炭水化物ってどんなもの?
皆さんは、「炭水化物」と聞いてどんな食品を思い浮かべますか?
多くの人はパンや麺などの主食を思い浮かべると思います。
また、「炭水化物=糖質」と思っている人も多いのではないでしょうか。
そのため、「炭水化物抜きダイエット」をしている人の中には、一切パンやごはん、麺を食べないという人もいるでしょう。
あるいは砂糖などの甘いものを一切摂らないという人もいるかと思います。
しかし、炭水化物=糖質というのは間違いです。
炭水化物を減らすあるいは抜くダイエットを行うには、炭水化物に対する正しい知識が必要不可欠であることは、皆さんも想像に難くないと思います。
では、炭水化物とは一体どんなものなのでしょうか?
炭水化物とは、糖質と食物繊維が合わさったものを指します。
炭水化物というと「ダイエットの敵!」「食べてはいけないもの」と思い込んでいる人は少なくないと思います。
しかし、食物繊維は健康的なダイエットを行うためには積極的に摂りたい栄養素です。
食物繊維が不足すると、便秘になりやすくなります。
すると、体の中の余分なものが排出されにくくなり、代謝が悪くなってしまうのです。
また、食物繊維はおなかの調子を整えてくれる善玉菌のエサになるので、積極的に摂ることで体に必要な栄養を吸収しやすくなるだけでなく、体の代謝もアップさせることができます。
炭水化物抜きダイエットとは
では、最近注目を集めている「炭水化物抜きダイエット」とは、どのようなダイエットなのでしょうか?
炭水化物抜きダイエットは、文字通り「炭水化物を食べないようにするダイエット」です。
もともとは糖尿病の人や深刻な肥満を抱えている人のために考案された「食事療法」の一つでしたが、最近では「誰でも簡単に痩せられるダイエット法」として注目を集めてしまっています。
確かに、炭水化物抜きダイエットをすると一時的には体重を落とすことができるでしょう。
しかし、筋肉が減ってしまったり、栄養バランスが悪くなってしまったりするだけでなく、体に様々な悪影響があることが最近の研究で分かってきています。
炭水化物抜きダイエットは、体に大きな負担のかかるダイエットです。
素人が中途半端な知識で行うのはおすすめしません。
どうしても炭水化物抜きダイエットをしたいのであれば、必ず管理栄養士や医師などの専門科に相談して行うようにしてください。
また、普段から薬を飲んでいる人や持病がある人は、ダイエットをする前に医師によく相談するようにしましょう。
炭水化物を食べないようにするデメリット
それでは、炭水化物抜きダイエットのデメリットをもう少し詳しく見ていきましょう。
炭水化物抜きダイエットには大きく6つのデメリットがあります。
- ①脳がエネルギー不足になり、集中力が続かなくなる
- ②イライラしやすくなる
- ③疲れやすくなる
- ④肝臓の機能が低下する
- ⑤腸内環境が悪くなる
- ⑥便秘になりやすくなる
①から③は糖質を制限することで起こる体の不調です。
糖質は、私たちの体や脳を動かす貴重なエネルギー源です。このエネルギーが足りなくなると、集中力が続かなくなったり、イライラや不安感が強くなったりという精神的な症状のほか、肝臓の機能が低下したり、疲れやすくなってしまったりするのです。
④から⑥は、食物繊維が足りなくなることで起こる不調です。
食物繊維が足りなくなると便秘になりやすくなるのは、皆さん簡単に想像できるのではないでしょうか。
食物繊維には、おなかの調子を整えるだけでなく、腸に棲んでいる菌を増やす働きもあります。
腸の中に住んでいる菌にとって、食物繊維は大好物のエサです。特に体に良い働きをする菌は食物繊維が大好きで、食物繊維を食べて仲間を増やします。
すると、徐々におなかの調子も整ってくるというわけです。
炭水化物を上手にコントロールしよう!
炭水化物を食べないでいることのデメリットをお話しましたが、皆さんの中にはまだ「炭水化物は太る原因!」と考えている人がいるかもしれません。
そんな時は、「炭水化物を一切食べない」のではなく「ダイエットに適した炭水化物」を食べて上手に炭水化物の量をコントロールしてみましょう。
ダイエット中に食べる炭水化物は、
- ・炭水化物以外の栄養素もたっぷり含まれている食材
- ・糖質が少なく、食物繊維が多い食材
を基準に選んでみてください。
また「GI値」に着目して選ぶのも良いでしょう。
GI値とは、血糖値を上げるスピードのことをいいます。
この値が低ければ低いほど血糖値を上げるスピードが遅く、ゆっくりと消化されるため腹持ちが良いといわれています。
炭水化物が多く含まれる食品ランキング
それでは、炭水化物が含まれる食品を「できるだけ控えたい食品」と「積極的に摂りたい食品」という二つの面からランキング形式で見ていきましょう。
穀類
できるだけ控えたい穀類
1 | コーンフレーク |
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2 | うるち米(ビーフン) |
3 | 薄力粉 |
4 | ライ麦粉 |
5 | 小麦(国産) |
積極的に摂りたい穀類
1 | ライ麦パン |
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2 | こめ(玄米) |
3 | そば(ゆで) |
含まれている炭水化物が多い穀類は、1位がコーンフレーク、2位がビーフン、3位が薄力粉です。
これらの食品は血糖値を上げやすく、腹持ちもあまりよくないのでダイエットには不向きといえます。
一方で、ライ麦パンや玄米、そばなどは血糖値を上げにくく、腹持ちも良いのでダイエットに向いているといえるでしょう。
炭水化物だけでなく、食物繊維やビタミン、ルチンといった栄養も豊富に含まれているのがポイントです。
イモ類
できるだけ控えたいイモ類
1 | マッシュポテト |
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2 | くずきり(ゆで) |
3 | フライドポテト |
4 | じねんじょ(生) |
5 | じゃがいも(水煮) |
積極的に摂りたいイモ類
1 | さつまいも(焼き) |
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2 | さつまいも(蒸し) |
3 | 製粉こんにゃく |
マッシュポテトやくずきりなど、美味しく食べやすい食品は炭水化物が多く含まれています。特にフライドポテトなどは炭水化物と脂肪の組み合わせなので、ダイエット中は控えましょう。
一方、さつまいもは積極的に食べたいイモ類です。血糖値を上げにくいだけでなく、腹持ちも良く甘いのでダイエット中の間食に最適です。
食物繊維やカリウムも豊富に含まれているので、老廃物の排出もサポートしてくれます。
砂糖類
1 | グラニュー糖 |
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2 | 角砂糖 |
3 | 氷砂糖 |
4 | コーヒーシュガー |
5 | 上白糖 |
6 | 三温糖 |
7 | 黒砂糖 |
8 | 水あめ |
砂糖をはじめとした甘味料は、どの種類であってもダイエットに不向きです。
ダイエット中は甘いものが欲しくなりますが、そんな時は砂糖たっぷりのお菓子ではなく、ほどよい甘さでビタミンや食物繊維、カリウムを補うことができる果物を食べるようにしましょう。
砂糖はどうしても血糖値が上がりやすく、腹持ちも良いとはいえません。
ダイエット中は無理のない範囲で控えるようにしましょう。
豆類や豆製品
できるだけ控えたい豆類や豆製品
1 | うぐいす豆 |
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2 | うずら豆 |
3 | ゆで小豆(缶詰) |
4 | ひよこまめ(ゆで) |
5 | こしあん |
積極的に摂りたい豆類や豆製品
1 | 納豆 |
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2 | 大豆 |
3 | 豆乳 |
4 | 絹ごし豆腐 |
5 | 木綿豆腐 |
豆類は、全般的にGI値が低く、腹持ちの良い食品です。食べ過ぎなければあまり気にしなくても大丈夫だといえるでしょう。
敢えてダイエット中積極的に摂りたい豆類や豆製品を挙げるとすれば、それは「納豆」や「豆乳」「豆腐」です。
納豆や豆乳、豆腐にはビタミンやカルシウムが豊富に含まれています。
種、ナッツ類
できるだけ控えたい種・ナッツ類
1 | 栗(ゆで) |
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2 | ぎんなん(ゆで) |
3 | ごま |
積極的に摂りたい種・ナッツ類
1 | カシューナッツ |
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2 | アーモンド |
3 | ピスタチオ |
4 | ピーナッツ |
5 | マカダミアナッツ |
6 | くるみ |
種・ナッツ類はいずれも比較的GI値が低く、腹持ちが良く、栄養価にも優れています。食べ過ぎにさえ気を付ければ、あまり神経質にならなくても良いでしょう。
カシューナッツやアーモンド、ピスタチオといったナッツ類はスーパーでも手軽に購入でき、腹持ちも良く、食べ応えもある理想的な間食です。
小腹が空いたときに手のひら1杯程度のナッツを食べると、空腹感を満たすことができます。
野菜類
できるだけ控えたい野菜類
1 | にんにく(生) |
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2 | かぼちゃ(ゆで) |
3 | スイートコーン(ホール) |
4 | グリンピース(ゆで) |
5 | ごぼう(ゆで) |
積極的に摂りたい野菜類
1 | そら豆(ゆで) |
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2 | れんこん(ゆで) |
3 | ピーナッツ(ゆで) |
4 | 枝豆(ゆで) |
5 | オクラ(ゆで) |
甘い野菜や根菜類、葉物類はどうしてもGI値が高くなってしまいがちです。また、葉物野菜は食べ応えもなくダイエットにはあまり向かない野菜といえるでしょう。
一方、豆類やオクラ、れんこんなどは、ビタミンや食物繊維が豊富に含まれているだけでなく、腹持ちも良いのでダイエット向きの食材といえます。
上手にコントロールして健康的に痩せる
普段口にする炭水化物の量を上手にコントロールすることで、体にあまり負担を掛けず、健康的に痩せることができます。
炭水化物=ダイエットの敵と決めつけず、バランス良く毎日の食事に取り入れましょう。
特にさつまいもや豆類、ナッツ類などはダイエット向きの炭水化物です。
炭水化物をコントロールするダイエット法を行う際は、素人判断で行うのではなく、医師や管理栄養士に相談の上行うようにしてください。