良い食習慣の積み重ねが、抜け毛予防に!
毎日の習慣は、段々と積み重なって、頭皮も含めた体の健康に、良くも悪くも影響してきます。
現在、髪が薄くなっていない人も、毎日の食生活が将来の抜け毛につながってしまうかも知れません。
ぜひ抜け毛を防ぐための基本的な栄養バランスについて、考え方を押さえておきましょう。
メニューのバランスを意識しよう
抜け毛にならないための食生活と聞いて、皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか?
抜け毛予防のためには、髪の栄養になりそうなものをたくさん摂取すれば良い、と思ってしまいがちです。
しかし、まず始めに意識しておきたいのは、抜け毛予防に限らず、健康な食生活においては質、量ともにバランスが大事、ということです。
もちろん、栄養が不足するのは良くありません。しかし現代では、栄養を摂り過ぎている人も多くなっています。
いくら髪のために良いものでも、食べ過ぎは抜け毛を予防する上で逆効果になってしまいますので注意が必要です。
特に食べ過ぎに注意したいのは、寝る前の時間帯です。寝る前に食べ過ぎると、寝ている間消化にエネルギーを取られてしまうことで、成長ホルモンの分泌が妨げられてしまいます。結果として健やかな髪が成長しにくくなってしまうのです。
また、髪を育てるために良いと言われている栄養素だけに偏った食生活も逆効果になってしまうことがあります。
例えば、タンパク質は髪を作るために欠かせない栄養素ですが、タンパク質は消化が難しい食べ物のため、健康のためには、あまり多くの量を取ることは望ましくありません。
また、髪や頭皮にあまり良くないとされているものも、全く取らないでいると食事のバランスが悪くなってしまいます。
例えば脂質は頭皮の皮脂が過剰になるため摂り過ぎに注意したほうがよいものですが、逆に不足しても頭皮の環境が悪くなってしまいます。
脂質などの取り過ぎに注意したい食べ物も、最低限の必要量は下回らないように注意しましょう。
髪のために積極的に取りたい栄養
食生活を考える上で、それぞれの栄養のバランスは大事です。様々な栄養素を、バランス良く適度に取った方が良いのですが、その中でも抜け毛を防ぐために意識して取っていきたい栄養があります。
抜け毛を防ぐために取るべき栄養素は、まず髪の毛を作る主な成分であるタンパク質です。
タンパク質は、取り過ぎることにも注意が必要ですが、健康を維持するのには必要な栄養素です。
特にご飯やパンなどの主食に偏った食生活をしている人は、タンパク質が不足している可能性があります。その結果として健やかな髪を作ることができなくなって、抜け毛や薄毛に悩まされている場合が少なくありません。
また、代謝を助けて頭皮環境を正常にしてくれるビタミンA、B、Eや、タンパク質が髪を作ることを助けるミネラル類(中でも特に亜鉛)も、不足しないように意識したい栄養素です。
取り過ぎに注意したいもの
では、取り過ぎに注意したい栄養素にはどのようなものがあるのでしょうか?
抜け毛を防ぐ上で取り過ぎに注意したいのは、脂質です。
脂質を取り過ぎると、頭皮の皮脂が過剰に分泌されます。頭皮の皮脂が過剰になることは、毛穴をつまらせて抜け毛につながってしまうのです。
また、血液の循環を悪くする食べ物は、髪にとって良くありません。肉の脂身やお酒などに含まれる悪玉コレステロールの取り過ぎは、血行不良を招いてしまいます。
血行が悪くなることで頭皮や髪まで栄養が行き渡らなくなってしまうので、髪の成長に悪い影響があるのです。
また、冷たい飲み物や、アイスなど体を冷やす食べ物も取り過ぎないようにしましょう。
さらに、糖質の取り過ぎにも注意が必要です。
糖質は、タンパク質を劣化させる糖化反応を促進させます。体の糖化は、髪だけでなく肌をはじめ全身の老化の主な原因といわれているので、健康のためにも糖質の摂り過ぎには注意しましょう。
特に炭水化物に偏った食事を毎日続けていると、糖化もそれだけ進んでしまいます。エネルギーが不足しないよう十分気を使いつつ、適度な糖質制限を意識することも抜け毛予防には効果的と言えます。
抜け毛を防ぐために効果的な食べ物は?
ここからは、抜け毛を防ぐために良いとされている栄養を含んだ、おすすめの食べ物をご紹介します。
抜け毛予防のために良いとされる栄養は、それだけを集中して取るよりも、他の栄養とバランスよく組み合わせる方が、結果として良い効果が得られます。
ここでは、普段のメニューに取り入れやすい食べ物を中心にご紹介しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
大豆
髪を作るために必要な栄養素に、タンパク質があります。
大豆には、タンパク質が豊富に含まれています。
手ごろな価格で購入でき、料理の際のアレンジもしやすいので、毎日の献立に積極的に取り入れたい食材です。
大豆にはタンパク質の他にも、髪への良い効果が期待できる栄養が豊富です。
中でも大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをすることから、男性ホルモンが過剰になることを抑え、抜け毛を予防する効果が大きいと言われています。
さらに大豆には、抜け毛予防に必要な、ビタミンB、Eや、亜鉛などのミネラルも含まれています。
毎日食べるのであれば、納豆や豆腐といった大豆製品がおすすめです。
人参
人参は、どこでもお安く手に入る野菜ですが、実は抜け毛を防ぐ上でとても効果が期待できる野菜です。
人参はビタミン類が豊富な緑黄色野菜で、ビタミンの中でも特にβカロテンを豊富に含んでいます。βカロテンには抗酸化作用があり、アンチエイジング効果も大きく、加齢とともに増えやすい抜け毛の進行も遅らせることが期待できます。
人参以外にも、緑黄色野菜を積極的に取っていくのは、髪のためには良いことです。
ただしビタミン類は加熱に弱いので、生の野菜ジュースを作って飲むなど、工夫して取り入れていくようにしましょう。
牡蠣
亜鉛は、タンパク質の生成を助ける働きがあり、髪を育てるためには大変良いとされているミネラルです。
皆さんは普段どんなことに気を付けて食事をしていますか?中には肉や魚、乳製品といった動物性の食品をなるべく避けて、穀物や野菜を中心に食べているという方も多いでしょう。
そのような食生活では、亜鉛の摂取量は自然と少なくなりがちです。
牡蠣は他の食材と比べ、亜鉛を豊富に含んでいます。
牡蠣が苦手な人は、卵黄や牛肉、鶏のレバーなどからも補うことができるので積極的に食べるようにしましょう。
イワシ
イワシは、髪をつくる成分のタンパク質だけでなく、抜け毛予防を含めたアンチエイジング効果があるとされる成分を多く含んでいます。
その中でも特に注目したいのは、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)といった脂肪酸です。
これらの脂肪酸は、血中のコレステロールを減らして、血液をサラサラにし、血行を良くしてくれる成分です。血行が良くなることで、血液がスムーズに髪に栄養を運ぶことができるようになります。
イワシも手に入れやすく、なじみ深い魚です。塩焼きやフライ、煮魚などにして食べましょう。生魚を調理するのが面倒な時は、スナック感覚で煮干しを食べても良いでしょう。
アーモンド
脂質の多い食べ物を取り過ぎて、頭皮の皮脂が過剰になってしまうと、毛穴をつまらせることから髪のために良くありません。しかし、極端に脂質を避けることも逆効果になってしまいます。
頭皮の環境を良好にするために好ましいのは、良質の脂質を適度に取ることです。
アーモンドなどのナッツ類に含まれる不飽和脂肪酸は、皮膚に栄養を与える良質な油とされており、適量を取っていくことは抜け毛を防ぐ効果が期待できます。
その他にもアーモンドはビタミンEや亜鉛も含んでいますので、髪への栄養は豊富と言えます。ただしアーモンドの栄養の半分以上が脂質ですので、取り過ぎには注意して下さい。
髪のために良い食べ物を意識しつつ、バランスも大事に
抜け毛を防ぐには、食、睡眠、運動、ストレスへの対処といった、健康のためのトータルな対処が大事です。
その中でも食習慣は、健康を維持するための基本ですので、髪の状態への影響もとても大きなものになります。
食習慣は毎日積み重ねるものですから、直接抜け毛のために良い食べ物を集中して取るだけというより、健康を維持するために必要な栄養をバランスよく取ることを心がけましょう。
糖質や脂質の摂り過ぎに気を付け、献立の中に緑黄色野菜とタンパク質も適度に取り入れるなど、バランスのとれたメニューが理想です。
また、バランスのとれたメニューに加えて、特に抜け毛を防ぐのに効果的な食べ物で不足氏がちな栄養素を補っていくようにしましょう。