どうして薄毛になるの?
髪の毛には「毛周期」「ヘアサイクル」と呼ばれる、一定の周期があります。
一般的なヘアサイクルは次のとおりです。
- ①髪の毛の素である毛母細胞が分裂して成長し、毛穴から伸びていく「成長期」(2~6年)
- ②成長が止まり、毛球が縮小して衰えていく「退行期」(約2週間)
- ③髪の毛の一生の終わりにあたり、自然に抜けていく「休止期」(3~4ヶ月)
髪の毛が抜けた後の毛穴からは、しばらくすると再び分裂・増殖した毛母細胞から生み出された新しい髪の毛が生えてきます。
1日に50~100本の髪の毛が抜けても問題ないとされるのは、頭髪全体の90%以上が成長期のものだからです。
しかし、このヘアサイクルが何らかの理由で乱れてしまうと、成長期が極端に短かったり、休止期の長い髪の毛が増えてきます。つまり、抜け落ちる髪の毛の方が多くなるということ。ボリュームがなくなったり、髪の毛が薄くなってくるのはこのためなのです。
サプリで薄毛を改善できる?
薄毛の原因はヘアサイクルの乱れの他、遺伝や頭皮環境の悪化、ホルモンバランスが不安定になることなどが挙げられます。
改善するには、シャンプーや洗髪方法を変えたり、生活習慣を見直すなど、自分でできることから、専門医で治療を受けることまで、これまたさまざまな方法があります。
その中でも注目度が高まっているのがサプリです。髪の毛に良いとされる成分を補うことで成長を促し、薄毛の改善が期待できるのです。
薄毛対策サプリはこの成分をチェック!
薄毛対策用サプリは数多く発売されています。ただし、医薬品ではないため、「髪の毛が生える」「薄毛が治る」と効果を謳うことはできません。あくまでも、髪の毛の悩みを解決する「サポート役」と考えた方が良いでしょう。
サプリを選ぶ時は、髪の毛の成長に欠かせない成分が配合されているかどうか、チェックする必要があります。
アミノ酸
よく知られているように、髪の毛はケラチンというタンパク質からできています。そしてタンパク質を構成するアミノ酸は、食物から摂取するのが基本で、最も効率が良いとされています。
アミノ酸が不足するとこのケラチンを十分に構成できなくなるので、髪の毛が細くなったり、抜けやすくなるといったトラブルが起こります。
動物性タンパク質を摂らないなど、極端な食事制限をすると、髪の毛や爪がパサついてくるのはこのためです。
育毛サプリを選ぶときは、髪の毛を作るのに欠かせない「アミノ酸」が含まれているかどうかをチェックしましょう。
亜鉛
必須ミネラルの一つである亜鉛は、人体の代謝や細胞の分裂に深く関わっています。もちろん髪の毛の源であるケラチンを始め、タンパク質の合成にも欠かせません。
不足すると髪の毛の成長はもちろん、抜け毛や切れ毛など、髪の毛の質も悪くなってきます。
亜鉛は消費されやすい一方で、貯留しておくことのできない成分です。
そのため、意識して食物から摂取する必要があるのですが、亜鉛は牡蠣やホタテ、カニ、豚レバーなど多く含まれていますが、毎日食べ続けるのは難しいといわざるを得ません。
そこで賢くサプリを活用しましょう。
サプリを使えば、手軽に不足しがちな亜鉛を補うことができます。
ビタミン類
ビタミン類は五大栄養素の一つで、人間の生命・健康維持には不可欠です。
頭皮環境を整えたり、血行を促進して栄養を届けたりする働きもあるので、薄毛サプリを選ぶときはビタミンの配合量にも注目してみましょう。
特に重要なのがビタミンB群です。ビタミンB1、B2など8種類から成り、髪の毛や爪、粘膜などの新陳代謝や健康維持に関わっています。
しかし、日本人は慢性的に不足傾向にあるとされているので、サプリメントを使って効率的に摂取しましょう。
その他の薄毛に効果が期待できる成分
薄毛サプリには主な成分の他、メーカーによって髪の毛の発育に効果が期待できるさまざまな成分も配合されています。
ミレットエキス
ミレットエキスはミレットというイネ科の植物から抽出したエキスで、髪の毛を作るアミノ酸の一種・シスチンを始め、ビタミンB群や亜鉛、血行促進作用のあるローズマリー酸を含んでいます。
栄養不足や血行不良による薄毛の改善に有効として、育毛剤にも多く配合されています。
ノコギリヤシ
ノコギリヤシはヤシ科の植物で、その名のとおりノコギリのようなギザギザした葉が特徴です。果実やそのエキスは古くから民間療法に使われてきました。
また、研究によってノコギリヤシエキスにはAGA(男性型脱毛症)の原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制して、男性の薄毛を予防する効果が期待できることがわかりました。
ただし、ホルモンの影響が大きい女性の薄毛改善には向いていないので、サプリを選ぶ時には注意してください。
イソフラボン
女性の場合、薄毛の原因の一つとして、女性ホルモンの一種・エストロゲンが減少することが挙げられます。
エストロゲンには肌や髪の毛にハリやツヤを与える働きがありますが、出産や閉経によって分泌量が低下するため、パサついたり抜け毛が多くなったりするのです。
大豆などに含まれるイソフラボンは、このエストロゲンと似た働きをすることで知られています。女性向けのサプリではおなじみですよね。
美容目的だけでなく、薄毛改善のためにも摂取したい成分です。
しかし、イソフラボンはAGA(男性型脱毛症)対策にはあまり向いていません。
女性ホルモンと同じような働きをするため、男性ホルモンからできるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を阻害するとされていますが、医薬品のような劇的な効果は期待できないのです。
カプサイシン、ヒハツエキスなど
血行不良は美容や健康だけでなく、髪の毛にとっても大敵です。
血行不良になると、髪の毛まで十分に栄養が行き渡らなくなるため、髪の毛そのものが弱く、細くなってしまったり、ヘアサイクルの乱れを引き起こす恐れがあるからです。
カプサイシンやヒハツエキスは、血行を促進して体を温める働きがあるため、特に冷え性になりやすい女性の薄毛に効果的な成分とされています。
薄毛対策サプリを選ぶ時の注意点
薄毛対策サプリは、成分の他にも注意すべき点があります。自分に合った合ったものを選ぶために、ぜひ知っておいてくださいね。
男性・女性どちら向けか確認する
薄毛の原因は、男性と女性では異なります。また、薄くなるプロセスや状態も同じではありません。
有効成分も違うので、薄毛対策サプリは男性・女性それぞれに合わせたものを選ぶようにしましょう。
コストパフォーマンスをチェックする
サプリは医薬品ではなく、栄養を補うためのものです。効果を実感するには、ある程度継続して飲む必要があります。
そのため、無理なく購入できる価格か、1本あたりの量は十分かなど、コストパフォーマンスは必ずチェックしましょう。
購入のしやすさをチェック
続けて飲むためには、購入のしやすさも重要なポイントになります。
最寄りのドラッグストアや通販などで、必要な時にすぐに購入できるものがおすすめです。
買い忘れがないよう、定期購入を利用してもよいでしょう。
薄毛対策サプリは正しく使うことが大切!
薄毛対策サプリは髪の毛に必要な栄養を手軽に補うことができるので、忙しい人にはピッタリです。
サプリだけで改善できるというわけではありませんが、他の方法と併用することで薄毛対策効果が期待できます。
薄毛が気になり始めたら、対策の一つとしてぜひサプリを試してみてくださいね。