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どうして太るの?どうすれば痩せるの?知っておきたい肥満のメカニズム

「最近太ってきたなぁ」「ダイエットしなきゃ……」と思っている人はたくさんいるでしょう。思い立ったが吉日とばかりに、今日から頑張ろうとしている人もいるかもしれませんね。
でも、ちょっと待ってください。
闇雲にダイエットを始めても、思うような結果は得られません。
効率的にそして確実にダイエットを成功させるためにも、まずは肥満のメカニズムを知っておきましょう。
そのうえで、正しく目標を設定して、自分に無理のない方法でダイエットを行うことが大切です。

ここでは肥満のメカニズムについてわかりやすく解説します。

そもそも「肥満」とは?

そもそも肥満とは?のイメージ

「最近太っちゃって……」「私もそろそろダイエットしないとなぁ」という声が多く聞かれますが、皆さんはどういう状態を肥満というかご存知でしょうか?

この間買った服がきつくなったら?
健康診断で「痩せましょう」と言われたら?
体重が80kgを超えたら?

肥満かどうかは、人それぞれのライフスタイルや筋肉の付き方などもあるので、一概に「〇kg以上は肥満」などと言うことはできません

しかし、肥満かどうかをある程度判断することができるいくつかの基準があるので、その基準を見て行きましょう。

肥満かどうかを知る様々な基準

肥満かどうかを判断する基準には、

  • ・BMI
  • ・WHR
  • ・体脂肪率

があります。

それぞれ世界的に用いられている基準なので、まずは自分の体重や体型をこれらの基準で把握することがダイエットの最初の一歩です。

中でもBMIとWHRは計算式で求めることができるので、誰でも簡単に知ることができます。

BMI

BMIは、体重と身長を使って求める値です。日本肥満学会でも、肥満判定の基準として用いられています。

BMIの計算式は次のとおりです。

BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))

例えば、身長が170cm、体重が75kgの人であれば

75÷(1.7×1.7)となり、BMIは約26です。

BMIによる肥満度の判定は次のとおりなので、参考にしてみてください。

18.5未満 低体重
18.5~25未満 普通体重
25~30未満 肥満(1度)
30~35未満 肥満(2度)
35~40未満 肥満(3度)
40以上 肥満(4度)

BMIは22の時が最も病気になりにくく、健康的だといわれています。

BMIの値が大きくなればなるほど生活習慣病などのリスクが高まるので、まずはBMI22を目標にダイエットを始めましょう。

WHR

WHRは、ウエストとヒップから求める体型の指標です。
内臓脂肪の量や外見の肥満度がわかる数値なので、こちらも合わせて活用するようにしましょう。

求め方は簡単です。
ウエストの最も細い部分(おへそのすぐ上のあたり)と、ヒップの最も出ている部分をメジャーで測ります。

ウエストの値をヒップの値で割った値がWHRです。
男性の場合は1以上、女性の場合は0.9以上で肥満と判定されます。

おなかもヒップも人間の体の中で脂肪が付きやすい部分です。
この部分の脂肪を落とすことで、よりスレンダーで引き締まった体型を手に入れることができます。

健康的に痩せたいだけでなく、プロポーションも美しくしたい人にはぜひ活用してもらいたい指標です。

体脂肪率

最近では、「体脂肪率」を簡単に計れる体重計や体組成計が市販されています。

これらを使えば、BMIやWHRではわかりにくい「隠れ肥満」なども発見できるので、チャンスがあれば計ってみましょう。

裸足になって体重計に乗るだけで、あとは自動的に体脂肪率が算出されます。しかし、あくまでもこの体脂肪率は推測値です。正確な値ではないので、「だいたいこれぐらいなんだなぁ」という気持ちで受け止めてください。

男性の場合は体脂肪率が20%で軽度の肥満、30%以上で重度の肥満と判定されます。
女性の場合は、30%が軽度の肥満、40%が重度の肥満です。

どうして肥満になるの?気になる肥満のメカニズム

どうして太るのか?のイメージ

では、どうして私たちは太ってしまうのでしょうか?
自分がどれぐらい太っているかを知ったところで、太るメカニズムを知らなければ効率的なダイエットはできません。

太るメカニズムは、実のところとても単純です。

食事などから摂取するカロリーが、1日に消費するカロリーの量を上回る状態が続くと太ります。

というのも、消費されなかったエネルギーは脂肪として体の中に蓄えられてしまうからです。

一般的に、私たちが1日に消費するカロリーの量は男性であれば2,600kcal程度、女性であれば2,000kcal程度といわれています。

しかし、年齢やライフスタイルによって個人差があるので、あくまでも目安として考えてください。

では、どうすれば、ダイエットを成功させることができるのでしょうか?
これもまた理論的には単純です。

摂取するカロリーより消費するカロリーを増やせば、痩せることができます。

しかし、そう簡単にうまくいかないのがダイエットですよね。
次からは、もう少し細かく原因を見ていきましょう。

肥満の原因は食べ過ぎ?

肥満の最も大きな原因は食べ過ぎです。
どんなに運動をしたりしていても、食べ過ぎれば当然太ります。

特に炭水化物甘いものが好きな人は要注意です。

炭水化物や甘いものには「糖質」が多く含まれています。
もちろん、糖質は体や脳を動かすためには欠かせない栄養素ですが、摂り過ぎには注意しましょう。

糖質を摂り過ぎると、余った糖質が脂肪として体の中に蓄えられてしまうのです。

また、糖質を摂り過ぎると、血糖値のコントロールが上手くいかなくなって、さらに炭水化物や甘いものが欲しくなってしまうという悪循環に陥ってしまいます。

ダイエットを行う際は、全体的に食事のカロリーを減らすだけでなく、糖質を多く含む食品もセーブしていきましょう。

ストレスが原因で肥満に……

肥満とストレスは、実は切っても切れない関係にあります。
ストレスが溜まってヤケ食いしてしまったとか、ストレスが溜まると甘いものが欲しくて仕方なくなるという人もいるのではないでしょうか。

私たちは、強いストレスを受けると自律神経のバランスが乱れてしまいます。

すると、食欲のコントロールが上手くできなくなって、ヤケ食いをしたり、甘いものを食べすぎたりしてしまいます。

当然、食べ過ぎれば摂取カロリーが多くなってしまうので、摂取カロリーを消費しきれず、徐々に太ってしまうというわけです。

また、ストレスが原因で食欲コントロールがうまくできない時は「摂食障害」にも注意しましょう。

摂食障害と聞くと、「食べ物が喉を通らず、どんどんやつれていく」という状態を想像する人が多いかと思いますが、「おなかがいっぱいなのに、それでも食べてしまう」「いくら食べても満足感が得られない」という「過食」も立派な摂食障害の症状です。

普段からストレスを溜め込まないように気を付けることもダイエットには大切です。

腸内環境の悪化による肥満

肥満には、腸内環境の悪化が関係していることもわかっています。腸の中に住む善玉菌が増えてくると、徐々に痩せやすい体質に変わっていきます。

肥満の人は、ともすれば肉や油っこいものなどを多く食べてしまいがちです。
善玉菌を増やして腸内環境を良くするためにも、積極的に発酵食品や食物繊維を摂取するようにしましょう。

遺伝的な体質が原因のことも

毎日の生活習慣はそれほど悪くないのに太っている……その場合は、遺伝的な体質が関係していることもあります。

遺伝子を研究した結果、肥満には3種類の遺伝子が関係していることがわかりました。

それぞれどの遺伝子に変異があるかによって、太り方に差が出てくるだけでなく、太る原因も違います。

3種類の内、どの遺伝子が自分の肥満に関係しているかを知るには遺伝子検査で知ることができます。

体型から見る様々なタイプの肥満

「太っている」と一口にいっても、その体系は人それぞれです。

お相撲さんのようにがっしりした体型の人もいれば、下半身にボリュームがあるグラマーな人もいます。

一般的に、太っている人は3つのタイプに分けられます。

  • ・リンゴ体型
  • ・洋ナシ体型
  • ・バナナ体型

です。

それぞれの体形を詳しく見ていきましょう。

リンゴ体型

リンゴ体型のイメージ

リンゴ体型」は、日本人の約30%に見られるタイプの体形です。男性に多いといわれています。

リンゴ体型の人は内臓脂肪が付きやすく、基礎代謝(何もしなくても消費するカロリー)が平均に比べて200kcalほど少ないのが特徴です。

体重は平均的でも、体脂肪率が高く、皮下脂肪がたくさんついている人もリンゴ体型に含まれます。

洋ナシ体型

洋ナシ体型のイメージ

洋ナシ体型」は女性に多いタイプの体形です。日本人の約34%が洋ナシ体型といわれています。

洋ナシ体型の人は下半身に脂肪が付きやすく、基礎代謝量が一般の人に比べて100kcal程度低いのが特徴です。

運動不足や普段の姿勢なども大きく関係していると言われており、筋肉の衰えや骨盤のゆがみで下腹がぽっこり出やすいタイプといえるでしょう。

バナナ体型

バナナ体型のイメージ

一見スリムで肥満とは程遠いように見えるのが「バナナ体型」です。日本人の約24%がバナナ体型だと言われています。

筋肉が付きにくく、一度太ると痩せにくいのが特徴です。

脱・肥満!メカニズムから知る効果的なダイエット方法

ここまで肥満のタイプを紹介してきました。次はいよいよダイエットの実践です。
それぞれのタイプ別におすすめのダイエット方法をご紹介しましょう!

食べ過ぎ肥満のダイエット方法

ついつい食べ過ぎてしまう人は、まず食事の内容や食べ方を工夫しましょう。

  • ・いつもよりゆっくりと、よく噛んで食べる。
  • 野菜から食べる
  • ・全体的に一口ずつ量を減らす
  • ・間食にダイエット食品を活用する

など無理のない範囲で摂取カロリーをカットする工夫が効果的です。

献立は、砂糖をたっぷり使った煮物や揚げ物などを控え、肉や魚・野菜・主食のバランスを考えた「和食の定食」のイメージで考えてみてください。

低炭水化物ダイエットや低糖質ダイエットなどが人気ですが、それらのダイエットは体への負担が大きいダイエットです。

素人知識で行うことは避け、行いたい場合はかかりつけの医師に相談するようにしましょう。

ストレス肥満のダイエット方法

ストレスが原因で食べ過ぎてしまう人には、軽い運動がオススメです。

特に「ヨガ」は、ゆったりとした動きで初心者でも始めやすく、体全体を動かせる上に自律神経を整える効果も期待できます。

youtubeなどには自宅でも簡単に取り組めるヨガの動画がアップされているので、参考にしてみると良いでしょう。

また、気分転換にジョギングやウオーキングといった外に出る運動をするのもオススメです。

腸内環境悪化肥満のダイエット方法

腸内環境が悪化している人は、まず腸内環境を良くすることから始めましょう。

食事を見直して、

  • ・食物繊維
  • ・オリゴ糖
  • ・発酵食品

を積極的に摂るようにしてください。

そのうえで、軽いジョギングやウオーキングなどの運動を取り入れるのがオススメです。

リンゴ体型のダイエット方法

内臓脂肪が多い「リンゴ体型」の人は、内臓脂肪を減らすダイエットが効果的です。
積極的に運動をしましょう。

ジョギングやウオーキングといった有酸素運動がおすすめです。もちろん最初から長時間続ける必要はなく、自分にとって無理のないペースで始めましょう。

同時に、炭水化物や甘いものを食べ過ぎないように注意しましょう。

洋ナシ体型のダイエット方法

「洋ナシ体型の」人は、食生活の見直しを行うだけでなく、腸の動きを良くする運動を取り入れてみてください。
骨盤のゆがみを正すストレッチや、おなかのマッサージなどを取り入れることで徐々に下半身が引き締まってきます。

バナナ体型のダイエット方法

一見スレンダーに見える「バナナ体型」の人ですが、痩せるためというよりは「太りにくい体を手に入れるため」のダイエットをするのがオススメです。
太りにくく痩せやすい体を作るために、筋トレを行いましょう。

腹筋や背筋、腕立て伏せなど手軽にできる筋トレから始めてみてはいかがでしょうか?
運動の後は豆乳や牛乳、赤身の肉などたんぱく質をたっぷりを摂るようにすることで、よりしっかりと筋肉をつけることができます。

自分に合ったダイエット方法を探してみよう!

肥満のメカニズムを知り、自分に合った方法でダイエットをすることで、より効率的かつ効果的に痩せることができます。
まずはBMI22を目指して、できることから始めてみましょう。

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