カプサイシンは唐辛子の辛味成分
カプサイシンは、唐辛子の辛味成分として有名な物質です。
カプサイシンという名前も、トウガラシ属の学名であるCapsicumにちなんでいます。
比較的有名な事実ですが、実は「辛味」という味覚はありません。
味覚は苦味、酸味、甘味、塩味、旨味の5つであり、「辛さ」は痛覚で感じるものなのです。
とはいえ、料理の味付けにおいて、辛味が重要な存在であることは確かですよね。
カレーや麻婆豆腐など、辛い料理が大好きだという人も多いでしょう。
唐辛子の辛さは、ワサビやマスタードの辛さとは少し性質が異なります。
唐辛子を使った料理を食べた時、体が熱くなって汗をかいた経験はありませんか?
これは、カプサイシンがアドレナリンの分泌を促し、新陳代謝をアップさせているからです。
結果として、血行促進・体温上昇・発汗などの効果が現れます。
そのためカプサイシンは、ダイエットや冷え性改善にも効果的とされているのです。
カプサイシンは成長因子の産生を促す
カプサイシンが育毛に効果的とはいっても、あの辛さと育毛がどう関係するのか、想像がつかない人もいるでしょう。
カプサイシンは、以下の2つの作用によって育毛をサポートします。
IGF-1の産生促進
カプサイシンには、IGF-1(インスリン様成長因子)の産生を促進する働きがあります。
IGF-1は、細胞の増殖や分化に関わるタンパク質・成長因子の一種で、毛髪の成長にも影響すると考えられています。
体内のIGF-1の量を増やせば、薄毛の改善も期待できるのです。
ただし、カプサイシンさえ摂取していれば、際限なくIGF-1を増やせるわけではありません。
IGF-1が放出される過程では、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質が関わっています。
体内のCGRPの量には限りがありますから、いずれは枯渇してしまうでしょう。
つまり、CGRPの産生もサポートしなければ、カプサイシンの効果は限定されてしまうわけです。
CGRPの産生を促進するには、体内の女性ホルモンを増やす必要があります。
そこで登場するのが、大豆などに含まれるイソフラボンです。
イソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンと似通った働きをするため、イソフラボンを摂取すれば、CGRPの増加が見込めるのです。
血行促進、新陳代謝アップ
カプサイシンの持つもう1つの育毛効果は、血行促進による栄養供給です。
頭皮に十分な栄養を与えなければ、元気な髪は生えてきません。
カプサイシンを摂取して血行を促進すれば、頭皮の末梢血管にまで栄養が届きやすくなるので、薄毛の改善が期待できます。
また、新陳代謝もアップするので、頭皮の健康維持にもつながります。
カプサイシンの育毛効果は研究段階
カプサイシンの育毛効果は非常に魅力的ですが、1つ問題があります。
それは、カプサイシンの育毛効果はまだ研究段階だということです。
症例数も少なく、誰にでも効果が見込めるのかどうかもわかっていません。
また、効果に疑問を抱かせる事件も発生しました。
カプサイシンの育毛効果研究の第一人者だった大学教授が、研究論文のデータ流用・捏造・改ざんに関与していた疑いがあるとして処分されたのです。
教授自身はあくまでも論文の責任著者であって、不正を実行もしくは指示した証拠は出てきませんでした。
論文の内容も、カプサイシンや育毛とは直接関係ないものです。
しかし、教授が不正を理解した上で見逃していた可能性は高いとされており、これでは「カプサイシンの研究データも信用できないのでは?」と思われても仕方がありませんよね。
少なくとも現段階では、カプサイシンの育毛効果は過信するべきではないといえます。
血行促進による栄養供給や新陳代謝のアップが見込めるのは確かなので、育毛のサポート役として使うと良いでしょう。
カプサイシンの摂取はスンドゥブチゲがおすすめ
カプサイシンの効果を最大限に発揮させるには、イソフラボンとの同時摂取が有効です。
カプサイシンを摂るときは、豆腐などの大豆製品と一緒に食べるようにしましょう。
おすすめの食べ方はスンドゥブチゲです。
唐辛子のきいたスープに豆腐と野菜をたっぷり入れれば、カプサイシンとイソフラボン、さらにはビタミン類まで豊富に摂取できます。
よりお手軽な料理としては、納豆キムチも良いでしょう。
手軽に美味しくカプサイシンとイソフラボンを摂取できるように、自分なりの食べ方を自由に探してみてください。
カプサイシンを工夫して摂取しよう
カプサイシンは、ただ辛いだけの物質ではありません。
育毛をはじめ、さまざまな効果が期待できる素晴らしい成分です。
今はまだ研究段階ではありますが、将来的にはより詳しい効能が判明するでしょう。
食事に取り入れやすい成分なので、毎日適量を摂取し、育毛をサポートしてください。