偏った食生活になっていませんか?
「栄養バランスの良い食事」が理想的とわかっていても、忙しさや手軽さからついファストフードや丼物に手が伸びていませんか?
あるいは、頑張った自分へのご褒美に……と、甘いものやアルコールをたくさん摂取していませんか?
このような偏った食生活は、空腹やストレスを解消するのには確かに有効です。しかし、このような食生活が続けば、あっという間に太ってしまいます。
ダイエットの基本は、適切な食事です。
ハードな運動を始めるよりも、まずは普段の食生活を見直してみましょう。
極端な食事制限はNG!
運動の苦手な人ほど、極端な食事制限を行いがちです。
あなたは、食事を極端に減らしたり、食べるものの種類を極端に制限したりしていませんか?
しかし、極端な食事制限を伴うダイエットは、栄養不足から体を壊しやすい危険な方法です。
一時的に体重は減りますが、その後普通の食事に戻した途端、リバウンドしてダイエット前より体重が増えてしまうことも珍しくありません。
ダイエットは、ただ体重を減らすのではなく、健康的に痩せることが大前提です。健康的に痩せるためにも、適度な運動を行うとともに毎日の食生活を見直して、食べるものを工夫してみましょう。
ダイエット中の食事を考えるポイント
では、「栄養バランスの良い食事」とはどのようなものなのでしょうか?
いきなり「食事を見直す」「栄養を考えて」と言われても、どうすれば良いかわかりませんよね。
ダイエット中は次の4つのポイントに気を付けて食事を作ってみましょう。
高タンパク・低脂質・低カロリーを心がける
ダイエット中であっても、タンパク質は積極的に摂りたい栄養素です。タンパク質は、私たちの体を作るのに欠かせないだけでなく、肌や髪にツヤも与えてくれます。
一方で、脂肪は控えめにしましょう。脂肪の摂りすぎは肥満だけでなく生活習慣病の原因になるからです。
ダイエット中は、「高タンパク・低脂肪・低カロリー」の食事を基本にしてください。
野菜はたっぷり、果物はほどほどに
野菜はできるだけたくさん摂るようにしましょう。
野菜に含まれるビタミンの中には、油と一緒に摂取することで吸収率が高まるものもあるので、オリーブオイルやえごま油など体に良い油を使ったドレッシングと合わせて食べましょう。
農林水産省では、1日当たりの野菜の摂取目安量を350gとしています。
生のまま食べるとなるとかなりの量になりますが、熱を加えることでかさが減り、食べやすくなりますよ。
ダイエット中は、野菜だけでなく果物も適度に摂りましょう。1日の摂取目安量は200g程度です。
バナナなら2本、みかんなら2個、りんごなら1個を目安にしましょう。
果物には、ダイエット中に不足しがちなビタミン類や食物繊維が豊富に含まれています。
また、適度な甘さもあるので、ダイエット中甘いものが食べたくなった時にもおすすめです。
ただし、食べすぎにはくれぐれも注意しましょう。果物には果糖が多く含まれているので、一度にたくさん食べることは控えてください。
炭水化物は控えめに
米飯やパン、麺類などの炭水化物は、人間の体に不可欠な三大栄養素の一つです。
しかし、食べすぎると生活習慣病の原因になります。
一切炭水化物を食べないというのは問題ですが、ダイエット中は少し量を控えめにしましょう。
ごはんの場合は、雑穀米にしたり玄米にしたりするのがおすすめです。
焼く・蒸すなどヘルシーな調理法で
ダイエット中は、食材の調理方法にも気を配りましょう。揚げる・炒めるといった調理法は油をたくさん使うので、できるだけ避けてください。
おすすめは、焼く・蒸すなど油を使わない調理法です。
特に肉や魚はグリルで余分な脂を落としながら焼くことで、ヘルシーに味わうことができます。
ダイエット中、積極的に摂りたい栄養素
それでは、ダイエット中に積極的に摂りたい栄養素をご紹介しましょう。
ダイエット中不足しやすい栄養素は、意識的に補うようにしてくださいね。
タンパク質
タンパク質は皮膚や筋肉、臓器、軟骨の他、爪や髪の毛など、人間の体を作るのに欠かせない栄養素です。
不足すると筋力が低下しやすくなり、太りやすく痩せにくい体になってしまいます。
タンパク質には動物性と植物性があるので、どちらもバランスよく摂るようにしましょう。
タンパク質は
- ・肉類
- ・魚介類
- ・卵
- ・乳製品
- ・豆腐、納豆など大豆製品
- ・落花生などの豆類
に豊富に含まれています。
カルシウム
カルシウムには、骨や歯を作る以外に、体液をアルカリ性に保って免疫機能を助けたり、緊張や興奮を緩和して落ち着かせたりする働きがあります。
カルシウムが不足すると、将来的に骨粗鬆症や骨軟化症といった病気になりかねないので、普段からカルシウム不足には注意しましょう。
カルシウムは
- ・牛乳、チーズなど乳製品
- ・しらす、サクラエビなど小魚類
- ・モロヘイヤ、パセリ、大根の葉などの葉物野菜
に豊富に含まれています。
ビタミンCやマグネシウム、タンパク質と一緒に摂るとさらに吸収率がアップするのでおすすめです。
カリウム
カリウムはミネラルの一種で、一時的に高くなった血圧を下げたり、水分を保持したりする働きがあります。
普通の食事をしていれば不足することはありませんが、極端な食事制限をしている場合は注意が必要です。
カリウムが不足すると、倦怠感や筋力の低下などの症状が現れることがあります。
カリウムは
- ・柿、スイカ、メロンなどの果物
- ・コンブ、ひじきなど海藻類
- ・サトイモ、サツマイモなどイモ類
に多く含まれています。
ビタミンB群
ビタミンB群は、代謝やエネルギーの産生、健康維持など、私たちの体に必要不可欠な栄養素です。
ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸の8つがあり、お互いの作用を高める性質があるので、併せて摂取するようにしましょう。
ビタミンB群は現代人に不足しやすく、ダイエット中でなくても積極的に摂取するべきとされています。
不足すると疲労やイライラ、めまいといった症状の他、肝機能低下や肌荒れ、貧血などが起こりやすくなるので、意識して摂取するようにしてください。
ビタミンB群は
- ・豚肉
- ・牛や豚、鶏のレバー
- ・サンマ、カツオなどの青魚
- ・うなぎ
などに多く含まれています。
毎日食べ続けるのは難しい食材もあるので、サプリメントなどを賢く活用しながらしっかりと補ってください。
鉄
鉄は、酸素を体の隅々まで運ぶヘモグロビンを作るのに不可欠なミネラルです。
鉄が不足すると鉄欠乏性貧血になるだけでなく、酸素が足りなくなることで頭痛や動悸、息切れや疲労感が起こりやすくなります。
鉄は
- ・牛、豚、鶏レバー
- ・あさり、シジミなど貝類
- ・ひじき、あおのりなど海藻類
に多く含まれています。
亜鉛
亜鉛は免疫力を高め、新陳代謝を促進する働きがある重要なミネラルの一つです。
しかし、体内で作り出すことができず、体の中に貯めておくこともできません。
亜鉛が不足すると、皮膚の異常や味覚障害、免疫力の低下といった症状が現れやすくなります。
ダイエット中は食事からしっかり摂取するだけでなく、サプリメントなども活用しながらしっかりと補うようにしましょう。
亜鉛は
- ・豚レバー
- ・牛、鶏もも肉
- ・牡蠣
などに豊富に含まれています。
理想の食事は一汁三菜の和食
ダイエットの基本は、食事の見直しです。今回ご紹介したポイントを押さえた献立を考えて、毎日の食事にとり入れましょう。
理想の献立は、栄養バランスが整えやすくヘルシーな「一汁三菜の和食」とされています。
野菜をたっぷり使ったおかずをメインに、きのこや海藻、野菜をたっぷりいれた味噌汁を組み合わせれば、ヘルシーでありながら満足度の高い食事になりますよ。
自己流のダイエットは、栄養不足なりやすいものです。
ぜひ毎日の食事を工夫して、健康的にダイエットを進めていきましょう。