高GI食の問題って?
そもそもGI値って何?という人のために、まず簡単にご説明すると、食後に血糖値が上がるスピードを表す、食品ごとの数値がGI値になります。GIはグリセミック・インデックスの略です。
糖質が体に吸収されやすい食べ物ほど、GI値が高くなります。
GI値が高い食べ物はどんなものでしょう。特に高GIとされている代表的な食べ物を、5つ抜き出してみました。
- ・精白米 84(GI値)
- ・食パン 91
- ・ジャガイモ 90
- ・上白糖 109
- ・チョコレート 91
砂糖などの甘味料や、白米、食パン、パスタといった炭水化物は、比較的高GIになっています。
白米やパンは、主食として食べる機会が多いですよね。しかし低GIダイエットでは、こういった高GIの食品をできるだけカットすることが大事になります。
逆に肉や食物繊維の多い野菜など消化吸収がゆっくりな食べ物は、低GIになります。
なぜ高GI食を減らすことが大事かと言うと、食後の血糖値を急に上げ過ぎてしまわないようにするためです。この血糖値の急上昇は、直接的にも間接的にも、肥満につながる原因になってしまうのです。
血糖値が急上昇すると……
なぜ、食後血糖値の急上昇が肥満につながってしまうのでしょうか。
まず一つの大きな理由として、血糖値が急上昇すると、体内で「インスリン」が過剰に分泌されることが挙げられます。
インスリンは、血液中のブドウ糖(血糖)の量のバランスを取っているホルモンです。
ダイエットをする上で、うまく体脂肪が落ちないことが悩みの種という人が多いでしょう。
インスリンは、糖の消費を助けるホルモンであることから、脂肪の燃焼を抑える性質を持っているのです。
しかも、インスリンは使われずに余った糖を脂肪に変えて蓄えようとする働きも持っています。
高GI食でインスリンが出過ぎると、ダイレクトに体脂肪増加へとつながってしまうのです。
食後低血糖
血糖値が急上昇してインスリンが出過ぎることは、ダイエットしていく上で他にも問題があります。
高GIの食べ物を取り過ぎると、インスリンが一生懸命に働いて、今度は血糖値を下げ過ぎてしまうのです。これが、食後低血糖と呼ばれる状態です。
大きく血糖値が下がると、脳は糖分が足りないという信号を強く出します。これによって、食欲のコントロールが難しくなってしまいます。
甘いものや炭水化物は、つい後を引いて食べるのが止まらなくなりませんか?それには、こういった血糖値の乱高下にも理由があったのです。
さらに、食後低血糖になると眠気に襲われ、日中の活動性がどうしても低くなります。運動不足になったり、ついだらだら過ごしてしまったりと、ダイエット上で好ましくない状態になってしまうのです。
糖質制限ダイエットとの違いは?
高GIの食べ物=糖質が多い食べ物なら、要するに低GIダイエットは糖質制限と同じなの?とお思いになるかもしれません。
確かに低GIダイエットは、糖質制限と大きなねらいは同じなのですが、糖質制限はどちらかというと糖質の多い炭水化物は取らないようにする、というイメージがあります。
GI値を意識したダイエットでは、炭水化物なら何でもカットしなくてはいけない、ということにはなりません。
同じ炭水化物でも、玄米や全粒粉のパンといった精製されていないものであればGI値が低くなりますし、酢や油を使うなど、調理方法の工夫でGI値を下げることもできます。
このように、糖質制限よりも、より気持ちの面でゆるやかに行えるのが、低GIダイエットだと捉えてもらえるといいでしょう。
低GIダイエットの注意点は?
食べ物を選ぶにときに、GI値を意識することは、ダイエットにとても有益です。
しかしGI値が高い食べ物にも、多くのメリットがあります。あまりGI値だけにとらわれても、偏った食生活になってしまいます。
無理なく低GIダイエットをしていく上で、注意するべきポイントを見ていきましょう。
高GI食のメリット
糖質の多い食べ物(=高GIの食べ物)にも良い点があります。
高GI食のメリットは、
- ・素早くエネルギーに変わってくれる。
- ・消化が良いものが多い。
という点です。
このような良い点から、生活の中で糖質の多い食べ物が役に立つ場面は多いです。
例えば、激しい運動をする時には、急なエネルギー不足にならないように、炭水化物を取った方が良いです。
またたくさん仕事をして頭が疲れたときは、自然と糖分が欲しくなりますよね。糖質の高い食べ物はすぐに脳にブドウ糖を運んでくれます。
食べ過ぎてしまったときや、寝る前など、消化に負担をかけたくないときには、炭水化物やフルーツなど、高GIでも消化しやすいもののほうが、食べるのに適しています。
低GIの食べ物は消化に時間がかかるものが多いので、胃や腸に負担もかかりやすくなっています。
高GIの食べ物も、量を調整したり、低GIの食べ物と組み合わせたりしながら、ある程度生活に取り入れていくことが健康的です。
食べる順番の工夫
比較的高GIの食べ物も、工夫次第で、デメリットを減らしつつ食事に取り入れることが出来ます。
低GIの食べ物を選ぶ目的は、血糖値の上昇をゆるやかにして、インスリンが一気に分泌されないようにすることです。
インスリンが少しずつ分泌されるようにしてあげれば、血糖値を乱高下させることはありません。
GI値が高い食べ物をとる時も、食べる順番を低GIの食べ物の後に持ってくることで、血糖値の上がり方はゆるやかになります。
サラダ、おかず、ご飯の順で食べるといった工夫をすれば、高GIの食べ物もある程度メニューに取り入れることができるようになるのです。
GI値を意識すれば、自然とバランスの取れたメニューに
食欲がコントロールできなくなって、ダイエットに失敗してしまうのは、ただ自分の意志が弱いせいだと思っていませんでしたか?
でもそれは、高GI食品の食べ過ぎによる、血糖値の乱高下が原因かも知れません。
食べる物を選ぶとき、GI値を意識すれば、食欲をそれほどストイックに我慢しなくてもダイエットを続けていけます。
GI値の上がりにくい食事の内容は、ご飯や麺などの主食だけではなく、サラダやおかずと組み合わせたバランスがとれたメニューになります。
主菜・副菜のバランスが大事、と言われるのは、栄養だけでなくGI値の面から見ても理にかなっているのです。ぜひ普段の食生活を、GI値の面から見直してみましょう。