そもそもリバウンドって何?
ダイエットをしている人なら一度は「リバウンド」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
リバウンドとは、「ダイエットを止めた後に、ダイエット前よりも体重が増えてしまう現象」のことをいいます。
ダイエットをしている人の約60%がリバウンドを経験しているともいわれており、ダイエットとリバウンドは切っても切れない関係です。
しかし、ダイエットとリバウンドを繰り返すのは体に良くありません。
というのも、ダイエットをリバウンドを繰り返していると、徐々に太りやすく痩せにくい体になってしまうからなんです。
リバウンドの目安は?
では、どれくらい体重が戻ったらリバウンドといえるのでしょうか?
実は、「〇kg以上増えたらリバウンド」という定義はありません。
しかし、ダイエットを始めた時よりも体重が増えてしまったり、短期間に3kg以上体重が増えたりした場合は要注意です。
どうしてリバウンドしてしまうの?
では、どうしてリバウンドしてしまうのでしょうか?
リバウンドの原因には、単純な食べ過ぎや運動不足以外にも、いくつかの原因があります。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
理由その1:体が元に戻ろうとするから
私たちは、体温をはじめとした体の状態が一定でないと、生きていくことが難しいといわれています。
汗をかいて体温調節をしたりするのも、体温を一定に保つための仕組みです。
このような「体の状態を一定に保とうとする働き」をホメオスタシスといいます。
ホメオスタシスとダイエットは切っても切れない関係です。
というのも、1ヶ月のうちに体重の5%が減ると、「体の状態を一定に保たなければ!」とホメオスタシスが発動してしまうのです。
食事から摂取するエネルギーが少ない状態が続いたので、体が「このままでは飢え死にしてしまう!」と危機感を感じて、体を「省エネモード」に切り替えるのです。
ダイエットの理屈はシンプルです。摂取カロリーを消費カロリーが上回れば痩せることができます。
そのためには摂取カロリーを少なくすれば良いのですが、摂取カロリーを少なくしすぎると体が「飢え死にしてしまう!」と判断して消費カロリーを抑えてしまうのです。
すると、体重が落ちにくくなってしまいます。停滞期の始まりです。
停滞期は、個人差はありますが、1か月程度続くといわれています。
摂取するエネルギーの少ない状態に体が慣れるまでには、1か月程度かかるからです。
しかし、中には体重が減らないことにショックを受けて、途中でダイエットを止めてしまう人がいます。
すると、省エネモードの体にたくさんのエネルギーが入ってくるため、おのずと消費カロリーを摂取カロリーが上回る状態になってしまうのです。
消費しきれなかったカロリーは、脂肪となって体に蓄えられます。
結果としてダイエット前よりも体重が増える「リバウンド」が起きてしまうのです。
レプチンが少なくなってしまうから
リバウンドの原因には、もう一つ「レプチンの減少」があります。
レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンです。脳に信号を送って、満腹感を感じさせてくれます。
レプチンがしっかり働いていると、ある程度食べれば「もう食べなくていいよ。満腹だよ」というメッセージがレプチンから脳に届きます。
満腹感が得られれば、私たちはそこで食事をストップします。
また、レプチンには、カロリーの消費を助ける交感神経の働きを活発にする作用もあるので、食べ過ぎを抑え、カロリーの消費を助けてくれます。
レプチンは、食事をすることで分泌されるホルモンです。
そのため、極端な食事制限を行うと、レプチンが分泌されにくくなります。
レプチンの分泌が減ると、たくさん食べても満腹感が得られず、カロリーの消費も少なくなるため、ついつい食べ過ぎてしまうというわけです。
特に、ダイエットを止めていきなり元の食事の量に戻すのはリバウンドの危険を高めます。
レプチンが少なくなっている状態でお腹いっぱい食べると、なかなか満腹感が得られないだけでなく、カロリーを消費しきれないからです。
リバウンドを防ぐにはどうすれば良いの?
では、どうすればリバウンドを防ぐことができるのでしょうか?
リバウンドを防ぐには4つのポイントがあります。
一つ一つを詳しく見ていきましょう。
ホメオスタシス対策をしよう!
私たちの体は、1か月の間に体重の5%を失うとホメオスタシスが働くようにできています。
体重70kgの人であれば、1か月の間に2.5kg痩せるとホメオスタシスが発動する計算です。
ホメオスタシスを働かせないためには、ゆっくりとダイエットを行うようにしましょう。
1か月に落とす体重の目安は、現在の体重の5%以内を心がけてください。
もし短期間でしっかりと体重を落としたい場合は、ダイエットを成功させた後の食事に気を配りましょう。
短期間で体重を落とすと、やはりホメオスタシスが働きます。
ホメオスタシスは1か月程度続くので、「目標体重まで落とせた!好きなものを食べるぞ!」と好き放題に食べると、一気に食べ過ぎ・カロリーの摂り過ぎにつながります。
目標体重になった後も、1か月程度はダイエット中と同じ食事を続けましょう。
レプチン対策をしよう!
レプチンの分泌が少なくなると、満腹感を感じにくく、カロリーを消費しにくい体になってしまいます。
この状態もまた、ホメオスタシスと同じように1か月程度続くといわれているので、注意しましょう。
レプチンの分泌が少なくなっているときは、食事の量を減らすだけでなく、食事の仕方にも工夫が必要です。
私たちが満腹感を感じるまでには、食事を始めてから20分程度かかるとされています。
適度な量で満腹感を得るためにも、最低20分は食事の時間を取るようにしましょう。
また、よく噛んで食べることも大切です。よく噛んで食べると、満腹感を得やすくなります。
筋肉を付けよう!
皆さんは、ダイエット中に筋トレをしていますか?
女性の中には「筋肉が付くとボディラインがキレイにならない!」と筋トレを避けている人も多いのではないでしょうか。
しかし、筋トレをすることはリバウンドを防ぐのに非常に効果があります。
筋トレをして筋肉が増えると、何もせず寝転がっているだけでも消費されるカロリー「基礎代謝」の量がアップします。
基礎代謝は、私たちが1日に消費するエネルギーの70%を占めるともいわれているので、基礎代謝をアップさせることはダイエットの成功には必要不可欠です。
筋トレを行って筋肉を付けながらダイエットをすれば、基礎代謝量が上がり痩せやすく太りにくい、リバウンドしにくい体を手に入れることができます。
食事を工夫しよう!
皆さんは、普段どんな食事を食べていますか?
ダイエット中だからといってゼロカロリーのものや、野菜ばかりを食べていたりしませんか?
リバウンドしにくいダイエットには、バランスの良い食事が欠かせません。
脂質や糖質は控えめにして、食物繊維やビタミン、たんぱく質をたっぷりと摂るようにしましょう。
特にたんぱく質は筋肉を付けるために必要です。
低脂肪・高たんぱく質の食材をメインに献立を考えてみてください。
低脂肪・高たんぱく質の食材には、次のようなものがあります。
- ・豆乳
- ・木綿豆腐
- ・ツナ(水煮缶が望ましい)
- ・鶏もも肉
- ・鶏むね肉(皮を取り除いたもの)
- ・卵
植物性たんぱく質と動物性たんぱく質を組み合わせることで、さらに筋肉がつきやすくなるので、ぜひ「豆腐ハンバーグ」や「ツナの豆乳クリームパスタ」など自分が食べやすいメニューを考えてみてください。
リバウンドを抑えて痩せやすい体に
できれば避けたいリバウンドですが、リバウンドの背景には私たちの体を守るための本能が大きく関係しています。
リバウンドは避けるに越したことはないですが、あまり神経質になり過ぎず、無理のないペースで健康的なダイエットを続けましょう。