チョコレートは栄養たっぷり!?
チョコレートは甘くて子どもも大人も大好きなお菓子ですが、一方で虫歯や肥満、ニキビの原因になるというイメージも強いですよね。
しかし、元々チョコレートは薬として用いられていたほど、健康に良いと考えられてきた食品なのです。
古代アステカやマヤでは、チョコレートの原料のカカオが貨幣として扱われていたという記録もあり、大昔からチョコレートは貴重な薬として存在していたことが判明しています。
チョコレートは肥満の原因になる説は間違い?
市販の板チョコは1枚70グラムあたり、およそ390キロカロリーです。
高カロリーですが、甘いものが好きな人なら板チョコ1枚くらいであればペロリと食べてしまいますよね。
しかし、間食にチョコレートをたくさん食べて、さらに三食しっかり食べれば、総摂取カロリーが多くなり、太りやすくなってしまいます。
また、ミルクチョコレートやビターチョコレートなど、乳脂肪分や砂糖を加えて加工したチョコレートは、およそ8割が脂質と糖質で構成されているため、たくさん食べると脂肪の摂りすぎ・糖分の摂りすぎになってしまうので注意が必要です。
こんなことを書くと「やっぱりチョコレートは肥満の原因になるんじゃないか」と思われるかもしれませんが、チョコレートが肥満の原因になるのは、あくまでも「チョコレートを食べ過ぎた上に、食事量を調整しなかった場合」です。
チョコレートそのものは、高カロリーではありますが、食べる量を工夫すれば、空腹感を防いで血糖値の急上昇を抑えたり、原料のカカオに含まれる豊富な栄養がダイエットをサポートしたりしてくれます。
チョコレートの原料であるカカオには、食物繊維やポリフェノール、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれています。
そのため、ダイエット中は食事制限から栄養が偏りがちになりますが、チョコレートを上手に利用することで、ダイエット中に不足しがちな栄養素を補うことができるのです。
また、甘いものが好きな人であれば、「甘いものが食べられない」というストレスも和らげることにもつながります。
チョコレートは肥満の原因になると思われがちですが、食べる量や種類、タイミングを工夫すれば、ダイエットの頼もしい味方になってくれる食品といえるでしょう。
チョコレートをダイエットに活かす方法
チョコレートをダイエットに活かすのであれば、「チョコレートダイエット」がおすすめです。
チョコレートダイエットでは、朝昼晩の食前20分前または間食にチョコレートを食べます。
食前にチョコレートを食べることで、空腹感が和らぎ、食べ過ぎを防ぐことができるのです。
- ・つい食事を食べ過ぎてしまう
- ・仕事で夕食が遅くなりがち
- ・小腹が空いて間食がやめられない
という人は、ぜひ一度チョコレートダイエットを試してみましょう。
なお、1日に食べるチョコレートの量は50グラム~70グラムに留めてください。
意外と少なく感じられるかもしれませんが、チョコレートは高カロリーなので食べ過ぎるとかえって太ってしまう恐れがあります。
間食にチョコレートを食べる場合は、チョコレートの量を減らし、高タンパク・低カロリーな食材と合わせて食べるようにしましょう。
高タンパクの食品と合わせて食べると、少しの量でも満腹感が得やすくなるだけでなく、腹持ちも良くなります。
特におすすめの食品は、食べきりサイズのヨーグルトやチーズです。
ダイエットに良いチョコレートの栄養素
チョコレートに含まれる栄養素の中でも、特にカカオ由来の栄養素は健康に良いといわれており、カカオポリフェノールは動脈硬化など生活習慣病を防ぐ効果も期待されています。
また、カカオに含まれる脂肪分は吸収されにくく、体に付きにくいともいわれています。
”「チョコレートは肥満の大敵では?」と心配される方がよくいますが、カカオ豆に含まれるカカオバターの脂肪分は吸収率が低く、体脂肪になりくいことが実証されています。しかもチョコレートは少量でも高い満足感が得られるため、脂肪分の多いケーキなどを食べるより、むしろ肥満の抑制になるといえるでしょう。
必要以上に食べるのでない限り、チョコレートに含まれている抗酸化物質を摂るほうが身体の老化防止によいという説もあります。”
では、チョコレートに含まれるダイエットに大きな影響を与える栄養素について、詳しく解説しましょう。
リグニン
リグニンは、カカオに含まれる食物繊維の一種で、糖の吸収を緩やかにして、血糖値が急激に上昇するのを防ぐ栄養素です。
血液中に含まれる糖分の量(血糖値)が急に高くなると、代謝されなかった糖が脂肪として体に溜め込まれてしまいます。
また、血糖値が急に下がって空腹感を感じたり、ダイエットと血糖値の関係は切っても切れません。
リグニンは、血糖値の急上昇・急降下を防いでくれるため、体に脂肪を付きにくくするだけでなく、空腹感を和らげてくれるのです。
また、リグニンには、食物繊維として腸内環境を整える働きもあります。
便秘を改善するだけでなく、善玉菌を増やして腸内細菌のバランスを整えてくれるので、おなかの調子が改善し、エネルギーがスムーズに消費されるようにななって、代謝がアップします。
カカオプロテイン
チョコレートによる腸内環境の改善には、リグニンだけではなくカカオプロテインという栄養素も関係しています。
カカオプロテインはタンパク質の一種で、便のかさを増やして便の通りを良くしてくれます。
また、腸内で善玉菌のエサになり、善玉菌の増加をサポートします。
テオブロミン
ダイエット中は食事制限でストレスが溜まることが多いですよね。 ストレスはドカ食いに走る原因にもなるので、ダイエット中は食事の見直しと運動だけでなく、ストレス対策も大切です。
ストレス解消の方法には様々なものがありますが、チョコレートは食べるだけで手軽にストレス対策ができるんですよ。
チョコレートに含まれるテオブロミンには、血流を促し、神経を落ち着かせてストレスを和らげる働きがあります。
カカオポリフェノール
植物性の食品に多く含まれるポリフェノールですが、カカオに含まれるカカオポリフェノールは特に強力な抗酸化作用を持つことで有名です。
カカオポリフェノールは、抗酸化作用だけでなく代謝アップにも役立ちます。
ポリフェノールの作用で血管が広がり、血流がスムーズになることで、代謝がアップし体の内側から痩せやすい環境が整うのです。
また、脂肪の蓄積を防ぐ働きもあることが分かっています。
”肥満は摂取したエネルギーが運動などで消費されるエネルギーを上回ることにより生じます。チョコレートが特に肥満に関係するものではなく、むしろチョコレートの脂肪は吸収されにくいのでカロリーの計算値より低いとの報告もあります。
チョコレートの成分であるカカオポリフェノールには、肥満すなわち脂肪蓄積を抑える効果が報告されていますから、チョコレートは、同量の油脂を含む他の食品に比べると太りにくいと考えられます。”
さらにカカオポリフェノールは、体内に発生する活性酸素によるコレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化を予防する効果も期待されています。
ダイエット向けのチョコレートの選び方
チョコレートダイエットでは、どのチョコレートを食べてもダイエット効果が期待できるのでしょうか?
チョコレートダイエットの効果を高めるためには、ダイエットに適したチョコレートを選ぶ必要があります。
ダイエット中に選ぶべきチョコレートは?
チョコレートには色々な種類がありますが、大きく分けると3つの種類に分けられます。
- ・ミルクチョコレート
- ・ビターチョコレート
- ・高カカオチョコレート
ミルクチョコレートとビターチョコレートは特に乳脂肪分が多いため、ダイエット中は控えるか、食べても1日一欠片程度に抑えましょう。
また、白くてミルキーな味わいのホワイトチョコレートは、カカオの成分が含まれていないのでダイエットには不向きです。
ダイエット中に食べるチョコレートは、カカオの成分が豊富に含まれた「高カカオチョコレート」を選ぶようにしましょう。
高カカオチョコレートは無理なく食べられるものを選ぶ
高カカオチョコレートとは、カカオの含有量が70%を超えるチョコレートです。
高カカオチョコレートはカカオ含有量70%〜90%のものが市販されていますが、カカオの量が多ければ多いほど良いというわけではありません。
カカオは多いほど苦味が増します。そのため、カカオ含有量が高いチョコレートは甘さがなく、苦いだけで食べにくいのです。
苦味が平気な人であれば、含有量が高いチョコレートでも大丈夫でしょう。
苦いものが苦手な人や、普段あまり苦いものを食べない人は、70%程度の高カカオチョコレートから食べ始めてみてください。
70%の高カカオチョコレートであれば、程よく甘さも感じられるので食べやすいですよ。
苦手なものは、どんなに健康に良いものでも続けることは難しいですよね?
チョコレートダイエットを続けていくには、自分が美味しいと思えるチョコレートを見つけることが大切です。
ダイエット中の甘い誘惑はチョコレートで防ぐ!
ダイエットの敵と思われてきたチョコレートですが、最近は高カカオチョコレートの販売がきっかけで、少量であれば健康や美容に良い栄養素を摂取できることが知られるようになりました。
ダイエット中でも、食べ過ぎに注意すれば、カカオ由来のダイエットに良い影響を与える成分を摂れますし、空腹予防・ストレス対策にもなるので、ダイエットの頼もしい味方になるでしょう。
最近はスーパーやコンビニでも手軽に高カカオチョコレートが購入できるので、気になる人はぜひチョコレートダイエットを試してみてくださいね。