センブリって何?

センブリと聞くと、センブリ茶を思い浮かべる人が多いでしょう。
とても苦いお茶として知られ、テレビ番組の罰ゲームなどでもおなじみですよね。
センブリはリンドウ科センブリ属の植物で、昔から生薬として使われてきました。
腹痛や下痢、胃弱などに効果があるとされ、江戸時代の文献にも効能が記されています。
この効能は医学的にも認められており、乾燥させたセンブリは医薬品に指定されているんですよ。
市販のセンブリ茶も、第三類医薬品になっていることからもわかるように、ただ苦いだけのお茶ではないということですね。
センブリの独特な苦みは、その効能と無関係なわけではありません。
余計なものに思えるセンブリの苦味成分は、優れた栄養成分でもあります。
センブリは葉・茎・根のすべてが苦いので、まさに栄養成分の塊、「良薬口に苦し」な植物だといえますね。
センブリという名前も、「千回振り出しても(水の中で成分を出しても)まだ苦い」とされるほどの苦さに由来しているのです。
それほどの効能を持つ植物なら、とても貴重なものなのか……というと、そうでもありません。
北海道から九州まで広く自生しており、山や森を歩けば普通に見つかります。
市販のセンブリ茶も、10包で1,000円程度と比較的購入しやすい値段です。
ただ、近年は数が減少しており、保護のため採集が禁止されている都道府県もあります。
センブリは3つの育毛効果が期待できる

センブリの効能は、胃腸の回復や強化だけではありません。
育毛効果が期待できる成分も豊富に含まれています。
主な育毛効果を紹介しましょう。
毛乳頭細胞の活性化
髪は毛根から生えてきますが、毛根の中核ともいえるのが毛乳頭細胞です。
毛乳頭細胞は、髪の元となる毛母細胞の増殖をコントロールするなど、髪の成長サイクルの司令塔的な役割を果たしています。
センブリに含まれるアマロゲンチンやアマロスウェリンには、この毛乳頭細胞を活性化させる効果があり、毛母細胞の増殖が促されることから育毛効果が期待できるのです。
頭皮の血行促進
元気な髪を育てるには、頭皮に十分な栄養を送る必要があります。
そのためには、頭皮の血行を促進しなければなりません。
センブリには、スウェルチアマリンやスウェルチアニン、キサントン、ゲンチオビクロシドといった、血行促進作用のある成分が豊富に含まれているので、髪の成長が促されます。
頭皮の炎症を鎮める
薄毛の原因のひとつが、頭皮や毛穴の炎症です。
毛穴に詰まった皮脂は雑菌の餌となり、雑菌が増殖すると炎症が発生します。
すると、頭皮は本来の機能を発揮できなくなり、健康な髪が生えてこなくなるのです。
センブリから摂取できるスウェルチアマリンやスウェロシド、キサントンには抗炎症作用があり、頭皮の炎症を鎮めてくれます。
普段から頭皮が炎症を起こしやすい人は、ぜひ一度センブリ茶や、センブリのエキスを配合した育毛剤などを利用してみると良いでしょう。
センブリにAGA抑制効果はあるの?

センブリは生薬として長く使われ、医薬品にも指定されています。
そのため、育毛効果も医薬品並みにあるのでは?と考える人もいるでしょう。
では、実際のところはどうなのでしょうか。
結論から言うと、センブリには医薬品と同等の育毛・発毛効果はありません。
毛乳頭細胞の活性化にしても、「元気な髪を作るのを助ける」という程度です。
AGA(男性型脱毛症)の進行を抑制できるような成分は含まれていないので、過度な期待はしないでください。
とはいえ、センブリはとても安価ですから、健康食品として見た場合はとても優秀です。
髪に良い成分が豊富なのは確かなので、薄毛予防として積極的に飲むと良いでしょう。
ただし、とても苦いので人によっては飲むのに抵抗があるかもしれません。
しかし、苦味こそが栄養成分ですから、育毛のためだと思ってグッと飲み干してください。
ちなみに、市販の育毛剤にもセンブリはよく配合されています。
頭皮に直接センブリを塗ってみたければ、育毛剤を使うのがおすすめです。
濃く煮出したセンブリ茶を塗ってもいいのですが、エキスが濃縮されているわけではないので、効果のほどは保証できません。
センブリの苦味は育毛成分の塊!
センブリはとても入手しやすく、しかも育毛成分が豊富な植物です。
センブリ茶を毎日飲めば、優れた効能によって髪の健康をサポートできます。
「良薬は口に苦し」の格言を噛みしめながら、センブリ茶を味わいましょう。