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「お腹ポッコリ」を改善すべき理由とは?内臓脂肪のリスクを徹底解説

脂肪には皮膚のすぐ下につく皮下脂肪と、内臓の周囲に蓄積される内臓脂肪があります。脂肪そのものは人体に必要なものですが、付きすぎると肥満の原因になるだけでなく、さまざまな疾患を引き起こすので、付きすぎには注意が必要です。
特に内臓脂肪は「メタボリックシンドローム」の原因として問題視されているので、検診などで引っかかった人は今日からでも内臓脂肪対策を始めましょう。
この記事では、内臓脂肪が付いてしまう原因と、具体的にどんなリスクがあるのかを詳しく解説します。

内臓脂肪は皮下脂肪とどう違う?

違いのイメージ

以前は「脂肪」といえば皮下脂肪を指し、肥満体型の人に多いとされてきました。

しかし、近年は体の中に付く内臓脂肪が注目されるようになっています。

あなたも一度は「隠れ肥満」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
隠れ肥満とは、見た目は痩せていても実際は内臓脂肪が多いタイプの肥満です。

内臓脂肪が増えると、様々な病気にかかるリスクが高くなるので、普段から内臓脂肪を溜めないような生活を心がけましょう。

では、皮下脂肪と内臓脂肪にはどのような違いがあるのでしょうか?

皮下脂肪とは

皮下脂肪は名前の通り皮膚の下につく脂肪のことです。

男性よりも女性に付きやすいとされ、体の熱を逃がさないようにしたり、外部の衝撃から体を守ったりするクッションのような働きがあります。

内臓脂肪とは

内臓脂肪は、腸の周辺や腸を覆っている腸間膜に蓄積される脂肪です。

男性や閉経後の女性に付きやすく、エネルギーが不足した時には真っ先に消費されるので、皮下脂肪より落としやすいという特徴があります。

しかし、内臓脂肪は落としやすい脂肪だからといって放っておいて良いものではありません。

皮下脂肪に比べて健康に悪い影響を及ぼすことが多いので、普段から内臓脂肪が付きすぎないように注意したり、付きすぎている場合はダイエットなどで減らすようにしましょう。

内臓脂肪が付いてしまう原因

内臓脂肪のイメージ

内臓脂肪の付きすぎを予防したり、付いてしまった内臓脂肪を落としたりするためには、内臓脂肪が付いてしまう原因を知っておくことが必要です。

主な原因は、4つあります。一つ一つ詳しく解説していくので、自分に思い当たることはないか、チェックしてみてくださいね。

原因その1 食べ過ぎや偏った食事

内臓脂肪に限らず、食べ過ぎは美容や健康全般に悪い影響を及ぼします。

特に脂っこい料理やジャンクフード、甘いものやスナック類の摂りすぎといった偏った食事は、内臓脂肪はもちろん生活習慣病の原因となるので注意しましょう。

原因その2 運動不足

あなたは、普段どれくらい運動していますか?
もし、ほとんど運動していないのなら、散歩からでも良いので体を動かすようにしましょう。

私たちの体は、消費するカロリーより摂取するカロリーが多いと、余分なエネルギーを脂肪に変えて蓄える仕組みになっています。

運動不足の人は、よく体を動かす人に比べて消費カロリーが少なくカロリーオーバーになりやすいので、同じ量の食事を食べていても体に脂肪が付きやすいのです。

また、人間は年齢とともに基礎代謝(生命維持や体の機能を保つために消費されるエネルギー)が低下します。

若いころと同じように食べていては太ってしまうので、年齢に合わせて食事の量と内容を変えていくようにしましょう。

原因その3 飲酒

「お酒はカロリーが低めだから、飲んでも大丈夫」
「リラックスやストレス解消のためにもお酒は有効」
「酒は百薬の長だから大丈夫!」

こんな意見はお酒好きの間でよく聞かれますよね。確かにアルコールには、適量であれば血管を広げて血流を良くしたり、体を温めたりする効果があります。

しかし、お酒の飲みすぎは肝臓に負担をかけるだけでなく、中性脂肪の作りすぎにも繋がるので注意が必要です。

中性脂肪の増えすぎは、内臓脂肪の原因になるだけでなく、高脂血症を引き起こす恐れもあります。

ビール日本酒など、小麦や米から作られるアルコールにはもともと糖質が比較的多く含まれています。

加えて、カロリーも日本酒1合(180ml)あたり約200kcal決して低いものではありません。

お酒を飲むときは、必ずおつまみも食べるので、選ぶおつまみによってはさらに内臓脂肪が付きやすくなってしまいます。

なお、お酒の「適量」は、アルコールに換算して男性で20g=日本酒1合くらいです。
女性はその半分が目安です。

「日本酒1合ぐらいなら飲んだうちに入らないよ」と思うかもしれませんが、毎日飲むのは止めましょう。

内臓脂肪の付きすぎを予防・改善するためにも、最低週2回は休肝日を作り、おつまみも脂っこいものは控えてください。

原因その4 不規則な生活習慣

あなたは、規則正しい生活を送っていますか?

食事の時間が決まっていない、睡眠時間が短いなど、生活が不規則な人は注意が必要です。

生活習慣が不規則な人は、規則的な生活習慣の人に比べてドカ食いや早食いをしやすく、食事の内容も偏ったものになりがちです。

そこに睡眠不足も加わると、あっという間に内臓脂肪が増えてしまいます。

睡眠不足になると、食欲を増進させるグレリンオレキシンといったホルモンの分泌が促されるため、食べ過ぎに繋がりやすいからです。

また、寝る直前まで食べ物を食べていると、食べたものの消化やエネルギーの消費が追い付かず、脂肪として蓄積されるリスクが高くなります。

内臓脂肪のことを考えるのであれば、最低でも寝る3時間前までに食事を済ませるようにしましょう。

内臓脂肪が引き起こす危険な症状

危険なイメージ

内臓脂肪が引き起こす症状を総称して「メタボリックシンドローム」といいます。

そのメタボリックシンドロームの診断基準となるのが高血糖・高血圧・脂質異常です。内臓脂肪がどのように作用して、どんな症状が起こってくるのかを順に解説します。また、進行すると起こりうるリスク「動脈硬化」についても知っておきましょう。

高血糖

高血糖は脂肪細胞から分泌されるホルモンによって、血糖値を下げるインスリンの危機が悪くなり、血液中の糖分濃度が高くなることで起こります。

初期であれば適度な運動や食生活の見直しなどで改善できますが、血糖値が高いまま下がらなくなる「慢性高血糖」になってしまうと糖尿病の一歩手前です。

糖尿病になると、生活の質が著しく低下するだけでなく、様々な合併症の危険も出てきます。

  • ・尿の回数が増える
  • ・空腹感や喉の渇きが頻繁になる
  • ・疲労感が強くなる

こうした症状が思い当たる場合は、病院を受診して検査を受けるようにしましょう。

最近では、薬局の店頭で血糖値が測れるところもあります。

高血圧

内臓脂肪の脂肪細胞から出る「アンジオテンシノーゲン」が増えることで、血管が過度に収縮して血圧が高くなります。

血圧が高くなると、心臓に大きな負担がかかるようになるだけでなく、血管やその他の臓器にも傷つきやすくなります。

動悸や息切れ、異常な発汗や頭痛などが見られた場合は、一度病院を受診しましょう。

脂質異常

内臓脂肪が増えすぎると、、HDLコレステロール(善玉コレステロールとも呼ばれる)が低下し、中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールが上昇する脂質異常が起こります。

脂質異常は動脈硬化の最大の原因とされています。

動脈硬化になると、心筋梗塞や脳梗塞が起こりやすくなるので注意が必要です。

内臓脂肪をチェックする方法は?

内臓脂肪チェックのイメージ

内臓脂肪は自分で直接触れて確認することができません。どれだけ内臓脂肪が付いているかを正確に知るためには、病院でCTスキャンなどを受ける必要があります。

しかし、自宅で簡単にチェックする方法もあります。

次のチェックリストで当てはまることがあったら、内臓脂肪が付き始めている可能性が高いです。

食事の改善や運動などを心がけ、内臓脂肪を減らす工夫をしましょう。

~内臓脂肪チェックリスト~

  • ・腹囲(へそを中心とした腹回り)が男性で85センチ、女性で90センチを超える
  • ・お腹が張っていてつまめない
  • ・運動の習慣がない
  • ・炭水化物や甘いものが好きでよく食べる
  • ・揚げ物など脂っこいものが好き
  • ・野菜はあまり食べない
  • ・いつも満腹になるまで食べる
  • ・生活が不規則
  • ・睡眠時間が短い
  • ・食べてすぐ寝ることが多い
  • ・飲酒や喫煙の習慣がある

内臓脂肪はダイエットで早めの対策を!

「近頃お腹が急に出てきた……」という人や、セルフチェックで当てはまることが多かった人は、内臓脂肪が増えてきているかもしれません。

健康診断で高血糖や高血圧、脂質異常を指摘された人も、内臓脂肪が付いている可能性大でしょう。

しかし、内臓脂肪は比較的簡単に落とせる脂肪です。食事の内容を見直したり、適度な運動を取り入れたりして、内臓脂肪を減らす工夫をしましょう。

将来の健康な体のためには、ダイエットで早めに対策することが大切です。

満腹になるまで食べないようにするなど、今日できることから始めてみてくださいね。

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