睡眠の質の悪さがダイエットに悪影響?
ダイエット中の皆さん、毎日しっかり睡眠をとっていますか?
海外や日本の睡眠研究では、寝不足が肥満の原因になることが明らかにされています。
また、ある研究では睡眠不足になると高カロリーの食品を食べたくなるということも判明しているのです。
「断眠した被験者に対して、カロリー価の異なるさまざまな食品の画像を見せ、その際に脳画像化技術を用いて、被験者の応答を調べた。その結果、断眠した被験者の方が、食べることへの意欲に関連する脳領域の活動が活発になり、食物刺激を評価する脳領域の活動が低下し、その結果として、高カロリー食品に対する欲求が高まった。」
「最近無性に揚げ物やスナックなど、高カロリー食べ物を食べたくなる」という方は、睡眠不足かもしれません。
なぜ睡眠不足がダイエットに悪影響を与えるのでしょうか。
その原因は、ホルモンの乱れにあります。
人間の体には、体を正常に機能させるために、全身に100種類以上のホルモンが存在しています。
その中で、特にダイエットに関係しているホルモンがレプチン、グレリン、コルチゾール、成長ホルモンの4つです。
これらのホルモンは、それぞれ食欲をコントロールしたり、脂肪燃焼を促進する働きがあります。
睡眠不足になると、4つのホルモンの分泌バランスが乱れ、食欲を増加させるグレリンとコルチゾールの分泌が過剰になるのです。
ダイエット成功の鍵は質の良い睡眠にあり!
睡眠不足がダイエットに悪いなら、毎日しっかり睡眠をとれば痩せやすくなるのでしょうか。
実は、ちゃんと睡眠はとっているという場合でも、睡眠不足の可能性はあります。
睡眠不足とは、睡眠時間が足りないということだけではないのです。
睡眠の質が悪ければ、睡眠時間をたっぷりとっていても睡眠不足の状態になり、ダイエットに悪影響を与えます。
ここで一度、睡眠の質をセルフチェックしてみましょう。
□睡眠時間は7時間以上
□布団に入るとすぐ眠れる
□多少の音では目を覚まさない
□一度寝付くと朝までぐっすり眠っている
□寝起きは良いほう
□朝から食欲がある
□昼間眠くなることはほとんどない
□休日も平日と同じ時間帯に寝起きするようにしている
□寝室は静かで快適
□寝具(枕、シーツ、パジャマなど)には気をつかっている
チェック項目が少なければ、たとえ睡眠時間をしっかりとっていても、質の悪い睡眠をとっている可能性があります。
ダイエットを成功させたいなら、睡眠改善をして睡眠の質をアップさせましょう。
質の良い睡眠をとれば、ホルモンの分泌が正常になり、ダイエット効果がアップしますよ。
睡眠の質をアップさせる10の方法
睡眠の質を高めるためには、どうすれば良いのでしょうか。
ぐっすり眠るためには、朝から寝る時間まで、様々な工夫をすることが大切です。
早速ダイエット成功のために睡眠の質をアップさせる10個の方法をご紹介しましょう。
①寝る直前に食事はせず、空腹状態で寝る
空腹状態で眠るとリラックスした状態になり、睡眠の質がアップします。
「空腹時は、脳から快感ホルモン”β-エンドルフィン”と、気持ちを安定させる”α波”が分泌されます。空腹状態の時間をつくることで、緊張の神経と言われる交感神経の働きが抑えられ、リラックスした状態で就寝できるようになるんです。」
リラックスした状態になると、副交感神経が働き、全身の血管が広がって血流がスムーズになり、代謝が促進されます。
リラックスして眠るために、できるだけ夕食は寝る2〜3時間前には済ませましょう。
もし仕事で帰りが遅くなる場合は、前もって夕方頃におにぎりなど軽食を食べておき、帰宅してから温かいスープや味噌汁を食べてください。
汁物は胃腸に負担をかけないので、比較的早く消化されます。
②寝る前にテレビやパソコン、スマホを使わない
寝る前にDVDを観たり、SNSやネットサーフィンをするのが好き、という方は多いでしょう。
しかし、ダイエット成功のために睡眠の質を高めたいなら、寝る前にテレビやパソコン、スマホ、ゲーム機の使用は控えてください。
液晶画面から発生する光は、目に入ると脳の中枢神経を刺激し、意識を覚醒させます。
また、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が抑えられてしまうため、中々寝つけられなくなるのです。
電子機器を使うかわりに、心身をリラックスさせることをして過ごすようにしましょう。
③寝る前はリラックスできる時間を過ごす
寝る1時間前から、心身を落ち着かせてリラックスできる時間を過ごしましょう。
おすすめはアロマテラピーです。
アロマの中には、精神を落ち着かせる働きがあるものがあるため、寝る前にアロマを焚いたり、アロマオイルが使用できる加湿器を使用したり、アロマオイル配合のボディオイルでマッサージをすると良いでしょう。
心身をリラックスさせるアロマオイルは、以下がおすすめです。
- ・ラベンダー
- ・オレンジスイート
- ・ベルガモット
- ・ヒノキ など
また、アロマオイルを使用する時はリラックスできる音楽を聴き、室内の電気を暗くしてみてください。
寝る前に室内の電気が明るいと、睡眠ホルモンのメラトニンが明るい光で分泌しにくくなるので、目に入る光をできるだけ抑えましょう。
④寝る前の飲酒、喫煙は控える
寝ている時に何度も目が覚めてしまう、という方は寝る前の飲酒や喫煙が原因かもしれません。 寝る前の飲酒や喫煙は、覚醒作用が強いため、寝つきが悪くなったり夜中に何度も目が覚めるなど、眠りの質が下がってしまいます。
特にタバコは、ニコチンに強い覚醒作用があり、タバコを吸ってから1時間ほど覚醒状態が続くので要注意。
寝る1時間前には飲酒も喫煙も控えましょう。
⑤寝室環境を整える
あなたは寝室をきれいに保っていますか?
もしゴミや物でごちゃごちゃしているなら、時間を作って掃除をしてください。
寝室を掃除して綺麗になったら、寝具を見直しましょう。
自分に合わない寝具を使っていると、体に負担がかかりますし、睡眠の質も下がります。
枕の高さやベッドのマットの固さはちょうどいいかチェックしてみてください。
⑥寝る時間と起きる時間を一定にする
睡眠のリズムを乱さないために、寝る時間と起きる時間をできるだけ毎日同じ時間にしましょう。
時間がバラバラになると、体が睡眠のリズムを調整できなくなって睡眠の質が下がってしまいます。
仕事が忙しくて夜寝る時間がバラバラになってしまうという場合は、起きる時間だけでも一定にしてください。
また、休日はつい寝すぎてしまうという方は多いと思いますが、休日も平日と同じ時間に起きることで、睡眠のリズムが乱れにくくなります。
⑦湯船に浸かる
湯船に浸かって体温を上げると、寝つきが良くなり睡眠の質がアップします。
成長ホルモンが分泌される深い睡眠も増加するので、できるだけ毎日湯船に浸かるようにしましょう。
熱いお湯ではなく、40度程度の無理せず入れる温度に15分〜20分ほど入浴すれば、副交感神経が働いてリラックスできます。
アロマオイル配合の入浴剤を使えば、リラックス効果がアップしてより質の良い睡眠になりますよ。
⑧朝食は抜かず、夜はタンパク質を摂取する
ダイエットのために摂取カロリーを減らすため朝食と夕食を抜くという方法は、ダイエットに逆効果です。
朝食は朝にしっかりと目覚め、夜に寝つきが良くするために必要です。
また、不眠の人は朝食を取っていない人が多いという研究データもあるので、質の高い睡眠を摂りたい人は朝食を抜かないようにしましょう。
また、夜にタンパク質を摂取すると、タンパク質が成長ホルモンの材料になり、成長ホルモンの分泌が促進されます。
ダイエット中に食べるなら以下の低脂質で高タンパクの食材がおすすめです。
- ・納豆
- ・ツナ
- ・ササミ
- ・牛もも肉
- ・豚もも、またはヒレ肉
⑨日中に運動する
定期的な運動は心地よい疲労を生み、ぐっすり深い睡眠へと繋がります。
夕食前までの日中の間に運動をする習慣を作りましょう。
仕事で忙しい人は、通勤時にできるだけ多く歩いたり、休日の日中に運動する習慣を作ってみてください。
しかし、寝る前に激しい運動は禁物です。
激しい運動をすると交感神経が働き、眠りの質が低下します。
寝る前に行う運動は、ゆっくり呼吸ができる軽めのストレッチやヨガの簡単なポーズなどがおすすめです。
⑩朝起きたら太陽の光を浴びる
朝起きたらすぐにカーテンを開け、太陽の光を浴びて背伸びをしましょう。
きっと心地よく1日をスタートできるはずです。
また、朝一番に太陽の光を浴びると体内時計のリズムがリセットされます。
体内時計のリズムがリセットされると、朝起きてから15〜16時間後には自然と眠気を感じるようになるので、朝一番に太陽の光を浴びることを習慣にしてください。
特に仕事が忙しくて寝る時間がバラバラになることが多く、体内時計のリズムが乱れやすいという方は意識して朝一番に太陽の光を浴びるようにしましょう。
ダイエット成功のためにぐっすり睡眠!
ダイエットとなると、つい食事制限や運動に意識を向けがちですが、まず大事なのは質の高い睡眠です。
質の高い睡眠をとる工夫をして、毎日ぐっすり眠れるようになってからダイエットを本格化させると、効率よくダイエットが進みますよ。