カラダお悩みラボ

肥満のイメージ

肥満外来ってどんなところ?受診前に知っておきたい基礎知識と注意点

「健康診断で”痩せましょうね”と言われてしまった」
「糖尿病や高脂血症などの生活習慣病が怖い」
「心臓に不安がある」
こんな悩みを抱えている人は決して少なくありません。

太っている人の中には、「どうにかして痩せたいけど、自己流のダイエットは続かない」「食生活をなかなかできない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?

そんな時は、専門の医師の力を借りましょう!

肥満外来では、肥満の治療を行っています。

この記事では、肥満外来の概要と受診前に知っておきたい基礎知識と注意点をお伝えします。

肥満外来ってどんなところ?

肥満のイメージ

「自己流のダイエットを続けてきたけど、ちっとも結果が出ない」
「ダイエットをするといつも体調を崩してしまう」
「自分だけでは食生活を改善するのが難しい」

もし一つでも思い当たることがあるのなら、一度肥満外来で医師のサポートを受けてみることをお勧めします。

肥満外来とは、専門の医師の指導に従って、健康的かつ安全に体質改善や減量を行うための診療科です。

医師や看護師、薬剤師といったプロの力を借りることで、自己流でダイエット行うよりも安全かつ確実に体重を減らして健康に一歩近づくことができます

肥満外来を受診すると、長期にわたって医師や専門スタッフと二人三脚で減量に取り組むことになります。

継続して治療を受けることで、ただ減量するだけではなく、肥満によって引き起こされる病気を防ぐことができるのです。

そもそも「肥満」とは?

では、そもそも「肥満」とは具体的にどんな状態のことをいうのでしょうか?

肥満かどうかは、外見や体重ではなくBMIという数値をもとに判断します。

BMIは体重(kg) ÷ {身長(m) X 身長(m)}で求めることができるので、一度計算してみましょう。

BMIは体重と身長から肥満度を求めた数値で、日本人の場合BMIが25以上で肥満と判断されます。

BMIが25以上になると生活習慣病のリスクが高くなるため、日ごろの食生活に気を配ったり、定期的に運動をしたりして、少しずつ体重を減らせるよう行動を起こすことが必要です。

肥満外来を受診するには

肥満外来は、内科や眼科、皮膚科などに比べるとまだまだ少なく、気軽に受診できる診療科ではありません。

しかし、近年徐々に肥満外来を標榜するクリニックなども増えてきているので、近くにないか探してみましょう。

肥満外来を受診する基準は以下のとおりです。

  • ・健康診断で肥満と診断され、「生活習慣を改善しましょうね」と言われた人
  • ・医師にメタボリックシンドロームの疑いがあると診断された人
  • ・生活習慣病を発症していて、自分だけでは思うように減量出来ない人
  • ・肥満が原因の睡眠時無呼吸症候群と診断された人
  • ・肥満が原因で腰や膝に負担が掛かっている人

病院によっては、事前の予約や紹介状が無いと受診できないこともあります。

受診する際は、一度受診したい病院に連絡し、受診できるかどうか確認するようにしましょう。

肥満外来で行われる主な治療法

お医者さんのイメージ

肥満外来と聞いて、あなたはどんな治療を思い浮かべますか?

中には一時期流行った「ブートキャンプ」のような厳しいトレーニングや激しい運動を思い浮かべている人もいるかもしれませんね。

しかし、肥満外来では基本的に厳しいトレーニングや激しい運動は行いません。

主に次の4つの方法で減量を目指します。

薬物療法

薬物治療では、食欲を抑える薬や脂肪の吸収を抑える薬などを使って治療を行います。

また、医師によっては漢方薬を処方することもあるので、その点は医師とよく相談しましょう。

いずれの薬も1日2日飲んだだけで減量が成功するものではありません。

長期にわたって服用する必要があるので、薬を飲んで体調が悪くなった時は我慢せずに医師に相談して、薬を変えてもらったり量を調整してもらったりしましょう。

食事療法

どんなに薬を飲んで運動をしていても、食生活が乱れていては意味がありません。

肥満外来では、一人ひとりの年齢や体調に合わせた食事の仕方を指導する「食事療法」も行います。

食事療法は、食事の量や内容を工夫して、1か月に0.5kgから1.5kgのペースでゆっくりと体重を減らしていく方法です。

「1か月頑張って痩せられるのはたった0.5kg!?」と思うかもしれませんが、リバウンドを防ぐにはゆっくり確実に体重を落としていく必要があります。

これまで自己流の食事制限を行って体調を崩してしまった人や、思うように減量ができなかった人、ドカ食いでリバウンドしてしまった経験がある人にはぜひ受けてほしい治療法です。

運動療法

あなたは普段、運動をしていますか?

普段からウォーキングやジョギングなどを行っている人は少ないのではないでしょうか?

肥満外来では、体に負担がかかりにくい有酸素運動をメインに運動を行います。

ブートキャンプのようなハードな運動ではないので、運動が苦手な人でも無理なく取り組めるのではないでしょうか。

また、筋肉や関節を痛めにくくするストレッチや、基礎代謝アップのカギとなる筋トレも併せて行い、より痩せやすく太りにくい体を目指します。

外科手術

最終手段として外科手術を行うこともあります。

薬物療法や食事療法、運動療法などを行ったけれど思うような結果が得られなかったり、今すぐにでも痩せないと命に関わる場合などは、手術で胃袋を小さくする手術を行うことがあるのです。

手術の実施可否や手術の種類は肥満外来ごとに異なるので、気になる場合は一度医師に相談してみましょう。

肥満外来を受診する際の注意点

保険のイメージ

肥満外来を受診する前に、一つだけチェックしておきたい点があります。

それは「保険が適用されるかどうか」です。

肥満外来での治療は、長期に及ぶことが少なくありません。

保険が適用されない場合だと、全額自己負担になってしまうため、受診するたびにそれなりの費用が掛かります

ただし、症状によっては保険が適用されることもあるので、まずは自分の症状が保険適用になるかどうかを医師に確認するようにしましょう。

保険が適用される可能性が高い条件

医師が「肥満外来で医師の指導の下肥満の治療を行うべき」と判断したときは、保険が適用されます。

医師が「治療が必要」と判断する基準は次のとおりです。

  • ・BMIが35以上で、高度の肥満と診断された人
  • ・高血圧や糖尿病、脂質異常といった生活習慣病を発症している人
  • ・肥満による睡眠時無呼吸症候群と診断された人
  • ・肥満が原因で関節が痛かったり、ケガをしたりしている人

もちろんここで挙げた条件に当てはまらなくても、医師が「治療が必要」と判断することもあります。

詳しくは主治医に確認してください。

自由診療でも見てもらえるの?

では、保険が適用されない場合は肥満外来の受診をあきらめなければならないのでしょうか?

結論からいうと、診察費や薬代が全額自己負担でも良いのであれば、肥満外来を受診することは可能です。

保険が適用されない自由診療の場合、病院によってかかる費用が異なります。

通える範囲に複数の肥満外来があるときは、いくつかの肥満外来で体質などの相談をして、費用や医師との相性も含めて継続して通うクリニックを決めるのがおすすめです。

なお、当然のことながら、継続して治療を行えば行うほど医療費もかさむので、全額自己負担で受診するかどうかは慎重に判断しましょう。

まとめ

「健康診断で”痩せましょう”と言われたけれど、一人でダイエットをするのは心もとない」
「いつも途中で挫折してリバウンドしてしまう」
「生活習慣病と診断されてしまった」

もし一つでも当てはまることがあるのなら、一度肥満外来を受診してみてはいかがでしょうか?

専門の医師に相談することで、どうすれば無理なく痩せられるのかがわかったり、生活習慣改善のポイントが見つかるかもしれません。

肥満は放っておくと生活習慣病の原因になるだけでなく、QOL(生活の質)も低下させます。

自分だけの力で減量を成功させるのが難しい時は、ぜひ一度専門家の力も借りてみましょう。

関連記事

Page Top