの力も借りて

投薬だけで治療を行う場合も珍しくありませんが、医師によってはサプリメントの摂取を勧める場合もあります。

サプリメントで不足しがちな栄養素を補うことで、より効率的に治療を行うことが目的です。

医師に指示された場合はその指示に従いましょう。

一方で、自己判断でサプリメントをあれこれ試すのはおすすめしません。

中には治療に影響を及ぼす成分もあるので、サプリメントを服用する場合は医師や薬剤師に相談してから服用するようにしてください。

女性にはフィナステリドが効かない！？

AGAの治療では「フィナステリド」という薬を使用すると書きましたが、女性はこのフィナステリドを飲んではいけないとされています。

FAGA（女性男性型脱毛症）の場合は、AGAとは違ったアプローチでの治療が必要になるため、医師と相談して治療方針を決めるようにしましょう。

AGA治療の注意点

AGAの治療を受けるうえでいくつか注意したいことがあります。
治療を開始する前におさらいしておきましょう。

その1　焦って途中で止めない

AGAの治療は、治療を開始してすぐに効果が得られるものではありません。
なかなか結果が出ないからと中止せず、根気強く行うようにしましょう。

その2　病院選びは慎重に！

医師の治療方針や費用、通いやすさなども含めて病院を選ぶようにしましょう。
AGAの治療は継続することが重要です。
通い続けられる病院を慎重に探すようにしてください。

その3　薬の副作用に注意！

AGAの治療で用いられる薬の中には、人によって重篤な副作用が出るものもあります。

薬を服用して何かおかしいなと感じた場合は、我慢せずに医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

その4　病院だけに頼らない

病院で治療を受けているからと、生活習慣や食生活が乱れていては治療の効果も半減してしまいます。

生活習慣を整え、食生活を見直し、病院だけに頼らず自分も積極的に治療・改善に参加するようにしましょう。

もしかして、と思ったら相談に行こう！

「最近抜け毛が増えてきた気がする」
「髪の毛が細くなってきた……」
そんな時は、勇気を出して医師に相談に行きましょう。

最寄りの皮膚科でも相談に乗ってくれますが、理想は抜け毛・薄毛の専門クリニックで相談することです。
抜け毛・薄毛の原因は一人ひとり違います。

原因に合った適切な処置を受ければ、抜け毛・薄毛の進行を食い止めることができる可能性もあるので、「体質だから」「年齢だから」とあきらめず行動を起こすことが重要です。

AGA-newsでは最寄りの病院を検索することができるので、ぜひ利用してみてくださいね。

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